サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

宮間利之とニューハード / 仁王と鳩

2010年11月26日 23時28分38秒 | 邦楽
宮間利之とニューハードの「仁王と鳩」

1972年の作品です。

1969年の「パースペクティブ」
1970年の「天秤座の詩/ニューハード+佐藤允彦」
1971年の「牡羊座の詩/ニューハード+富樫雅彦」に続く意欲的な作品。

今回はニューハードのギタリスト、山木幸三郎のオリジナルを取り上げた
全曲「和」の要素満載なアルバム。

A面
1.かくれんぼ
2.狐の嫁入り行進曲
3.艶歌に対する悲しみ
4.仁王と鳩
5.白鳥のねむるとき

B面
1.隅田川
2.祈願美
3.成人式

まず特筆すべきはこのジャケット。非常にインパクトがあります。
キング・クリムゾンの1STに比肩しうるくらいのインパクト!
当たり前ですが、やはりLPサイズだと迫力も凄いです。

また中身も凄い。山木氏のオリジナル楽曲が全8曲収録されていますが、
曲名からして普段は見かけないようなタイトルばかり。
しかもジャズでこういう曲名というのはあまりないのではないでしょうか。

ジャケットや「仁王と鳩」というタイトル、
そしてそれぞれの曲名からも取れますが、
非常に日本人としてのアイデンティティを打ち出した感があります。

使用した楽器もあえて「でんでん太鼓」などの昔のおもちゃを使って、
どこか懐かしい感じもしたり、ちょっと雅楽ぽい音を出していたりします。

一曲目の「かくれんぼ」からして五拍子で「もういいかい」「まあだだよ」と
いうところからきてるらしいですが、聞き応えあります。
なんでも当時のリサイタルではこの曲に日野皓正氏を迎えて演奏したらしく、
くわー!聞いてみたい!と叶わぬ思いに歯ぎしりをしてしまいます。

他にも全編良いですが、最後の「成人式」は必ず聞いて欲しい一曲!
他の収録曲は3分から5分と比較的コンパクトにまとめられていますが、
このB面最後の曲は10分近くと非常にながく、それでいてダレルことがなく
非常にアグレッシブなジャズ・ロックとなっています。

最近ではDJ XXXL氏のMIXにも収録されました。

ベースとドラムが非常にタイトなリズムを打ち出す格好いいミッドグルーヴ!
そこにビッグバンドならではの重層的で和的なテーマが提示され、
ソロ回しとなりますが、熱いですが、どこか日本的な「抑制された美」
のようなクールな印象があります。

そしてこの曲のアウトロでは、なんとあの英国産JAZZ ROCKの代表格である「NUCLEUS」の1970年の1ST「Elastic Rcok」から「1916 - The Balttle Of Boogaloo」を引用したフレーズ(かなり似てます)を用いてフェイドアウト!知っている人が聞くとニヤリとしてしまいます。

人名/曲名をド忘れしてしまいましたが、山木氏は女性歌謡曲歌手のとなる曲でもニュークリアスの「Torriod Zone」(同じく「Elastic Rcok」収録)を大胆に用いた曲もあったりするので、当時はニュークリアスが相当好きだったのでは?と思います。(解説ではデューク・エリントンとゲイリー・マクファーランドが好きと語っていますが)

このLPは残念ながら非常に高額で市場では取引されています。オリジナルは見開き仕様で、再発も出ていますがそちらはシングルジャケに変更されています。再発盤もレアです。

私の中では日本のジャズは、イギリスのジャズ/ジャズ・ロックと共鳴する部分も多く、是非沢山の方に聞いて頂いて賛同を得たいところですが、如何せんまだまだ復刻状況も厳しくそのような状況まで至っていないのが残念でなりません。

これからもちょこちょこっと紹介していけたらと思います。


白石かずこ

2010年11月22日 01時29分08秒 | 邦楽

先日白石かずこの詩集を買いました。

現代詩文庫の「白石かずこ詩集」

1969年11月1日発行となってます。

今から41年前のものです。

ただこれだけだと記事にはしません。

家に買って帰ったあと、表紙をめくってみると、

裏にはこんな文字が。。。

おお!この「比呂公一」のことかしら?!

