『明球輪』
グルラディーヌの手のひらに光球が灯る。
先ほどのとは違い、光量をおさえその代わり術の永続時間を延ばしてあるのだ。もっとも、魔力が尽きれば、放っておいても消えるものだが。
「ほら、大丈夫でしょう?」
グリシーヌの後ろで大きな体を小さくしているレトにそれを見せた。
「・・・それ?」
「そう、ただエネルギーを一気に開放したから、目いかれる危険性があって、だから目つぶっててもらったんだけど。あいつらには、本当に良く効いたみたいね」
うんうんと頷く、グルラディーヌを見たレトの頬に、つぅー と、一筋の汗が流れた。
壁に灯るオレンジの灯りが弱くなってきている。頼りになるのは、グルラディーヌの灯した明球だった。
あれ以来、襲ってくるものもなくひたすら廊下が続くばかり、窓もなく時間の感覚すらなくなりそうだ。
「だけど、外から見た時、この建物ってそんなに大きかったっけ?」
ふと、そんな疑問を漏らすのは、光球を持ったグルラディーヌ。
そういえば、それほど大きな建物のような記憶はなかった。
突然、レトが荷物の中から丸いものを取り出し床に置く。と、それは、ゆっくりと前方に転がっていくではないか。
「ここ、下り坂になってたんか」
常人では、気づかないほどの傾斜なのだろう。
「もしかして、もう、教会の外に出てるかもな」
「・・・・」
姉妹そろって、コメント出来ず。
レトの手から離れた玉は、前面に広がる暗闇の向こうに吸い込まれていった。
グルラディーヌの手のひらに光球が灯る。
先ほどのとは違い、光量をおさえその代わり術の永続時間を延ばしてあるのだ。もっとも、魔力が尽きれば、放っておいても消えるものだが。
「ほら、大丈夫でしょう?」
グリシーヌの後ろで大きな体を小さくしているレトにそれを見せた。
「・・・それ?」
「そう、ただエネルギーを一気に開放したから、目いかれる危険性があって、だから目つぶっててもらったんだけど。あいつらには、本当に良く効いたみたいね」
うんうんと頷く、グルラディーヌを見たレトの頬に、つぅー と、一筋の汗が流れた。
壁に灯るオレンジの灯りが弱くなってきている。頼りになるのは、グルラディーヌの灯した明球だった。
あれ以来、襲ってくるものもなくひたすら廊下が続くばかり、窓もなく時間の感覚すらなくなりそうだ。
「だけど、外から見た時、この建物ってそんなに大きかったっけ?」
ふと、そんな疑問を漏らすのは、光球を持ったグルラディーヌ。
そういえば、それほど大きな建物のような記憶はなかった。
突然、レトが荷物の中から丸いものを取り出し床に置く。と、それは、ゆっくりと前方に転がっていくではないか。
「ここ、下り坂になってたんか」
常人では、気づかないほどの傾斜なのだろう。
「もしかして、もう、教会の外に出てるかもな」
「・・・・」
姉妹そろって、コメント出来ず。
レトの手から離れた玉は、前面に広がる暗闇の向こうに吸い込まれていった。