サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

フレアオッズ

2006年01月20日 23時39分30秒 | 邦楽
『フレアオッズ』

今一番大好きなグループ。
昔風に言えば、
「彼らの音に完全にマイってしまった!」
こんな感じだろうか。

初めてしったのは、もう何年前だろうか。
インディーズで発表された『アングラポップ・イン・大須』という
名古屋のバンドを集めたオムニバスアルバムでだ。
ザ・シロップやスキャツといった昭和40年代系のバンドが参加した
このアルバムは、ザ・ヘアやザ・ハッピーズといったバンド以降の
和モノシーンを紹介する画期的なアルバムだと、今振り返って思うのだが、
当時は同じ世代の人たちがこんな格好良いことやっているのか!
と我ながら勇気づけられた。

その中にフレアオッズが
「おさらば鉄道」という名曲を引っさげ収録されていた。
この「おさらば鉄道」は、どこか昔を想起させる歌詞・曲調から、
一転してハードにプログレッシブに転調し怒涛の後半へと流れる、
この新世紀にまさしく昭和40年代のニューロックのような展開を持つ曲。
それはこのオムニバスに収められたグループのどの曲よりも魅力的だった。

それからも続く『アングラポップ・イン・大須』の第2集や、
レモンのアルバム、高円寺UFO CLUBのコンピなど、
数々のコンピレーションアルバムに参加。
私はその都度、いつフルアルバムを出すのだろうか?と
ワクワクしていたものだが、
それがようやく!今年になって初のフルアルバムがリリースされたのだ!

フレアオッズ1stアルバム
「Early Years~幻のフレアオッズ~」

これが全く期待以上の出来で、本当に僕はマイってしまった(笑)

実は懇意にしていただいている方からデモを収めたCD-Rを頂き、
去年の11月頃から聞いていたのだけど、
どれほど私のターンテーブルに乗ったのだろうか(CDだけど)。
それほど良い内容なのである。

曲は以下の通り、全10曲。

1. Oh! 透明人間
2. 落下天使
3. どグルグルまグラグラ
4. 日本列島沈黙
5. 穴蔵の親玉
6. 新・がらんどう説
7. 風ひとひら
8. The まぬけ in the night
9. 両耳の為の練習曲
10. ないないバァ!

ライブの定番曲である、「透明人間」や「落下天使」など収めた納得の全10曲。
私が愛してやまないDMBQの増子氏も参加。
マスタリングはゆらゆら帝国で有名な中村宗一郎である。
これが本当に良い。彼らはそのサウンドからどうしても「昭和系」の
くくりで見られがちだけど、そんなことは全然なく、
この作品はむしろそこから一つ突き抜けた感じがして、
まことにロック・バンドとして格好良いアルバムなのである。

何年も待った甲斐があった。本当に。

ハードでプログレッシブでどこかフォーキーなサウンド。
そして可笑しくも、どこか昔のことを想起させるような日本語の歌詞。
まるではっぴいえんどと四人囃子のサウンドと日本語詩が足して、
それを更に発展させたもののような、そんな感じをフレアオッズに抱く。

腑抜けた日本のロックシーンに一石を投じるアルバムになること間違いなし。
より多くの人に聞かれることを切に願うそんな一枚である。

そしてこれにさきがけ、
1月8日に高円寺UFO CLUBでレコ発のライブが開かれた。
共演は、
PANICSMILE、Limited Express(has gone?)、903号室、ママギタァ。
ジャンルが違うバンドが集まったのは正解で、
今まで彼らを聞いたことがなかった多くの人に絶好の機会を与えた訳だ。
そんな彼らのライブは、昔から見てきたファンとしては、
どこか突き抜けた、どこか吹っ切れた感のあるライブで、
リズムはよりタイトになり、
そしてその上にギターが縦横無尽に駆け巡る非常に格好良い内容であった!
彼らはライブバンドとしても一流である。
スリーピースなのに良くあんなに複雑な曲を演奏するなと感心する。

もしこの新しいアルバムを聞いて気に入ったのなら、
是非彼らのライブに足を向けるべきだ。
そうすれば貴方はすっかりお気に入りになるだろう。

思い出せば、彼らを始めて見たのは何年か前の12月30日、
新宿JAMでの「R&B天国」だった。
彼女と知り合って始めてのデートがこのイベントだった。
(そういえば彼女と初めて会った時に盛り上がったのも、
 お互いがフレアオッズを知っていたからだ)
色んな思い出があるが、あいさとう氏がレモンのバックで弾いていたり
していた中で、やはり印象に残っているのが彼らのライブだった。
お手製のファズや沢山のエフェクターを足元で操る格好良いギタリスト、
お揃いのユニフォームを着たドラムとベース。
正しくロックだった。

それからUFOや色んな場所で見てきたが、いつも私の期待を裏切らない所か、
それ以上のサウンドを聞かせてくれるグレートなロックバンド。
それがフレアオッズである。

地方のバンドなので、なかなか東京でライブをやらないけれど、
是非見てみて下さい。太鼓判押します!

ディスクユニオン各店では、ニューアルバムに、
特典でアルバム未収録のCD-Rが付いて発売中。
どこぞの通販でも特典付きで手に入るらしいです。

フラレアオッズのHPはコチラから。