ちょっと分からないけど、白石かずこ本人から比呂某さんに送られたであろう、この詩集になんだかほっこりした気分になります。

 

もともとは音楽方面で「ジョン・コルトレーンに捧ぐ」というアルバムがCD化されたときに知りましたが、サム・リバースのSAXをバックに朗々と詩を読む白石かずこに私は相当感激しました。この詩集にもコルトレーンに関する詩が収録されてます。

(以下CDのinfo)

“詩のロック・スター”白石かずこがサム・リヴァースと共演した伝説の名盤、奇跡の初CD化!原盤USミュージック・ワークス1977年。サム・リヴァース正式許諾を得て、世界が待ち望んでいたCD化。代表作「マイ・トーキョー」「聖なる淫者の季節」収録。

詩人白石かずこは、仏リベラシオン紙では“詩のロック・スター”と謳われ、代表作に「聖なる淫者の季節」(H氏賞)、「砂族」(歴程賞)など。また、J.A.シーザーをはじめ、沖至、翠川敬基といったミュージシャンや、大野一雄など舞踏家との共演を行ってきている。本作は彼女のヴォイス・パフォーマンスを聴くことの出来る数少ない資料であり、その朗読にはシャーマニックな雰囲気があり聴く者をある種のトランス状態に誘う。また共演のサム・リヴァース本人にとっても数多い演奏歴の中から後年これを代表作として挙げる(英WIRE誌)など名盤として語り継がれている。

解説 : 副島輝人 
白石かずこインタビュー掲載


John Mayall & The Bluesbreakersのミック在籍時のLIVE音源

2010年03月12日 23時29分43秒 | 邦楽
John Mayall & The Bluesbreakersの「It's My Own Fault」。
Mick Taylor在籍時の1968年のフィルモアでのサウンドボード音源。

今まで聞きたいなーとは思ってましたが、値段と優先順位の問題から
後回しになってましたが、BFで1,000円だったので、えいや!と遂に購入。

いや~でもこれ本当素晴らしいです!
1,000円だったら迷わず買えよ!という一枚。

1968年2月9日(9月2日?)のフィルモア・オーディトリアムでのLIVE。

Set List
1.Dust My Broom
2.So Many Roads
3.I Can't Sleep
4.It's My Own Fault Baby
5.Soul Of A Shout Fat Man

Member
John Mayall:Vocals,Guitar,Harmonica,Keybard
Mick Taylor:Guitar
Keith Tillman:Bass
Chris Mercer:Tenor Sax,Organ
Dick Heckstall-Smith:Alto and Tenor Sax
Keef Hartley:Drums

どちらかというとアップテンポの曲よりスロウ・ブルースの方がしっくりきます。
というか、2曲目のオーティス・ラッシュの「So Many Roads」で決まり!
泣きのブルース・ギター/チョーキング炸裂です!

ブルースブレイカーズでは、前任のPeter Greenの在籍時の「A Hard Road」で
既に披露済み(コチラも必聴!)ですが、このライブでは約12分に渡って
ミック・テイラーの泣きもギターを聴くことが出来ます!これは心揺さぶられます!

他にも後にコロシアムを結成するDick Heckstall-SmithやKeef Hartley Bandを結成する
Keef Hartleyが在籍しているというのも、ブリテッシュ・ファンには見逃せません。

5曲で44分のLIVE。オススメです。

しかしもっとこれに次ぐようなクラプトン在籍時、
ピーター・グリーン在籍時のライブ音源は出てこないものか。

絶対買います!

youtubeを調べたらレア映像発見!ミック・テイラー若い!
ジョン・メイオールは・・・変わらないですね(笑)
マイムですが、せめてハーモニカの所は吹く真似くらいしましょうよ!と笑ってしまいました。


大野雄二 / My Little Angel

2010年03月11日 10時15分22秒 | 邦楽
1971年発売の大野雄二のピアノ・トリオもの。
もともとのタイトルは一曲目の「ミスター・ハピゴン」。
でも再発売の時に何故か「マイ・リトル・エンジェル」。
(その経緯は分かりませんが)

