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【映画】モーツァルトとクジラ

2004 米 94分 原題 MOZART & THE WHALE 監督 ピーター・ネス 出演 ジョシュ・ハートネット ラダ・ミッチェル 鑑賞はレンタルDVD

どんなヘンな人の人生にも愛と希望はあると言う心温まる映画。大晦日の夜、ひとりで見ていたのだけれど、新年の始まりに相応しい内容で、これを選んで良かった。同じクジラでも「イカとクジラ」だったら気分は落ち込んでいただろう。(そのころ夫は2年来の夜毎の慣習で義母に付添って、紅白を見ていたのだが、SMAPが出ている時停電になりその停電が12時間続き、という災難にあっていたとはつゆ知らず)

物語:自閉症の一種アスペルガー症候群のわかい男女が主役で、恋愛映画。監督はノルウェイ人。主人公(ジョシュ・ハートネット)は数学では天才だけれど、IBMの入社試験で「今後のプランは」と将来への抱負を聞かれたのに、「ハンバーガーを買って、洗濯する」と答えて落第、それやこれやで、今は3つ目のタクシー会社で運転手に甘んじている。しかし、無線の声を無視できず、気が散って失敗だらけ。その恋人(ラダ・ミッチェル)は、芸術家で創造的な絵を描くが、言葉をその通りにとる性癖があり、子供の頃、オリンピックの記録が破られたと両親が大喜びしているのを見て、「私だって、レコード位やぶれるわよ」と、すぐさまレコードを持ち出して破ってしまった挿話の持主。
他にも、いきなり人の話をさえぎって、それを否定したり、言ってはいけないことをズバズバ言う女性などが出て来る。(これは、どこかで見たぞ、と思ったら私自身だった)このように率直で奇妙な人物がゾクゾク登場。かれらは自閉症のグループなのだ。

主人公は、自閉症の仲間を集めて、セルフ・サポート・グループを作っている。
各人が、実際の例にそって描いているのだろうが、本当に心を打つものだ。大抵の人にも思い当たることはあるだろう。是非、観て、人間理解の一助にしてほしいものだ。

特に主人公(ジョシュ・ハートネット)が良かった。本当に共感できた。女性(ラダ・ミッチェル)も。一生懸命、2人に応援しながら見ていた。女性がモーツァルト、男性がクジラに扮するハロウィーンのデートが、視覚的にもとても良かった。
しかし、私も少し自閉症かな?その場の話題を間髪入れず否定する女性が(それでも仲間は受入れてくれているが)私に似ているな~。
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コメント
 
 
 
親子とは (桃すけ)
2011-01-17 15:09:53
「モーツアルトとくじら」というのは、何か象徴的なタイトルですね。以前、誘われて、「ガイアシンフォニー(監督龍村仁)」を見に行ったことがあります。クジラが出てくるのですが、癒しの対象のようで、CDなども販売していましたが、わたしはあまり受け入れられませんでした。「クジラの鳴き声?に癒されるよ」というのですが、感動しない私が欠陥人間みたいでした。でも、癒されるひとがいることは確かなんですよね。親子の関係って難しいものがあるんですね。考えてみれば、親といっても、ひとりの人間ですもの。それも大なり小なり、欠落したものを抱えてるでしょうし。もし、私が家庭を持って、子どもを育てていたら、どうなっていたのかなと考えてしまいます。
私が家庭を持たなかったのは、親離れできていないからかもしれません。いつまでも両親の子どもでいたかったのか。これもひとつの欠落ですね。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2011-01-18 11:01:14
桃すけさま、コメント第1号ありがとうございます。(「メ」がないと漫才の名前みたいですが)クジラは、知能が高いし、人間に近いとか言って特別扱いする人もいます。私は子供の頃クジラ肉を食べた経験もあるので、ピンと来ないのですが。でもよく見ると、やさしい顔をしていますよね。モーツァルトもクジラも癒しの効果があるってことかもしれません。モーツァルトに扮したヒロインが白い鬘と、青い上着に半パンツ、白いソックスの衣装を着て、大きな黒いかぶりものをしたクジラと夜の町を歩くのが幻想的で、愛らしくて、いいシーンでした。子供を持たない、家庭を持たないということは、霊的にははじめから天国に近いということかもと思います。それを持つのは業が深いから、つまり解脱への修行の一環ですからね。
 
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