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「それを見ると騎士ガイアンは、王子に自分に試合させてくれるよう切に頼んだ。許しを得ると、妖精の騎士は鋭い槍をさっと構え、いきりたつ馬に激しく拍車を当てたので、火をふく脚は踏みしだく緑の草を焦がさんばかり、相手もさるもの、一歩も譲らず、ひるむ色なく激しくつき進み、その恐ろしい槍を相手の頭に向けた。」
「二人が出会い、双方、突き合い、 ガイアンは、激しく突きかかって盾も鎧も貫き通さんばかりの勢い、しかし、敵を鞍から突き落とすにはいたらず、具合でも悪いように、よろめかせたに留まった。しかしガイアン自身は、あっと思う間もなく、尻繁から槍の長さほども後ろへ落ち、落ちながらもひらりと身をひるがえしたために、幸い、体にも命にも別条はなかった。」
(エドマンド・スペンサー『妖精の女王』第3巻「ブリトマートの貞節の物語」より抜粋)
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