大野雄二というと、どちらかというと「ルパン三世」などに代表されるような、
華やかなイメージやサントラ、劇伴のイメージが強いように思われる方もいるかも知れないけど、
元々の出自は「ジャズ」。

60年代の白木秀雄や日野皓正との活動がジャズ・サイドでの活動として比較的知られている。
それでも自身のピアノ・トリオとなるとこれのみかも?
他には笠井紀美子をボーカルに迎えたものと、アン・ヤングをボーカルに迎えたものが有名。
あとはジャズではないけれど、ソニア・ローザとの共演盤も。

その他のアルバムでいうと「コスモス」や「スペース・キッド」、
そして「エレクトロ・キーボード・オーケストラ」など、
時代の最先端をいくディスコ~フュージョン系の音。
これはこれでどれも現在のレア・グルーヴの評価の対象となるような素晴らしい作品。

なので、このピアノ・トリオものは非常に貴重。
特に一曲目と五曲目のオリジナルは秀逸。
カバー曲もリリカルでいて静謐さがただよう出来。

2006年に紙ジャケされて、買い逃してしまってましたが、
ようやく新品で手に入れることが出来ました。

オリジナルのLP「ミスター・ハピゴン」は結構レアだと思います。
それでも探す価値/聞く価値は必ずあるタイトルだと思います。

Member
大野雄二
池田芳夫
岡田和義

SONG LIST
01.Mr.Happy Gon
02.My Foolish Heart
03.Alone Together
04.A Boy On A Dolphin
05.My Little Angel
06.By The Time I Get To Phoenix
07.On Green Dolphin Street
08.My One and Only Love


Club Jazz Digs Lupin The Third

2010年03月10日 23時56分08秒 | 邦楽
「新譜を発売に買う」ということ自体がすごく久々な気がする。

レコード番長こと須永辰緒プロデュースによるルパンもの!

その名も「クラブ・ジャズ・ディグス・ルパン三世」!!!

01. ルパン三世のテーマ/SOIL&"PIMP"SESSIONS
02. 非常線突破/ファブリツィオ・ボッソ~マックス・イオナータ・ クァルテット
03. ルパン三世・愛のテーマ/EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
04. ラブ・スコール/ロザリア・デ・ソーザ
05. ルパン三世のテーマ/ファイブ・コーナーズ・クィンテット
06. ルパン三世のテーマ/クリスチャン・プロマーズ・ドラムレッスン
07. スーパーヒーロー/勝手にしやがれ
08. サンバ・テンペラード/ジェラルド・フリジーナ
09. ルパン三世のテーマ/Sunaga t Experience
10. 炎のたからもの/TRI4TH

しかもこのアルバムの先着特典には何と7inchが付くんです!
↓これがそのジャケ!


■Side A
「Theme From Lupin The Third」 Performed by SOIL&"PIMP"SESSIONS
■Side B
「Theme From Lupin The Third」 Performed by THE FIVE CORNERS QUINTET

この7inchが欲しくて発売日に買いに走った次第!
わざわざレジで「まだ残ってますか?」と確認して買いました(笑)

もうなくなってるところも多そうなので、気になった方はお早めに。

内容もものすごく良いいです。
のっけからSOILのノリノリな感じもいいし、
エゴ・ラッピンのしっとりとした感じも良い!

個人的なベストは「TRI4TH」によるモーダルな「炎のたからもの」。

この手のカバーものを倦厭される方も中にはいらっしゃるかも知れませんが、
クラブ・ジャズ好きはもちろんのこと、
ルパンファン、大野雄二ファンが聞いても非常に楽しめると思います。

ジャケがルパンじゃなく、次元てのも憎いです!

オススメ!

で、最近Twitter始めたんですが、
そこで須永さんをフォローしてこのCDの発売に気付いた次第。

Twitter始めてなかったら確実にスルーしていました・・・
情報量が半端でないですが、こういう情報は大歓迎!

在日ファンクとか。

2010年03月05日 14時04分07秒 | 邦楽
ファンクで盛り上げっているのは自分だけ?
と思っていたら周りでも最近ファンクは盛り上がっているんでしょうか?

