動画を公開していなかったので
公開して再投稿します。
蠅 横光利一
宿場の饅頭屋のそばにとまっている
一台の乗り合いトテ馬車。
乗客が次々と集まっているのに、
なぜかなかなか出ようとしない。
ずいぶんと経ってから
やっと動き出したその馬車には、
猫背の馭者と六人の乗客、
そして一匹の眼の大きな蠅が乗っていた。
夏の炎天下、
様々な人生を背負った人々を乗せ
馬車は畑や森を次々と抜けていく。
かの眼の大きな蠅は
車体の屋根の上にその身を休ませ、
馬車と共に揺れて行く。
そして馬車の行く手には
運命の道が待っていた・・・
高校の国語の教科書で
初めてこの小説に出会い、
深く印象に残った。
同じ作者の他の作品も読んでみたが、
残念ながら
あまりピンとこなかった記憶がある。
蠅(横光利一)
横光利一(1898年~1947年)
福島出身の小説家。
菊池寛に師事。
川端康成、片岡鉄平らと
「文藝時代」を創刊し
新感覚派の中心として活躍。
・