沼(芥川龍之介作)
文中の「Invitation au Voyage (旅への誘い)」は
フランスの音楽家アンリ・デュパルク作曲の歌曲。
芥川龍之介(1892~1927年)は
東京生まれの小説家。
「鼻」「羅生門」「ある阿呆の一生」など
多くのすぐれた作品を発表したが、
強度の神経衰弱のために自殺した。
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沼(芥川龍之介作)
文中の「Invitation au Voyage (旅への誘い)」は
フランスの音楽家アンリ・デュパルク作曲の歌曲。
芥川龍之介(1892~1927年)は
東京生まれの小説家。
「鼻」「羅生門」「ある阿呆の一生」など
多くのすぐれた作品を発表したが、
強度の神経衰弱のために自殺した。
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太宰治の短編小説「待つ」は、
「省線のその小さい駅に、私は毎日、
人をお迎えにまいります。」
という一節で始まる。
省線とは、省線電車のこと。
わたしは小学校に上がる前、親に連れられて
荻窪駅でこの省線に乗り降りした記憶がある。
チョコレート色の
鈍重な感じのする車両であった。
太宰は20代の終わり頃、荻窪に住んでいた。
彼の死の二年後に荻窪で生まれたわたしは、
案外、彼がなじんだのと同じような風景を
見ていたのかもしれない。
わたしが小さい頃の荻窪駅は、
古い木造の建物だった。
改札係は木製の低い柵に囲まれた中に立ち、
切符切りバサミをカチカチと鳴らしていた。
荻窪駅前から続いている
薄暗く狭い通路の両側には市場があった。
漬物や鮮魚などの猥雑なにおいに満ちており、
夕方になると買い物かごを下げた主婦で
ごった返していた。
今の大きな駅ビルなどウソのような
昔々のことである。
太宰は、自分が住んだことのある
荻窪や三鷹周辺をイメージして
この「待つ」を書いたような気もする。
待つ(太宰治)
太宰治(1909~1948年)は、
青森県津軽出身の小説家で、
「晩年」「人間失格」「斜陽」
「走れメロス」「富岳百景」
などの著作がある。
ダメ人間だった太宰だが、
その著作では
ヒトの心情を見事にすくい上げ、
語り口のうまさと相まって
人気の高い作家である。
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CDアルバムのリリース(2019年12月)の5か月後、
ちょうど新型コロナのために
初めて外出自粛になった頃の作品。
徹底してナンセンスな歌を作りたかったのです。
ふりだしにもどる 詞曲MARI
ふりだしにもどる 詞曲MARI
※ めぐりめぐりめぐる めぐりめぐりめぐる
「人と物 物と人 人と人 物と物」
めぐりめぐりめぐり 振出しに戻る
ナオミがネットで買ったケチャップを
届けた宅配ドライバーが
車につるしてるお守りを
出した神社の巫女さんたちの
ハカマを仕立てたお針子さんが
昨日なくしたスマホを
拾って警察に届けたミュージシャンに
バンドを組もうよと声かけたのは
なんと ヒロミ なんです
マサオが通ってる小学校で
給食を調理してる人が
猫にあげるはずのカツオブシで
オデンをこしらえたばあちゃんの←
リューマチを治した女医さんの
庭に来る植木屋さんが
大切に育てた真っ赤なチューリップを
こっそりチャッカリちょん切ったのは
なんと マサオ なんです
※繰り返し
わたしのヘンテコリンな歌を
イヤホンで聞いてる そこのあなたが
ふらり立ち寄る純喫茶の
BGMのCDのパッケージの
写真を撮ったカメラマンの
ジャケットのポケットのビスケットをパクっと
食べたチワワの飼い主と
ピンポンの試合で対戦したのは
なんと わたし なんです
※繰り返し
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見知らぬ犬(萩原朔太郎)
見知らぬ犬(萩原朔太郎)
この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、
みすぼらしい、後足でびつこをひいてゐる不具の犬のかげだ。
ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
わたしのゆく道路の方角では、
長屋の家根がべらべらと風にふかれてゐる、
道ばたの陰気な空地では、
ひからびた草の葉つぱがしなしなとほそくうごいて居る。
ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
おほきな、いきもののやうな月が、ぼんやりと行手に浮んでゐる、
さうして背後のさびしい往来では、
犬のほそながい尻尾の先が地べたの上をひきずつて居る。
ああ、どこまでも、どこまでも、
この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、
きたならしい地べたを這ひまはつて、
わたしの背後で後足をひきずつてゐる病気の犬だ、
とほく、ながく、かなしげにおびえながら、
さびしい空の月に向つて遠白く吠えるふしあはせの犬のかげだ。
萩原朔太郎(1886~1942年)は、
群馬県生まれの詩人。
詩集「月に吠える」「青猫」「純情小曲集」
小説「猫町」などの著作がある。
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これまでわたしは
「堀辰雄とは結核療養中に小説を書いた人」
くらいにしか知らなかった。
代表作を読んだこともない。
だからこの「絵はがき」が初めて読む堀作品である。
爽やかな詩のようなこの小品は、
1930年夏の
高原の避暑地からの楽しい便り。
わたしはとても心惹かれる。
絵はがき(堀辰雄)
堀辰雄(1904~1953年)は
東京生まれ、東大国文科卒の小説家。
肺結核にかかり、たびたび軽井沢で療養する。
代表作は「聖家族」「風立ちぬ」「かげろふの日記」など
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