例えばこの「在日ファンク」。
2010年一月にアルバムが出たばかり。
でも実際の活動は結構前からやってたみたい。
あのSAKEROCKのハマケンこと浜野謙太氏率いるファンクバンド。


「在日ファンク / キズ」



まったくサウンドや掛け声はジェームス・ブラウンなのに、
歌詞が日本語!しかもこれが何故か思わず口に出したくなるような絶妙な選択!

聞くたびに「キズ・キズ!」といっちゃいます。リフレイン!

そして残念ながら早くも解散してしまったらしいけど・・・
「ズットズレテルズ」名前聞いた時、何故か「やられた!」と思っちゃいました。





見た目完全にキワモノですが、実はめっちゃ格好良い!
そしてベースがあのダウンダウンの浜ちゃんの息子!
もっと続けて欲しかったなー。そして生で見てみたかった。

そういえば「FUNK」として聞いてなかったけど、
SUPER BUTTER DOGも超FUNKY!




今やハナレグミの方が有名ですが、
私がSUPER BUTTER DOGを聞き始めた時は
まだハナレグミはやってなかったなー。

もともとはスライのカバーバンドだったらしいから、そのFUNK度は高し。
永積氏も絶妙な日本語をFUNKにのせて今聞いても格好良い!
ハナレグミよりも好きです。


そしてやはり忘れてならないのが「オーサカモノレール」。
上のバンドはFUNKサウンドに日本語歌詞をのせて面白い感じですが、
こちらは本物で
すよ!ライブもめちゃめちゃ格好良い!

他にも勝手にしやがれやスクービードゥーもFUNKYだなと思ったり。
色んなところにファンキーがあるな、と発見したり。

こうやって思い返してみると、FUNKは脈々と現在まで息づいてると実感。
自分もファンキーなのやりたいなー!

ジャンクフジヤマ in YOUTUBE !!!

2010年03月04日 00時35分12秒 | 邦楽



ジャンクフジヤマ with 村上ポンタ秀一!!!

曲はオリジナル・アルバムの一曲目に収録されたいた「秘密」!!

どうしても「山下達郎ライク」な感じに見られがちですが、
実はオリジナルこそが素晴らしい!

2009年単純な新譜としては一番聞いたかも?

実は大学の後輩。卒業してから知り合ったけど。

同じ大学の後輩では「LITE」や「ムーンライツ」、
先輩では「birds melt sky」、
さらにもっと上にはアフターミーのベースの方がいたり、
まわりも音楽業界に勤めてる人も多く、
なんだか自分も頑張らねば!と刺激を受けます。

またジャンクのライブに足を運びたいと思う。

上田正樹とSOUTH TO SOUTHの「BREAK DOWN」

2010年03月03日 01時18分26秒 | 邦楽
続いては大好きなバンド「上田正樹とSOUTH TO SOUTH」。
最近BLU-SPEC CD仕様で発売されたようですが買ってません!

私の持っているものは古い規格のものですが、でも良いんです!
熱い魂は充分伝わってきますから!

FUNKが気になりだしたこのごろ。
ふと「ブレイク・ダウン」の元ネタは誰なんだろう?と思って調べてみました。

サウス・トゥ・サウス版「ブレイクダウン」



そしてこれが元ネタ。
「RUFUS THOMS」という人の「BREAK DOWN」!



この動画を見つけた時は思わず笑ってしまいました。相当アクの強いおっさんですね。
ピンクの衣装で半ズボンに、白いブーツって!

どこまでもつながっていく音楽数珠繋ぎ。
こんなことをしていることがすごく楽しいんですよね!

オムニバス / FUNKY PARTY

2010年02月28日 00時55分33秒 | 邦楽
以外にこのブログでは紹介してませんが、
実はレコードも結構買ってるんですが、
前のブログの続きで、このレコードを紹介!

