わけししょうロケ【愛媛】Matsuyama Ehime

日常から非日常まで、独特な人生の渡り方。不安定な安定の求め方。非正規上等、「いざ」という時のためにも。

愛媛県松山市萱町商店街「武田商店」「タカハシ鮮魚」【わけししょうロケ】大漁旗を上げい!

2020年06月01日 | 食材調達

「疫病」という響きは和気入道の世代では、歴史の教科書中で使われていた、すでにとおいとおい過去のものであったように思います。世代的には狂犬病が辛うじてかすったかなあ、幼少の頃にはご当地お四国でも野犬がいたようですし。テレビでは天然痘の撲滅についてCMをやってました、アフリカの子どもの絵が映ってましたかねえ。

注射が嫌いで、インフルエンザ予防接種も小学生後半くらいから受けなかったような。これも今となってはB型肝炎対策になっていたと。なにしろ、注射針を交換せずに次から次と打つわけでして、子どもながらなんか腑に落ちない感がありました。

新型肺炎(SARS)が中国で発生したときはすでに帰国しておりましたので、事なきを得たのですが。野生動物を食べる文化などが発症に影響したとかなんとか。たしかに野生も食べるのですが、供給量と価格を考えると、蛇などの多くの動物はすでに養殖ものではないかな、と思います。たしか、あのときも使い捨てマスクが店頭から消えたというか、中国の人が日本国内で買いまくっていたような記憶もあります。

過去の思い出か対岸の火事でしかなかった疫病が世界規模で我々に襲いかかってこようとは。しかも現在進行形なのであります。中国での春節直前に大騒ぎになりましたが、実はすでに日本でも伝播されていたとの憶測もありますよね。まあ、経緯などの検証はどっかに任せておけばいいのでありまして。我々下賤の者どもは、如何に向き合って身を処していけばいいのか、が重要なわけです。

「不要不急」な外出はせず、stay home 。しかも学校の春休み、さらにはゴールデンウィーク期間を呑み込んだので、観光・イベント・飲食など、多くの産業に致命傷を与えたといっても過言ではありますまい。都市部では庶民の生活にも大きな影響があったといえましょうか。住みにくさが如実に顕れますからねえ。

和気殿が住んでる四国愛媛松山和気でありますが、日常はきわめてのんびりしてる感がありまして、それまでと特段の変化は感じられません。使い捨てマスクがないとか、レトルトのパスタソースがスーパーに並んでないとか、ホテルが空いてるとか、ガソリンが安くなったなど、全国的な傾向はあるにはありました。メディアからの情報からも有用なものをチョイスして地元であやかれないか、サーチしたのであります。

ガソリンが安くなったことは遠出に最適なのではありますが、県境を突破することには躊躇せざるをえず、これはパス。海外は言うに及ばず、国内も、愛媛県内についても感染の影におびえてしまうのであります。

 

 




ゴールデンウイーク中の唯一実行したといえる娯楽が「釣り」であります。和気海岸は過去には数々の栄光を誇った釣りスポットでありましたが、昨今は全然人気がない閑散としたさみしい波止場と化しています。本当に魚影が薄くなりましたねえ。びっくりするくらいです。朝鮮ゴカイを500円ほど買い込んで、カレイでも釣れないかなあ、と投げ竿2本を出してみたのですが、磯ベラ1匹にて納竿。オープンエアーと生産活動が大陸で止まってた影響か、雲が切れたら空がめちゃくちゃ碧い。それを満喫したということで是とします。

でもって、和気宅のステイホーム期間は専ら食べ呑みに勤しんだ印象です。まあ、遠出を伴わないので時間に余裕がありますし、ネット上でのレシピ情報も豊富で、一流のやり方も溢れています。さらには、コロナの影響で生鮮食料品がダブついて、モノによってはお安く入手できる可能性があるとの情報が。

 


 

ここんとこ、完全にノリは漁師になった気分な和気入道。これまで気に入ってた漁場は愛南町の直産市や八幡浜の市場でありましたが、前述のとおり遠出は基本しません。近場で大物を狙う気分であります。ここのところ通い詰めてるのは松山市萱町商店街の2か所のポイントであります。

 

