岩と小石と背の枯れたような色の低い草の生えた荒地をしばらく進むと、じょじょに草の色がみずみずしい色に変わり、草の背も高くなってきた。
足元に気をつけないと、下草に足をとられる。
「おい、大丈夫か?」
レトが前を歩く姉妹に声を掛けた。
「大丈夫」
グルラディーヌの緊張した声が返って来る。
「そういえば、・・・」
グリシーヌがレトを振り返った。
「突然こんなことを聞いて申し訳ないですけど、チョウカって、何者ですの?」
「本当に突然だな」
レトが目を丸くする。が、考えてみれば、まともな自己紹介すらやっていなかった。
それどころではなかった。というのが正直なところだが。
「その格好を見れば、レトが戦士・兵士の職についてることはわかりますわ。でも、チョウカは? 学者でもないし、ただの楽師にも思えませんし・・・」
服装からすると楽師か吟遊詩人のようだが、それにしては、魔術師がらみの依頼を受けるなど只者とは思えない。
「まあ、俺も詳しくは知らんが、・・・何でも “どらぐなー” とか言ってたな」
「ドラグナー っ?」
その言葉に反応したのは、グルラディーヌであった。
「知ってんのか?」
「ドラグナーって、あの、ドラグス(呪歌)の使い手のドラグナー(呪歌詩人)?」
「あのかそのか知らんが、多分、その “どらぐなー” の事だろう」
「ってことは、もしかして、あいつが狙う目的は・・・・」
いいながら、グルラディーヌが持っているチョウカの包みをしっかり抱え込んだ。
足元に気をつけないと、下草に足をとられる。
「おい、大丈夫か?」
レトが前を歩く姉妹に声を掛けた。
「大丈夫」
グルラディーヌの緊張した声が返って来る。
「そういえば、・・・」
グリシーヌがレトを振り返った。
「突然こんなことを聞いて申し訳ないですけど、チョウカって、何者ですの?」
「本当に突然だな」
レトが目を丸くする。が、考えてみれば、まともな自己紹介すらやっていなかった。
それどころではなかった。というのが正直なところだが。
「その格好を見れば、レトが戦士・兵士の職についてることはわかりますわ。でも、チョウカは? 学者でもないし、ただの楽師にも思えませんし・・・」
服装からすると楽師か吟遊詩人のようだが、それにしては、魔術師がらみの依頼を受けるなど只者とは思えない。
「まあ、俺も詳しくは知らんが、・・・何でも “どらぐなー” とか言ってたな」
「ドラグナー っ?」
その言葉に反応したのは、グルラディーヌであった。
「知ってんのか?」
「ドラグナーって、あの、ドラグス(呪歌)の使い手のドラグナー(呪歌詩人)?」
「あのかそのか知らんが、多分、その “どらぐなー” の事だろう」
「ってことは、もしかして、あいつが狙う目的は・・・・」
いいながら、グルラディーヌが持っているチョウカの包みをしっかり抱え込んだ。