「連絡の時刻。仕様がないわ」
と自分に言い訊かせた。敏彦が起きていくべきところ、理恵は物音を立てない気づかいをしながら、頭の冴えた愉快な心持ちが嬉しいのだ。あの世界からの呼びだし音に向かって、理恵はふるさとで結ばれた敏彦に対するいとおしさを抱きながらいた。
(「おしのび」つづく)
と自分に言い訊かせた。敏彦が起きていくべきところ、理恵は物音を立てない気づかいをしながら、頭の冴えた愉快な心持ちが嬉しいのだ。あの世界からの呼びだし音に向かって、理恵はふるさとで結ばれた敏彦に対するいとおしさを抱きながらいた。
(「おしのび」つづく)