長年親しまれている「武田商店」でございます。八百屋というか万事屋というか、昔ながらの食料品店です。しかし、ここの魚介は相当マニアックなチョイスであり、巷の数寄者を唸らせているのであります。というか唸ることがよくあります。この手のお店の魚コーナーはなかなか手薄でウイークポイントという場合が多いのですが、ここは違いますよ。種類も豊富でお値段も手ごろで少量パックも多い。たまに台車で魚が店内に運ばれてくると、ちょっとした人だかりができて殺気に満ちた空気が流れるのであります。これまでの戦利品はこのブログやwakenyuudoのInstagramに度々登場しております。ざっと思い出してみますと、「アカエイ(刺身用)」「キングサーモン(刺身用)」「オニオコゼの肝(何匹分入ってんの?)」「鰆の炙り(刺身用)」「ヒラメのアラ(皮を含む)」などなど。特徴としては刺身用の表示がパックに貼られていて、判りやすい。魚卵や内臓、捨てられてしまう部位の取り扱いがけっこうあったりして、珍味なのがgetできる場合があります。白身魚の短冊については中骨の掃除や皮引きが必要な場合がありますので、ご注意ください。買ったことないですけど、開いた生のウナギなんかもあって、いつかは白焼きでもやってみたいところです。なお、近年整備された駐車場があります。萱町商店街のネックが解決されたともいえますので、利用しやすくなったといえます。

 

 

そして、ここんとこ毎週皆勤といえるのが、カタカナ表記のタカハシ鮮魚であります。大将から名刺を渡されるほどの愛顧ぶりでして、目利きの大将が揃えた中からさらによりすぐる快感に酔っているのであります。ここの品揃えも食通を唸らせるに充分な破壊力を持っています。

ホントに狭い店内ではあるのですが、生簀には活かした魚介、ケースには〆た丸に刺身用短冊に加工品などが並びます。さらには足元にも貝だのイカなど並んでおります。

 



完全に漁師の気分、というか競り人になりきってしまいます。スーパーマーケットでは2000円も魚に突っ込んだら買い過ぎかなあ、とかってなるのに、萱町商店街では5000円でも惜しくない! というか、ブッこむことに恐れない! ことにしています。ただ、なるべく連日の来訪はしないことを努力目標としております。

場所柄、金額に糸目をつけない旦那女将衆が集まってる感があります。和気入道も仲間に入れてくれー、ってことで。さらにお店系が仕入れに使ってるのもほぼ間違いない、というか使うでしょ、的なウリでやっていると拝されます。

 





魚屋さんって、実は一般庶民に敷居が高いですよね。生臭いとか、床がウエッティとか、値段が分かりにくいとか、コミュニケーションが面倒くさいとか、買って帰っても捌けない、とかかな。慣れとか知識とかが多少ないと、確かにおっかなびっくりな面はあるでしょう。でも、ここはね心配しなくても大丈夫。勇気をもって飛び込んでみましょう。なんでも最初は勉強ですし。わからないことはしっかり聞いてもらって、家でできない下ごしらえはお願いしましょう。真鯛を丸で買って、兜割りはお願いしましたよ。パックばかりのスーパーマーケットの鮮魚売り場では味わえない醍醐味を体験できると思いますよお。

 

それでは、HOME STAY期の萱町での漁であがった獲物の数々が以下のように展開されました。完全に備忘録でありまして、恐縮であります。

 

まずは「鯛づくし」。桜鯛と称される春の真鯛。実は繁殖期に入ってしまうと身が痩せ始めるので、その直前までが旬という考え方もあれば、鯛子や白子を楽しむのがいい、という向きもあります。このときは店内を物色中に大将から声をかけてもらいました。まだギリギリいけると、目を利かして競り落としたとのこと。かなり大物だけど、この値段でいいから、どうですか? と。和気宅用には大物すぎかな、と思いながらも提示されたサプライズプライスに、GOサイン。三枚におろしてもらって、頭は半割り、中骨、カマ、肝、卵、皮ももらって帰ります、というか黙っていてもちゃんと入れてくれますよ。

でもって、こんな感じで供されました。愛媛の鯛は養殖で有名ですが、いい天然物の刺身は異次元の旨さなのであります。ブリブリ感が半端でない。肝と鯛子は兜煮で。カマは塩焼き。「鯛飯」なるものが愛媛の名物料理なんでありますが。2系統の作りこみがありまして、いわゆる炊き込みご飯的な松山・北条鯛飯と、白飯に刺身を乗せて甘系のたれをかける宇和島鯛飯。どっちにしようかちょっと考えて、閃きました。合体させちまえ! という和気の中ではコペルニクス的発想。そう、松山に宇和島を乗せてしまいました。ぜひぜひ、お試しあれ。「和気鯛飯」って名乗れないかなあ、と。美味しいに決まってますでしょ。

一度で食いきれない分は冷蔵後、洋食っぽくしていただきました。ポワレ? ですかね。マドンナアウスレーゼと共に。

 

かくして、大人買いに火がつきまして、「美味しいものをちょっとずつ」というポリシーを降ろしました。

 

