50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

岬ホテルのベッドルームで理恵は、電話の・・・

2016-01-24 16:14:46 | 小説
岬ホテルのベッドルームで理恵は、電話のベルを夢見心地で聞いている。目が覚めるとカーテンの間隙を縫い、真昼間の光が朗らかにきている。電話のベルに、敏彦が快かいな寝返りを打っている時、理恵はふとふるさとへの疚しさに打ち勝てる自分を感じる。

(「おしのび」つづく)