マリの朗読と作詞作曲

古典や小説などの朗読と自作曲を紹介するブログです。
写真やイラストはフリー素材を拝借しています。

セブンティセブン喜寿!

2021年09月29日 | 自作曲紹介

私が子供の頃、

「サンセット77」という米国製TVドラマが

放映されていた。探偵ものである。

初めてそのテーマ曲を聞いたとき、

なんてかっこいい響きだろうと感激した。

家庭では録音も録画もできない時代、

聞けるのは放映時だけなので、

その曜日と時刻はしっかり意識していた。

 

「セブンティセブン喜寿!」は、

そのテーマ曲へのオマージュ。

         

セブンティセブン喜寿!

 

 

セブンティセブン喜寿!  詞曲MARI

セブンティセブン 来るわ  

セブンティセブン 喜寿が   

セブンティセブン 「77歳」  

セブンティセブン 「あっという間」

人生の終盤戦 人生の終盤戦

 

夜の電話ボックス 十円玉探して

ダイヤルした若い日 はるかな昔  

今では手ばなせない スマホ

 

セブンティセブン なるわ   

セブンティセブン 誰も   

セブンティセブン 「77歳」   

セブンティセブン 「生きてりゃね」

人生の終盤戦 どんなふうに過ごしましょ  

  

容赦なしに過ぎ行く 時の流れかまわず 

咲きつづける 小さな 花の命は  

思っていたのよりも 長い

 

セブンティセブン 来るわ   

セブンティセブン 喜寿が   

セブンティセブン 「77歳」   

セブンティセブン 「OK?」

悔いのない 生き方が   

できてたら ステキだわ

セブンティセブン セブンティセブン 

セブンティ セブンティ   

セブンティ セブンティ 

セブン

 

 

 


ハリーの災難(ヒッチコック監督)

2021年09月27日 | 本や映画

サスペンスの巨匠ヒッチコック監督。

サイコ、鳥、めまい、レベッカ、裏窓・・・、

有名作品が数多くある中で、

私が特に好きなのは、

サスペンス風味のコメディ

「ハリーの災難」。

 

 

 

 

紅葉が絵のように美しい村の森で、

ある日、よそ者の死体が見つかる。

諸々の事情により、数人の村人が

この死体を埋めたり掘り出したりと

一日中、右往左往する。

そういう展開にもかかわらず、

スプラッタや陰惨な感じは皆無で

なんだか落語っぽい。

 

 

 

主要登場人物のキャラが

とにかく面白い。

引退した独り者のデブッチョ船長。

堅物の老嬢(差別のつもりは全くなく、

時代的にぴったりな表現なので使った)。

臨機応変、調子のよい貧乏絵描き。

子持ちで、かなり天然な未亡人。

唯一の敵役は、万屋の女主人の息子の

ちょっと鈍そうな保安官代理。

 

 

 

切羽詰まった者もそうでない者も、

小気味いいくらいに

あっけらかんとしている。

美しい風景は一見の価値あり。

死体の影がうっすらと壁に映る横で、

ドアが音もなくゆっくり開きかけるのは

不気味なアクセント。

 

中年独身女性の扱いに

いささか問題がなくもないけれど、

「女性蔑視の表現」であるとか

「埋めたり掘り返したりあり得ない」

などと目くじらを立てずに、

落語のような感じで観ると

とても楽しい映画だと思う


ラップで白秋「紺屋のおろく」

2021年09月25日 | 詩の朗読

「紺屋のおろく」は、

北原白秋が少年時代を過ごした

柳川を書いた詩集「思ひ出」の一篇。

合唱曲や長唄になっているようです。

 

 

はじめは普通に朗読するつもりでした。

けれど、

何度も口ずさんでいるうちに

自然とラップになっていました。

で、

ラップで白秋「紺屋のおろく」

 

 

ラップで白秋「紺屋のおろく」

 

紺屋のおろく   北原白秋

にくいあん畜生は紺屋のおろく、

猫を擁えて夕日の濱を

知らぬ顔して、 しゃなしゃなと。

   

にくいあん畜生は筑前絞り、

華奢な指先濃青(こあお)に染めて、

金の指輪もちらちらと。

 

にくいあん畜生が薄情な眼つき、

黒の前掛け、 毛繻子か、セルか、

博多帯締め、からころと。

 

にくいあん畜生と、擁えた猫と、

赤い入り日にふとつまされて

潟に陥って死ねばよい。 

ホンニ、ホンニ・・・

 

 

 

おろくは紺屋の娘ではなく

紺屋の後妻なのです、おそらく。

あるじとは年の離れた仇っぽい若妻。

色街にいた女かもしれません。

その少年は、おろくの色気に

強く惹かれているけれど、

振り向いてなどもらえないと

よくわかっています。

だからこそ

「赤い入日にふとつまされて・・・」、

手の届かぬものに焦がれて死ねばよい、

自分と同じ苦しみを味わうがいい、

とつぶやくのです。   

 


たけくらべ(終) ・樋口一葉

2021年09月23日 | 小説の朗読

たけくらべ(終) ・樋口一葉

 

 

恥ずかしさと意地から、

惹かれあいながらも歩み寄れなかった

美登利と信如。

 

 

信如は僧侶になるために学校を移り、

美登利は女になって花魁への一歩を踏み出す。

二人の道が再び交わることは、

もうない。

 


たけくらべ(樋口一葉)

2021年09月21日 | 小説の朗読

たけくらべ

 

 

たけくらべとは、背比べのこと。

 

妓楼もあれば寺院もある吉原界隈。

そこで暮らす子供らは

小さいうちから親の稼業を見て育つ。

そして15歳になる前に、

生まれ落ちた境遇によって

その後の生き方が決まってしまう。

 

 

「たけくらべ」は、

そんな現実に向かう直前の

初々しく儚いきらめき