大量のナマコ。何人前あんだろ。完全にお店の仕込みの量。右は赤貝。

 

タイラギ。刺身醤油で食した後に、カルパッチョにしてしまいました。

 



この日はハマグリ、たぶん500グラム以上かな。筍との炊合せ、さらにパスタでいただき。

 

 



ウマヅラハギがお安いと。結局生きたのと捌いたのと計5枚お買い上げ。明らかに買いすぎか。肝も卵もありがたくいただきます。刺身の肝あえは絶品。

 


生のタコ、すでに刺身にひいてもらったやつを皿に盛り。まだ、色が変わっている状態。新鮮そのもの。吸盤、うまいっすよ。

 





極めつけはこちら、1度ならず日を置いて2度にわたるアオリ祭り。1.76kgと2.02kgもの。エンペラもゲソもお刺身で。煮つけに唐揚げ、塩辛も作りました。身は冷凍しても味が落ちないので、小分けにして欲しいときにお刺身が食べられます。恐らくですが、昨今の状況で飲食店が買い付けない分、我々にもまわってくるんじゃないかなあ。しかも驚愕のプライス(自己評価)よ。

 










上にも書きましたが、武田商店でオコゼの肝のみ、パックで売ってたので、購入。それでは飽き足らず、タカハシ鮮魚で生きたのを2匹。さらに活アコウも。なんか順番が逆ですが。愛媛(だけじゃないけど)の海産を堪能しているとしか言いようがない。すでに依存症レベルか。

 

これら以外にもシジミ500gとか、石鯛・シマアジ・イサキとかマグロとか買ったと思います。漏れたのは買いなおしの上!、掲載していきたいとおもいます。

 

 

 


愛媛県松山市山越「カラオケ華」【わけししょうロケ】実は中国料理の秘宝

2020年01月06日 | 食い呑み
さて、和気入道は永く愛媛県松山市山越(やまごえ)という街に住んでおりました。今現在の居住地である松山市和気町も住宅地なんですが、山越は中心部に近いだけあって、人の往来が段違いに多いですね。車の交通量も多いですし、商店や飲食店も点在している地域です。伊予鉄路面電車も徒歩で利用できるため、中心地までのアクセスもよく、街に遊びに行くとか呑みに行くのも便利だったですよ。
 
今となっては、悪さばかりの思い出がよぎるガキの頃って感じですかね。親や我が子には言えないようなことばかりで、特別にヤンチャではなかったはずですが、思い返しても酸っぱい後悔が蒸し返してくるのであります。また、マセガキでもありまして、高校生のころにはお酒をこよなく愛していましたし、魚釣りとかバンドやら武術やら、親の思惑なんぞ全く関係ない生活を謳歌していたのであります。
 
そんな高校生生活の最中、ご近所に1件の中華料理屋がオープンしたのであります。その名は「長春飯店」。中国残留孤児2世のご家族が興したお店はこじんまりとしており、日本式の商売に慣れてなかったこともあり、なかなか軌道に乗れず、静かな店内でした。それでも本場仕込みの餃子はすばらしいものがありました。武術を中心とした中国に関心が強かった和気にとっては、初めて触れることができた中国へとつながる扉となったのです。当時は中国との国交はあったものの、いろんな意味で大陸とは隔絶されており、中華文化はイギリスの租借地であった香港、台湾から流入するのが通常だったのです。
 
日中戦争の爪痕ともいうべき「残留孤児」、ほんの数年前までおこなわれていた「文化大革命」など、当事者から聴くことができた生の中国がリアルに迫ってきたのであります。そんな話に耳を傾け、餃子をいただきながら、白酒をもいただいていたのであります。その後の和気入道と中国との関わりに大きな影響を与えたんだろうなあ、といまさらながら想起したのであります。まさにリアル「どこでもドア」だったのです。
 
かくして留学(自分的には大陸浪人というか武術の修行)から帰国後、実家に戻ってきまして。こよなく愛していた長春飯店はまったく機能していない様子。しかし、松山市中ノ川で主の名を冠した「維新」という中華料理店をやっていたのです。久方振りに合った主(ダンナ)はよそよそしい態度で、どうも様子がおかしい。その後しばらくして中ノ川も閉店してしまいました。
 
その後、しばしの沈黙を経て長春飯店は生まれ変わったのであります。予想を裏切る展開? カラオケ喫茶「華」として。ご近所さんであること、これまでのお付き合いもあり、依頼を受けてなんやかんや手伝ったりしました。主(妻子)は中華屋の女将からカラオケ屋のママに見事に転身。その容姿と愛想でうまくいってるみたい、と安心しておりました。我、和気入道となって転居しましたので、その後はずっと疎遠になっていたのであります。まあ、カラオケ喫茶にとりあえず用事はないですし。
 
