マリの朗読と作詞作曲

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父の故郷訪問記(4) 

2022年04月01日 | 私の昔

 

父の故郷訪問記 (4)

50年前の思い出

 

シリーズものなので

まだの方は順に読んでね

 

→ 父の故郷訪問記(1)

→ 父の故郷訪問記(2)

→ 父の故郷訪問記(3)

 

おばあちゃん = 父の19歳上の実姉

 

おばあちゃんはお嫁入りの時、

白無垢で家を出て

婚家で赤い着物に着替えた。

実家を出るときには

一度死ぬという意味での白装束であり、

到着した婚家では

生まれ変わるという意味での

赤い着物だという。

 

 

 

大正時代中頃の

栄えていた旧家同士の婚姻である。

しかも、

長女が本家の長男に嫁ぐのである。

あの広い座敷に

大勢のお客を迎えての婚礼の宴は、

どんなに盛大であったことか。

おばあちゃん自身は、それについて

何も語らなかったけれど。

 

 

              

 

 

父が新潟でもらった金梨地の漆器 

黒漆に金粉が散らされている美しい器。

菓子鉢だろうか。

 

一辺が18㎝くらいで底が狭くなっている。

黒漆の表面が鏡のようなので、

どうしてもスマホや手が

写りこんでしまう。

  

 

 

器の内側は赤漆。

 

 

 

漆器が入っていた箱の上蓋

 

 

 

箱の底面を返して見たら、

文化元子年9月と書いてあった。

 

  

 

調べてみると

文化元年は子年(ねどし)

甲子(かっし)であった。

陰陽道では

甲子は変事の起きやすい年なので、

享和4年の2月、

文化元年に改元された。

 

そして文化元年は何と、

西暦1804年!

え、ほんとに? 

ほんとに箱も器も

二百数十年前の物なの?!

親から受け継いで、

ごく軽い気持ちで

部屋に飾ってあるんだけれど、

箱に入れてしまっとくべきか。

迷う。

 

それにしても、

墨で黒々と消してある部分が

気になるなぁ。

 

父の故郷訪問記(5) に続く

 

 



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