日本コロムビアから1975年に発売された
「オムニバス / FUNKY PARTY」( CD-7132 )

この手のアルバムには珍しいLIVE録音。
1970年代の半ばにくるとディスコとかファンクとかが、
主流に近いほどの人気があったんだぁと分かります。

A SIDE
1.稲垣次郎とソウル・メディア
 PUT IT WHERE YOU WANT IT
2.小沢テツ
 SEX MACHINE
3.ザ・スーパー・ファンク
 LOSE BOOTTY~FUNK STUFF

B SIDE
1.タンタン(森田多恵子)
 WHO HAS NOTHING
2.エディ藩とオリエント・エクスプレス
 WALKING ALL DAY
3.石川晶とカウント・バッファロー
 SCRATCH

1974年12月22日の後楽園ホールのLIVE録音

稲垣次郎と石川晶の和モノ二大巨頭参加の未CD化盤とあって、
レコード市場でも人気の一枚。

さらにゴールデン・カップスのエディ藩も収録されており、
ロック・ファンも見逃せない一枚。
この曲はオリジナル・アルバムには収録されていないLIVEテイク。

私の持っているものはライナーが付いてません。
ヤフオク出品のものも数回見てますが、
ライナー付きのものはみたことありません。
元々付いていなかったとの噂もあります。

なので残念ながら詳細が分かりませんが、
稲垣次郎とソウル・メディアのメンバーやカウント・バッファローのメンバーは
ライブの場ではどのようなメンバーだったのか?
小沢テツ、ザ・スーパー・ファンクとはなにものなのか?
タンタンのバックミュージシャンは?
など興味が尽きません。

さらに凄いのは、もちろん人によって違うとは思いますが、
ベスト・トラックが「小沢テツ~スーパー・ファンク」だということ。
最初は私も稲垣次郎、石川晶、エディ藩といった名前で購入しましたが、
小沢テツのSEX MACHINEは怒涛のグルーヴ!!!

さらにそこから繋がるように
ザ・スーパー・ファンクのファンキーな演奏に変わります。
それだけにこの人たちのことが気になります。

B面はタンタンのしっとりしたバラード風の歌とエディ藩の歌もの
(インストパートはノリノリ)があるために、
やはりファンキー極まりないのはA面という印象が強いです。

「FUNK PARTY」というタイトルに偽りなしの、文句なしにファンキーなオススメ盤。

意外に日本のロック・グループでファンクに接近したグループってあんまりいないので(ソー・バッド・レビューとか上田正樹とサウス・トゥ・サウスとか、関西系に多い印象もあり)、「日本のファンク」ってあんまり思い浮かばないですが、前のBLOG記事の稲垣次郎とかこのアルバムとか確実に存在していたわけで。もっとこの流れでこういうアルバム復刻されないんでしょうか?喜んで購入します!

どこかに詳しい方、またライナー持っている方
いらっしゃいましたら是非お知らせ下さい。

稲垣次郎とソウル・メディア / ファンキー・スタッフ

2010年02月27日 17時32分16秒 | 邦楽
前記事のSOUNDS OF LIBERATIONもファンキーでしたが、
こちらもファンキー。その名も「FUNKY STUFF」。

稲垣次郎と言えば、日本を代表するサックス奏者で、
特に1970年の「ヘッド・ロック」はジャズの粋を遙かに超えた
ジャズ・ロックの名盤として燦然と輝く評価を今は手にしている。

2009年にも1970年ごろの「ヘッド・ロック」と同傾向の
「ウッドストック・ジェネレーション」がP-VINEよりCD化されマニアの話題を誘った。

そしてこの「FUNKY STUFF」は1974年の作品で、ジャズ・ロックから
徐々にソウル・ジャズやファンクに移行していった時期の代表作。
それが2010年に日本コロムビアの「昭和アーカイブ・ジャズ・シリーズ」より
CD化された!しかも2,000円!安い!これは喜ばしい初CD化!

一曲目から再生してみると・・・
ん!ん!ん!

これは石川晶の超名盤「GET UP!」にも収録されていた曲ではないか!
その盤にも参加していたコルゲンこと鈴木宏昌が同じく
この「FUNKY STUFF」でも編曲、キーボーディストとして参加している。

石川晶の高速なタム回しとは違い、石松元(彼も同じ時期に沢山のレコーディングに参加しているスタジオ・ミュージシャン)のドラムというだけで同じ曲でも随分と印象が違う。ちょっとバタバタした感じと若干テンポが違った感じもなかなか良い。

次の「ファンキー・モーション」は、ベース・ソロの曲。
これがメチャクチャ重低音の聞いたファンキーで歌心があるソロで
最近ベースを弾く自分としても非常に魅力的。
ベースラインと似たようなスキャットもかぶさってます。

そして再び鈴木宏昌のオリジナルによる3曲目「ブリーズ」。
これはミッド・テンポのグルーヴで非常に洗練された印象。

このアルバムの良い所は、何かとカバーの多い同傾向のアルバムが多い中、
これは圧倒的にオリジナルが多くしかもレベルが高い曲ということ!

