●技法俳句007・比喩=暗喩01・福永耕二
続いての技法は「暗喩(隠喩)」。メタファーともいいます。前回の比喩は直喩の「似て」でしたが、今回は「似て」や「ごとく」という語句を明示しない暗喩という技法です。
○「新宿ははるかなる墓碑鳥渡る」(『踏歌』1980)(福永耕二01)
○季語(鳥渡る・三春)
【鑑賞】:新宿副都心の高層ビル街は、なるほど遠目には墓碑のようです。この「ような」という言葉を隠して、かなり断定的な表現となっています。
○福永耕二(ふくながこうじ)(1938~1980)
○好きな一句:「凧揚げて空の深井を汲むごとし」02
○季語(凧・三春)
【Profile】:鹿児島県出身。6歳で米谷静二の指導を受け「ざぼん」入会。高校在学中に→水原秋櫻子主宰の俳誌「馬酔木(あしび)」に投句を始め、鹿児島大学在学中には、20歳の若さで「馬酔木」の巻頭を飾る。教職に就きながら1969年、「馬酔木」同人。70年編集長。また同年創刊された→能村登四郎の「沖」にも参加した。
↓
福永耕二掲載句
03還らざる旅は人にも草の絮(『散木』1982)(草の絮・三秋)〈特集(言葉4)・旅〉2014/8/22
04吾亦紅夕日といへど眼に痛し(吾亦紅・初秋)〈五体663・眼(め)14〉2024/8/28
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます