サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

Eric Clapton's Rainbow Concert

2005年09月19日 21時45分18秒 | 洋楽
国内盤は見かけたことがなく廃盤かと思っていて、
長いこと聞けないままだったこのコンサートだけど、
輸入盤がいとも簡単に入手出来た。な~んだ。

さてこのコンサート。
ファンにはおなじみの歴史的なものだけど、
内容はちょっと厳しいものがある。
それはデラニー&ボニー~ソロ~そしてデレク&ザ・ドミノスで
クリームに続く栄光を手に入れたかに見えたクラプトンだが、
実はその一方で麻薬に依存しっぱなし状態に陥っており、
結局デレク&ザ・ドミノスもセカンドアルバム用にスタジオ入り
するも完成に至らず。そして彼は療養生活に入るのであった。

そしてこのコンサートが行われる1973年。
ザ・フーのピート・タウンゼントが、
クラプトンのカムバックコンサートをサポート。
バックのメンバーに、ピートに加え、
トラフィックからスティーブ・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、
リック・グレッチ、リーバップ・クワワ、そしてロン・ウッド。
エリック・クラプトンの人の良さと人脈の広さを物語るような
素晴らしい人選である。

で肝心の内容だが、このCDで聞ける曲目は以下14曲。
(昔はこの中の6曲で発売されておりこのCDは「+8」Ver.
 今はブートで全貌を聞くことが出来るが持ってません・・・)

1.Layla
2.Badge
3.Blues Power
4.Roll It Over
5.Little Wing
6.Bottle of Red Wine
7.After Midnight
8.Bell Bottom Blues
9.Presence of the Lord
10.Tell the Truth
11.Pearly Queen
12.Key to the Highway
13.Let It Rain
14.Crossroads

ブラインド・フェイスからドミノスまでのベスト・オブ・ベスト的な内容。
しかも一曲目があのレイラ!しかしこの曲でいきなりズッこけます。
全然声が出ていない・・・まぁ復活コンサートだけに、
身も心もボロボロというのは分かるが、軽くショック。
しかもソロも元気なく、あっという間にレイラが終わってしまう。

先が思いやられるが、この後尻上がりに調子が良くなっていきます。
といっても一時期の勢いに比べると比べるべくもないのですが・・・
クラプトンの肝心のギターがまるで歪んでいなくて、
ペケペケと悲しい感じがします。
(ちなみに左chにロン・ウッド、右chにピート・タウンゼント、
 センター気味にあるのがクラプトンのギターと思われます)

それでもファンはこのコンサートを聴くべきでしょう。
特にベル・ボトム・ブルースの壮大さは素晴らしいものだし、
プレゼンス・オブ・ザ・ロードでは、ブラインド・フェイスの
ジンジャー・ベイカーを除く三人が揃った貴重なものだし、
レット・イット・レインの長尺な感じも微塵もない位の勢いも凄い。
更にトラフィック・ファンはパーリー・クイーンも聞ける。

全編にわたってロン・ウッドのスライドとウィンウッドの活躍が
素晴らしい。何よりこのステージに腐りかけのクラプトンを上げた、
ピート・タウンゼントの心意気に感謝したい。

何故もっと早く聞いてなかったんだろうかと思う一枚。
ファンの方は必聴です。