50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

「やはり中山理恵、理恵さん。知らない、もう」

2016-01-18 20:01:09 | 小説
「やはり中山理恵、理恵さん。知らない、もう」
と夏子は言い、その調子に幸男は一瞬胸が突かれていた。とうとう裏切ってしまったと思った、その矢先の、後悔の一突きだった。
「白状したらしたで・・・・・・とにかく彼女にはこれだけは言えている。宇礼市を去った途端に舌をだすような人間じゃない」

(「おしのび」つづく)