「やはり中山理恵、理恵さん。知らない、もう」
と夏子は言い、その調子に幸男は一瞬胸が突かれていた。とうとう裏切ってしまったと思った、その矢先の、後悔の一突きだった。
「白状したらしたで・・・・・・とにかく彼女にはこれだけは言えている。宇礼市を去った途端に舌をだすような人間じゃない」
(「おしのび」つづく)
と夏子は言い、その調子に幸男は一瞬胸が突かれていた。とうとう裏切ってしまったと思った、その矢先の、後悔の一突きだった。
「白状したらしたで・・・・・・とにかく彼女にはこれだけは言えている。宇礼市を去った途端に舌をだすような人間じゃない」
(「おしのび」つづく)