(多分)地底だろうと思われるのに、お互いが見て取れるほどの青白い薄明かりが広がる空間。時間的にももう日が沈んでいる筈。
それに、岩の天上に覆われているこの空間では、たとえ昼間でも日の光は届かない。それなのに・・・。
光の源は、生命の樹。幹だけではなく水に沈んだ根までが淡く発光している。
「お嬢、チョウカは、ここにいるのか?」
小声でささやいたレトに、グルラディーヌが頷いた。
腕に抱えた包みも左手首に巻いた布も、チョウカがこの先にいると示している。そこに行き着くには、この水に入らなくてはならないのだが・・・。
「妹姫、この水、あの樹から流れ出てますわ」
グリシーヌが生命の樹を指差して言った。確かに、樹の幹がしっとりと濡れている。
なんとか、チョウカを探す方法は・・・・。
「姉姫、この荷物ちょっと預かって。それから、何かあったらこれもってすぐに逃げて。近くにあいつがいる」
そう言って、グルラディーヌが背負っていた荷物をグリシーヌに預け、竪琴が入った袋を抱えたまま自らに術を掛ける。
『浮空輪』
ふわり と 宙に浮き上がったグルラディーヌが注意深く進んでいく。
と、グリシーヌが水中から赤い光が上昇してくるのに気づいた。
それに、岩の天上に覆われているこの空間では、たとえ昼間でも日の光は届かない。それなのに・・・。
光の源は、生命の樹。幹だけではなく水に沈んだ根までが淡く発光している。
「お嬢、チョウカは、ここにいるのか?」
小声でささやいたレトに、グルラディーヌが頷いた。
腕に抱えた包みも左手首に巻いた布も、チョウカがこの先にいると示している。そこに行き着くには、この水に入らなくてはならないのだが・・・。
「妹姫、この水、あの樹から流れ出てますわ」
グリシーヌが生命の樹を指差して言った。確かに、樹の幹がしっとりと濡れている。
なんとか、チョウカを探す方法は・・・・。
「姉姫、この荷物ちょっと預かって。それから、何かあったらこれもってすぐに逃げて。近くにあいつがいる」
そう言って、グルラディーヌが背負っていた荷物をグリシーヌに預け、竪琴が入った袋を抱えたまま自らに術を掛ける。
『浮空輪』
ふわり と 宙に浮き上がったグルラディーヌが注意深く進んでいく。
と、グリシーヌが水中から赤い光が上昇してくるのに気づいた。