河竹黙阿弥(1816~1893)作の
歌舞伎世話物、「青砥稿花紅彩画
(あおとぞうし はなのにしきえ)」の
稲瀬川勢揃いの場。
白浪五人男の親玉、日本駄右衛門のセリフ。
白浪五人男
「問われて名乗るも おこがましいが
生まれは遠州浜松在
14の時に親に別れ 身の生業も白浪の
沖を越えたる夜働き
盗みはすれど 非道はせず
~中略~
60余州に隠れもねえ
賊徒の張本 日本駄右衛門」
桜満開の土手をバックに、
五人組の盗賊が横一列に並んで
順に名乗りを上げる場面で、
錦絵のように美しい。
白浪とは盗人のこと。
五人の白浪男は、
日本駄右衛門を頭に
弁天小僧菊之助、南郷力丸、
忠信利平、赤星十三。