緒戦の大切さについて、阿佐田哲也がこのような事を言っている。最初20対20でイーブンだったゲームはどのように勝ち負けが分かれていくのか。以下備忘のために記す。
(以下、抜粋)
どんな戦争でもとにかく最も肝要なところは前哨戦なんです。二十一対十九に、つまりとにかく一点とればいいんです。いろんなプロセスがあるからそう単純ではないけれども、基本としてはそうなんです。 よく先取点といいますが、あれは博打の場合でもいえるし、ほかの場合でも先取点は非常に重要なんですね。
(中略)
とにかく一点先取すれば、あとはしくじらないかぎり体を預けていればいいわけです。 反対に、前哨戦のところでは非常に臆病になるんですね。臆病でもあるし、意志的にもなろうとしますし、そのあとはちょっと目に見えたところでは、体を預ける。 それから態勢の悪そうな、つまり十九になったときにどのくらい早く切り換えるかということ、具体的な被害に遭う前にね。十五、十六までいったら殆んど巻き返すのは不可能で、B29が東京を爆撃したようなもの。だから、十五まで行かせない、十九になったらとにかく一点挽回しなきゃ……十九になっているのにもかかわらず大きく二、三点を取ろうなんていうふうに思わないで、二十対二十に戻すことが第一なんです。
(抜粋以上、出典『私の旧約聖書』)