その中でもアルバム・タイトルに持ってきてもいる5曲目はクール&ザ・ギャングの曲。
この曲ですが、三保敬太郎がかかわった和モノ名曲の「ザ・ゴリラ7のテーマ」に
非常に良く似てます。というかきっとパクッたんだと思いますが。

これもベースラインぶりぶりで、歌の部分を全部ホーンで担ってます。
稲垣次郎のサックスはといえば、全編にいえますが、そこまでバリバリ吹いてません。
むしろグルーヴ優先で、「グルーヴが出るなら俺は吹かんでもいい!」といわんばかり。
でも要所要所でまとめてくる辺りはさすが。

6曲目は鈴木宏昌が稲垣次郎に捧げた「ワン・フォー・ジロー」。
ここではさっきの曲とは異なり燻し銀で歌い上げています。格好ええ!

全体的にボトム・ラインが非常に重低音でグルーヴィー!
そこに鈴木宏昌の良い感じのエレキ・ピアノが絡んできてメチャクチャ格好良いです。

こればっかり聞いていて最近どっぷりFUNKに目覚めてしまいそう。
全く今まで興味なかったFUNKとかSOULが急に面白いです。
どこでどうつながるか分かりませんが、それだからこそ音楽は飽きません!

1. ペインテッド・パラダイス
PAINTED PARADISE(H. Suzuki)
2. ファンキー・モーション
3. ブリーズ
BREEZE (H. Suzuki)
4. スクラッチ
5. ファンキー・スタッフ
FUNKY STUFF (Kool & The Gang)
6. ワン・フォー・ジロー
ONE FOR JIROH (H. Suzuki)
7. ジェントル・ウェイヴ
GENTLE WAVE (H. Suzuki)
8. フォー・アップ
FOUR UP (H. Suzuki)

演奏:稲垣次郎とソウル・メディア+鈴木宏昌(エレキピアノ)
J. INAGAKI & HIS SOUL MEDIA + H. SUZUKI(E.P.)

鈴木宏昌  Arrange & Fender Rhodes
稲垣次郎  Tenor Sax, Soprano Sax, Flute
今井 尚  Trombone
安川ひろし Guitar
岡沢 章  Bass
石松 元  Drums

録音年月日:1974年8月
スタジオ:コロムビア第2スタジオ
プロデューサー:稲垣次郎
ディレクター:佐藤方宣
ミキサー:飯田 馨
イラストレーション:久保襄介

■Kool & The GangのFUNKY STUFF



■三保敬太郎の「ザ・ゴリラ7のテーマ」


幸福な時代とどうしようもない閉塞感

2010年02月23日 14時44分34秒 | 邦楽
ミュージック・マガジンから1990年から1999年の
日本のロック/ポップスの名盤ガイド本「THE GROOVY 90'S」が
発売されたので購入してみた。

オール・カラーで353枚の掲載。

数えてみれば、1990年から2010年の間には早くも20年という時間が経過している。
自分も1999年に20歳を迎えた世代で、まさしく90年代は青春時代だった。

ぱらぱらめくってみるだけで、色んなことを思い出し面白い。
もちろん聞いていないのも沢山あるわけだけど、
それも含めてその時代というのがその選盤によって否が応でも浮き彫りになる。

そこで感じたのは、「2000年代とはやはり明らかに違う」ということ。
バブル時代からの享楽的な雰囲気から、世界的な同時代性を獲得し
多用なジャンルが咲き開いた90年代の後半。

バンド、テクノ、ヒップホップ、打ち込み、エレクトロニカ、ポストロック、ノイズなど。

2000年代は音楽自体に新しい展開がなく、局地的には面白い音楽が生まれているけど、
それが大きく広がることは結局なかった。みんながそれぞれに好きな音楽を聴くという、
「個」がさらに突き進んだように思う。

これからどこへいくんだろうか、とどうしようもない閉塞感を感じると共に、
まだまだネットもI-PODもなくクラスのみんなでその時代の音楽を共有することが出来た
最後の幸福な時代が90年代だったのでは」ないかと、この本を読んでみて思った。


ポール岡田・著 「HAiR 1969 輝きの瞬間」

2010年01月15日 00時16分56秒 | 邦楽
昨年購入していた書籍で、本日読了。

ポール岡田の「HAiR 1969 輝きの瞬間」

これ、凄く面白かったです!

カーナビーツの後期ボーカリスト、
そして日本版「HAIR」への参加した著者ポール岡田の
高校時代からHAIRの麻薬事件での終幕をテンポよく描いた作品。

当時の芸能のうそくさい感じや風俗が当時を生きていない人にも
ちょっとでも垣間見ることが出来るという意味でもオススメです。

そしてやはりGS~ニューロックファンには、
GSの終焉とカーナビーツの後期あたりの詳細、
そしてHAIRに参加のミュージシャンや
当時の他のミュージシャンとの関わり
(ハコバンに出ていたバンドの誰々が後のなんとかだったとか)
が凄く興味深く必読ものです。

文体も非常に読みやすくあっという間に読み終わりました。

なんとyoutubeに当時のヘアーの音源がアップされていたので、こちらでも紹介させて頂きます。
※ソドミーの日本語歌詞も聴くことが出来ます。







日本版ヘアーのLPも紹介!帯付画像はレアかと。


曲目はCDのものを掲載します。
このCDを聞きながらこの本読むと一層楽しめること間違いなしです!

1. アクエリアス(輝く星座)(チェット・フォーチュンとトライブ)
2. ドナ(寺田稔とトライブ)
3. マンチェスター・イングランド(クロード芹沢とトライブ)
4. 僕は黒い~何もない(トライブ)
5. デッド・エンド(チェット・フォーチュン,アイザック・クレイ,ボブ・エティエン,グレタ・スチュワート,シシリア・ノーフリート)
6. シェイラ・フランクリン(トライブ)
  ~煙もない(トライブ)~空気(山田泰美とトライブ)
7. 僕には生命がある(クロード芹沢とトライブ)
8. ヘアー(クロード芹沢,寺田稔とトライブ)
9. フランク・ミルズ(三宅光子)
10. ビー・イン(ハレ・クリシナ)(トライブ)
11. どこへ行く(加橋かつみとトライブ)
12. エレクトリック・ブルース(トライブ)
13. ゴーイング・ダウン(深水龍作とトライブ)
14. 宇宙を歩いて(トライブ)
15. 3-5-0-0(トライブ)~人のすべて(チェット・フォーチュンと堀内麻九)
16. グッド・モーニング・スターシャイン(トライブ)
17. フレッシュ・フェイリュア(輝け太陽)(加橋かつみとトライブ)

大口ヒロシ・トリビュート・ライブ!!!

2009年12月17日 05時46分29秒 | 邦楽
■日時
2010年1月25日(月)

■会場
渋谷duo MUSIC EXCHANGE

■出演
ゴールデンカップス
TENSAW
深水龍作&DEEP MOUTH
佐藤隆
GHQ
ジョー山中
ムッシュかまやつ
大口プロジェクト(篠原信彦、アラン・メリル ほか)

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亡くなってしまったのが未だに信じられませんが・・・

これは是非行きたいですね!

アラン・メリルとのウォッカ・コリンズ。
貴重な写真も満載です。格好いい!




Sunrain 閉店に・・・

2009年12月13日 08時25分24秒 | 邦楽
高円寺のSinrain、本日2009年12月13日(日)に閉店だそうです。

ということで、昨日行って来ました。

やはりこういうお店がなくなってしまうのは淋しいですね。
円盤&Sunrainで高円寺も面白かったんですが。

買い逃していたECDのプライベート・レッスンのVOL.5を購入。

サンプラーもらいました。

こういうのも良いですね、普段聞かないものを聞けるって言う。

スタッフの方のBLOGも面白くて、
ブックマークして読んでたんですが、
やっぱり終わってしまうんでしょうか?

残念。

SunrainのHPはこちらから。