「菊花の約」は
江戸時代の歌人、国学者、読み本作家である
上田秋成が書いた「雨月物語」の中の一篇。
赤名宗右衛門は、旅先で
自分を重病から救ってくれた
丈部左門と義兄弟の契りを結ぶ。
やがて、「見届けるべきことがあるので
国へ帰るが、菊の節句には必ず戻る」
と左門に約束をして旅立つ。
が、行った先で幽閉されたために自刃し、
霊となって約束を果たそうとする。
そうとは知らぬ左門は
約束の日に戸口に立ち、
義兄の帰りを待ちわびていた。
そこへ・・・
菊花の約
昭和のある大作家(三島由紀夫だったか)が、
「菊花の約」のこの部分を、
名文であるとして人前で朗誦していた
という話を聞いたことがある。
本当に、名文だと思う。