「見上げてごらん夜の星を」 Covered by Shione Yukawa
天然コケッコー (2007) - くるり 「言葉はさんかく こころは四角」
T.Rex - Light Of Love (Official Promo Video)
松崎ナオ🎶「そうして回る~川べりの家」🙇 #松崎ナオ #ドキュメント72時間 #河川邊的家 #川贝里 #72小時 #NaoMatsuzaki
(ちんちくりんNo,25)
"少年"と僕を同一視しているのだろうか―。
僕は思う。
確かに書かれている内容は僕の経験に基づいている部分はある。母親の病気のことも、周囲の虐めについても、さらに小説のキーワードである"呪文"に囚われていること、想い、感情・・・。
しかし、それだけでは物語は成立しない。日記のように自分の為の記録として残すものならいい。だが、小説には読み手が必要なのである。読み手は小説に「感動や満足」を求める。作家がそれに応えるためには読み手の気持ちに寄り添わなければならないのだ。それには今一度、自分が読み手としてみた場合に、その小説を読むことでどのように感じ、どのようなエピソードが必要で、どのように表現をすればいいのかを想像し、創り上げなければならない。極論を言えば小説というものは読み手の為についた誠意ある「嘘の塊」であって、脈々と流れる「テーマ」の方に作家の真実があればそれでいいと思っている。
だから、かほるの(僕が救われるのか)という問いには正直のところ驚かされた。かほるが感動してくれたならそれでいい。僕のことは気にする必要ないのだ。
「自分が救われる為に書いている訳じゃないから・・・」
僕はゆっくりと自分の両腕を解き、かほるの背中と少しだけ距離をとった。すると彼女はくるりとこちらを正面にして、体ごと向きなおり、両足を揃えて横に流した。
「ねえ」笑顔だ。
「へ?」僕は呆けたような顔。(だと思う)
「エッチ」はぁ?
「な、なにを」
いきなりエッチとは失礼な奴だと思ったが、先ほどまで僕がかほるに何をしていたかを改めて考えてみたら、「しまったなぁ」と僕は頭を掻くより他なかった。・・・しかも背中からだったし。
「もう、私からは逃げられないわよぉ。私初めてだったんだから」
「初めてって、大袈裟な。そ、それに逃げられないっていきなり、何で」
意外な展開に僕は乱れた。おいおい、かほるって本当はこういう奴だったのか?おいおいおいおい、勘弁してくれよ。
そんな僕の様子がツボに入ったのか、次にかほるはお腹を抱えてケタケタケタと笑い出した。
「嘘よ、そんなことある訳ないじゃない。そんなネンネじゃあるまいし」、
「嘘、ネンネ?」
「そう」
それだけ言いかほるは、今度は口を両手で押さえてぷぅーと噴き出すのを必死で我慢している。何がそんなに可笑しいのか、目からは涙まであふれている。
―ああ、この娘、やっぱり大丈夫だろうか。
天然コケッコー (2007) - くるり 「言葉はさんかく こころは四角」
T.Rex - Light Of Love (Official Promo Video)
松崎ナオ🎶「そうして回る~川べりの家」🙇 #松崎ナオ #ドキュメント72時間 #河川邊的家 #川贝里 #72小時 #NaoMatsuzaki
(ちんちくりんNo,25)
"少年"と僕を同一視しているのだろうか―。
僕は思う。
確かに書かれている内容は僕の経験に基づいている部分はある。母親の病気のことも、周囲の虐めについても、さらに小説のキーワードである"呪文"に囚われていること、想い、感情・・・。
しかし、それだけでは物語は成立しない。日記のように自分の為の記録として残すものならいい。だが、小説には読み手が必要なのである。読み手は小説に「感動や満足」を求める。作家がそれに応えるためには読み手の気持ちに寄り添わなければならないのだ。それには今一度、自分が読み手としてみた場合に、その小説を読むことでどのように感じ、どのようなエピソードが必要で、どのように表現をすればいいのかを想像し、創り上げなければならない。極論を言えば小説というものは読み手の為についた誠意ある「嘘の塊」であって、脈々と流れる「テーマ」の方に作家の真実があればそれでいいと思っている。
だから、かほるの(僕が救われるのか)という問いには正直のところ驚かされた。かほるが感動してくれたならそれでいい。僕のことは気にする必要ないのだ。
「自分が救われる為に書いている訳じゃないから・・・」
僕はゆっくりと自分の両腕を解き、かほるの背中と少しだけ距離をとった。すると彼女はくるりとこちらを正面にして、体ごと向きなおり、両足を揃えて横に流した。
「ねえ」笑顔だ。
「へ?」僕は呆けたような顔。(だと思う)
「エッチ」はぁ?
「な、なにを」
いきなりエッチとは失礼な奴だと思ったが、先ほどまで僕がかほるに何をしていたかを改めて考えてみたら、「しまったなぁ」と僕は頭を掻くより他なかった。・・・しかも背中からだったし。
「もう、私からは逃げられないわよぉ。私初めてだったんだから」
「初めてって、大袈裟な。そ、それに逃げられないっていきなり、何で」
意外な展開に僕は乱れた。おいおい、かほるって本当はこういう奴だったのか?おいおいおいおい、勘弁してくれよ。
そんな僕の様子がツボに入ったのか、次にかほるはお腹を抱えてケタケタケタと笑い出した。
「嘘よ、そんなことある訳ないじゃない。そんなネンネじゃあるまいし」、
「嘘、ネンネ?」
「そう」
それだけ言いかほるは、今度は口を両手で押さえてぷぅーと噴き出すのを必死で我慢している。何がそんなに可笑しいのか、目からは涙まであふれている。
―ああ、この娘、やっぱり大丈夫だろうか。