近々のことですが、職場の同僚が実はここの水餃子仲間であることが判明したのであります。まったくの偶然なのですが、その同僚が宇和島勤務時代に「すごくおいしい餃子があって・・・・・・また食べたいなあ」みたいな話がありまして。聴いていると、合点がいったのであります。和気曰く「知ってるどころじゃございませんぜ!」
そう。華のママ一家は松山市山越に引っ越してくる前は愛媛県宇和島市で餃子の行商をしていたんです。間違いないでしょうね、まさに和気入道produce「探偵ナイトスクープ」が始まるのであります。カラオケ喫茶ではありますが、人気の高い水餃子はあるんじゃないかな、と予想を立てて現地に飛んだのです。
店内の様子は以前とはかなり変わってましたが、シルバーの憩いの場。和気入道を見るなり「ひさしぶりやなあ~」とママ。やはり水餃子は持ち帰り用にありまして、我が家と同僚用に買って帰ったのであります。変わらぬ美味しさでありました。
 
ここで話が終わらない。そう、せっかくなので一席設けることができないか、後日になって改めてお願いすることにしたのであります。和気が知る限り、松山では日本人向けの中華料理屋はいくらでもあるのですが、本当の中国料理が食べられる処がないとずっと思ってたんですよ。そんな嘆きを吹き飛ばす秘密兵器があったじゃないか! しかもメチャクチャ親しい間柄なのに、なぜ思いつかなかったのか・・・・・まさに不覚の極まり、灯台下暗し、幸せの碧い鳥を見つけた気分。
何度か打ち合わせ。「酢豚でもなんでも作るよ」「いやいや、そんなんじゃなくて中国の家庭料理的なものをね」
かくして、新年早々に松山市山越に和気入道関係者が集いまして、宴が始まるのであります。
 
 
外見はこんな感じ。電飾効果で、以前よりえらくギラギラしている印象を受けます。


この看板は開店以来、変わってません。山越保育園のはす向かいにあるのですが、駐車場が広くなってますよ。


ドアを開けると小部屋というか、喫煙場所? かな。ややフェイント気味で、第2の扉を開けますと・・・・・・・・

そこは中国の「卡拉OK店」そのもの。色使いとか電飾とかテーブルの配置も。日本でも中国でもKARAOKEでオーケー。

ママの人気は絶大なものがありまして、今宵も年齢層高めの男女が集ってますよ。新年初営業ということもあり、満席状態。
 
先着隊はすでに生ビールGO状態でして。さ~て凄まじいBGM隊の歌唱の中、始まりますよ、中国東北地方(旧満州)のお料理の数々。生ビールに白酒(ばいちゅう)、メンバーが松山三越で選んでもらった餃子に合うというロゼワインもあります。さあ、中国に瞬間で移動できますぞ。

絶妙な歯ごたえの豚耳。香菜と山西省の黒酢が合います。

新年でってことかな? エビ。 

凉粉かな。デンプンで作るプルプル系。ほぼ日本人は多分、初めてかな。おきゅうとではありません。似てるけど。

素朴に揚げた花生。でも、美味しいんだよねえ。

日本の浅漬け的な? おひたし。柚子がたっぷり。
 
持ち込んだ「八海山あわ」と共に酸菜。ちょっと酸っぱい白菜と豚と春雨を炊いたもの。吉林省ローカルなんだそうで。薄味で美味しい。

山西省の黒酢と共に豚ニラ炒め的な。

こちらが名物「水餃子」。言うまでもなく手作りの逸品。和気入道が初めて食べてすでに35年は経つのですが、変わらぬ安定のクオリティ。冷凍の持ち帰り用もご用命ください。




さらに「烧饼」。焼き餅ではなく、お好み焼きとチヂミとなんかを足して割ったような中国的な粉物です。タマネギと油が効いておいしい。当然、初めての人が多く大好評でした。
さらに豆腐干などもあったのですが、箸をつけるタイミングなく下がっちゃたのかな。白酒が効いてきて、すでに記憶も薄れつつあるかしら。
 
