映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
映画「フォロー・ミー」
1972 英 午前十時の映画祭 松江SATY東宝にて
原題 The Public Eye 脚本 ピーター・シェーファー 音楽 ジョン・バリー 監督 キャロル・リード 出演 ミア・ファロー トポル マイケル・ジェイストン
原題の public eye とは私立探偵の意味。元は一幕ものの演劇で、ピーター・シェーファーは「アマデウス」「エクウス」の作者。キャロル・リードは「第三の男」の監督。
お堅い英国人会計士と結婚した独行型のアメリカ女性。妻の浮気を疑った夫が、尾行を依頼する。この映画は乱暴に要約すれば探偵と夫妻との三角関係ともいえる。
ミア・ファローの妖精のような魅力が炸裂。1980年に高田馬場の早稲田松竹で、2002年にCATVの40chで見たことがある。昔はもっぱらミア・ファローだけを見つめていたが、今は夫に同情を覚えるようになった。彼は教養と知性、社会的地位はあるが、他人と愛の生活を築く能力がない、世間には良く見られるタイプの情緒的かたわ。一方の探偵はギリシャ人でカイロ大学を卒業したと自称、脚本のピーター・シェーファーはユダヤ系だが、英国での異邦人である点がこの探偵に投影されているかもしれない。
英国人とアメリカ人の夫婦の間に起きる行き違い、これはドイルの小説にもたびたび登場する探偵小説の定番だ。それだけ、両者の文化的な違いは大きいということだろうか。映画化された当時は米国のヒッピー文化の影響も大きく、ミア・ファロー自身もインドにいき、ジョン・レノンらとヨガ道場などでとった写真が残っている。
その後ウディ・アレンの映画にも多く出演しているミア・ファローだが、「フォロー・ミー」でほど輝いたことは無かったと思う。
※1992年の米画「パブリック・アイ」ジョー・ペシ主演とは別もの。
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