宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

勝手に趣味ブログ
のんびりしようよ

みらーじゅ 26

2008-12-06 21:07:33 | 小説 ミラージュ
 こちらをじっと見ているレトの視線に気づいたグリシーヌが声をかける。
「コップか何か、入れ物もってます?」
 レトから渡されたコップに、暖かいポタージュ状のそれを入れて返し、残った分を二人でそれぞれに分け、食べ始める。
 しばらくして
「おい、これ食ってみろ」
 レトが、何か小さな塊のようなものを2個づつ2人に渡した。
 見ると、パンとビスケットの間のようなものである。
 ためしにグルラディーヌがかじってみる。
 ・・・カタイ。そして、ぼそぼそしている。これは、確かに立派な保存食だ。
 グルラディーヌの顔を見て、グリシーヌもそれをかじってみる。
 二人の様子を見たレトが笑った。
「これは、2度焼きパンっつう保存食だ。まぁ、うまいもんじゃねぇけどな。これなら、日持ちもするし、歩きながらでも食える。それでも、慣れれば、悪くねぇ味だって思えるようになる。暖かいもん貰ったからな」
 さすがに、美味しいとは言えない様だ。
 まあ、それはお互い様と言うことで・・・。
コメント
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