発表から2年以上もたったので鎌倉市社会福祉協議会のホームページからリンクが削除されましたが、urlは残っているようです。ご興味ある方はご覧ください。記述文集に収録した問8の自由記述は今読みかえしても興味深いです。
https://www.kamakura-shakyo.jp/images/pdf/enquete_covid19.pdf
それにしても、2019年暮れの中国武漢から始まったコロナ騒ぎはいまだに終息しません。国内では2020年早春のダイヤモンド・プリンセス号の騒ぎから始まり、3月からの第一波の一で学校は一斉に休校となり街は静まりかえりました。このアンケートが実施されたのは第二波と第三波の間の10月で、まだワクチンはなく、マスクが不足していたころです。鎌倉に暮らす高齢者は、感染症拡大と緊急事態宣言におびえおののくなかで、ワクチンに希望をつなぎ、旅行や離れて暮らす家族や親しい友人との語らいを夢見ていました。
あれからすで2年がたち、ワクチン接種は4回目が展開しています。報道によればオミクロンに対応した新ワクチンも開発されるようです。しかし、いつまでワクチンを打ち続けなければならないのか、いつになったらマスクを外して対面で相手と話ができるのか、まったく見当がつきません。いま思い返せば、アンケートをとったころは、だれしもワクチンができればコロナは終わると無邪気に信じていましたが、自然(ウイルスという野生)の脅威はそんなに甘くはないようです。
第7波ではそれまでの感染拡大を大幅にしのぐ驚異的な感染拡大となりましたが、政府は日常の経済活動の維持を優先し、もはや緊急事態宣言も蔓延防止措置も出しません。家族や知人がコロナに感染したり濃厚接触者になったりと、アンケートをとったころは遠い他人事であったコロナが、ごくごく身近な脅威となりました。減少傾向が続いているとはいえ、昨日(2022年9月15日)、国内では170名の方がなくなっています。今まで楽しいこと、うれしいことばかりを追い求めてすっかり忘れていた、また忘れようとしていた「死」が目前のものとしてひたひたと感じられるようになりました。
コロナの悪夢はいつ終わるのかわかりません。もはや「有効なワクチン」という甘い言葉も信じられなくなりました。マスクや手指消毒といった「基本的な感染症予防対策」だけを頼りに感染の恐怖におびえながら日常経済活動を続けて行く、このような未曽有な状況に臨む私たち人間は打ちのめされ、絶望の淵にいます。はたして、わたしたちは希望の光を見いだすことができるのでしょうか。わたしはあらためて今こそ、哲学的人間学にもとづいた人と人との関りーーーブーバーのいう我ーなんじの関係の再生が求められていると感じます。不安におののく相手に「なんじよ」と語りかけることこそが、死の不安、存在の不安の闇のなかで足もとを照らし進むべき道を示す唯一の方法ではないでしょうか。
もしもこの文章を読んで、わたしと一緒に勉強してみたいと思われる方がいらっしゃれば、この上ない幸せです。読者の皆様の健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
******************2021年1月30日記事***************
鎌倉市社会福祉協議会 「新型コロナウイルス感染症」シニアくらしのアンケート
このレポートの「記述文集」”問8"に掲載されているコメントは、テレビのインタビューや新聞記事に書かれた高齢者の「たてまえ」「型どおり」の意見よりもリアルで含蓄があると思います。
https://www.kamakura-shakyo.jp/images/pdf/enquete_covid19.pdf
このページをご覧の皆さま、
一見の価値はあり、です。
それでは、また!