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末の末っ子

阿川弘之著 ちくま文庫 2017年刊
(初出1975年11月~京都新聞連載)

元海軍士官で、「軍艦長門の生涯」が代表作と言えば、どう見ても右翼で、私とは縁遠いひとかと思いきや、なぜかこのひとの文が大好きである。佐和子を通しても、もと文藝春秋のエッセイストとしても親しんで来た。文を好きかどうかに、思想は大した問題ではないのかもしれない。

上の子が21歳の時、妻の思いがけぬ妊娠、「戦艦長門の生涯」の新聞連載と、志賀直哉の全集の編纂、それらがほぼ同時期に起こり、目の回るほど忙しい日々に起こる悲喜劇。3人の子供や遠藤周作・吉行淳之介、家事手伝いと秘書などとのユーモアたっぷりのやりとりに、時には声を立てて笑い、楽しい数時間を過ごさせてもらった。
いまや40代の「末の末っ子」淳之氏が、2015年に94歳でなくなった著者をしのぶ、心温まる解説を書いている。

→「オスが存在する理由」21-9-15

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