まあ、呑み食いでそうとう盛り上げっているのではありますが、なにしろ我々和気御一行様以外もそうとうなもんです。まさに「天国に一番近い」カラオケ喫茶状態。命名!「山越の小梅太夫」を筆頭にガンガン曲が予約されていきます。しかも、フロアはダンスゾーンと化し、和気だけ見知らぬお姉さんに引っ張り出されまして。調子っぱずれた演歌でチークまで付き合わされる始末。ステップとか全然わからんぜ。
まあ、そんな盛り上げりが続く中、けっきょく4時間もおりました。居心地がいいといえるのか。参加メンバー全員の総意を確認したわけではないんですが、「こういう世界があるんだ」「こういうものアリ」的なコメントが多く。まあ、勉強になった部分も往々にしてありました。
 
翌日、置いてた車を取りに行きまして、ママとちょっとお話。「次は休みの日に貸し切り状態でしようかねえ」(意味的に)とのこと。気を遣っていただきました。さて、次回の参加者を募りたいと思います。中国の家庭料理を所望される、和気にご縁のある方もない方も、お声掛けくださいませ。
 
でもね、異空間というか亜空間というか、なんか変にクセになりそうなクラブも捨てがたいような。
 
 
 
 


 
 

愛媛県今治市東門「ナマステ食堂」【わけししょうロケ】食べ呑み放題

2019年12月24日 | 食い呑み

12月は忘年会シーズンでありまして、年の暮れということで内臓が乱痴気騒ぎという御仁も少なくないと思われますが。和気入道的には年末年始につきましては、考え方を変えております、ここ数年はね。まあ、往々にして、特に大したこともなかった一年や都合の悪いことや羞恥の極まりは年の末にリセット「忘年」して新たな年を華々しく迎えるのがセオリーなんでしょうが。盛り上がりを年の末に持ってくると。年始は静かに迎えるのであります(実際はそんなことないかもしれんけど)。

この1年について、よかったことを思い起こして讃嘆することとしましょう。新たに取り組んだこと、気づいたこと、挑んでコケたこと、何もなければ無事であったことでもいいですし。イタイことがあれば受容して乗り越えたことを。我が生き様をサラブレイトするのです。そのための宴を年末に連発することといたしましょう。

このように考え方を変更したのは、実は台所事情もありましてですね。お歳暮にしても、商戦にしても、元旦より前がピークになるわけで、物資が豊富な時期に盛り上げてしまおうという作戦なのであります。お刺身だって年内のほうが入手しやすいじゃないですか。という極めて合理的な理由もあるのであります。

 

ということで、この歳末の宴第2弾は初となる「ナマステ食堂」フジグラン今治店でございます。知人からのご提案がありましてですね。ナマステ食堂今治ワールドプラザ店ではランチではよくお世話になっておりまして、以前にもロケしております。ちなみに第1弾は アジアンラサキッチンでございました。エスニックな年末や。ええで。

 
無礼を承知で申し上げれば、フジグラン今治はそうとう静かな環境でございまして。逆に言えば、落ち着きたい方々にはそうとういい環境といえましょう。以前はスパイス王国も同場所にありましたが、とうの昔に消えました。いわゆる「なにをやっても」流行らない結界が張られているのでありましょうか。
 
 




午後6時集合のため、やや早めに到着しましたが、予想通りの店内です。きれいなんですが。静かですよお。対人恐怖症の皆様、お勧め。
 
 
先ほども申し上げたようにクオリティについては問題ないことは重々承知しているお店ではあるのです。しかしながら、ここのところ、多店舗展開を繰り広げている食堂なのです。大丈夫かしら。愛媛エリアのインド料理系は各社の出店ラッシュが続いていまして、お手軽に口にできるのではありますが、凄まじい競合となっています。
さらに言えば、飲食店でのプライスダウンは滅亡への一里塚といった症状といえなくもない。まあ、はっきり言いまして、値段等を聞いたときも今回のチョイスはどうなのかなあ~と不安になっての入店です。
店のスタッフはおそらくネパールの人だと思います。見た目はインドの人と区別なんかつきませんが。インド人的商法な制約だらけの食べ呑み放題かもしれない、との不安もあります。安かろう悪かろうでは悲しいですしね。
 
 
ほどなくメンバーが揃いまして、いよいよ2時間の酒池肉林に突入です。チラシにもあるようにローカルビールはご勘弁、別料金とのこと。めちゃくちゃ安いよねえ。お2人様からご利用いただけます。予約したらしいけど、いきなりでもいいんじゃないかな。ご確認ください。あと、チラシにある年中無休ではなく定休日が設定されているので、お電話で予約したほうがいいかもしれません。
 
写真に残しておりませんが、ドリンクも豊富ですね。生ビール(たぶんプレミアムモルツ)などもありましたが、和気入道的にはネパールラムおよびインドウイスキーで攻めたいところです。ソーダやラッシー割りでいただきましたが、ことのほか美味しくてよかったです。ただし、3杯目から急激に濃いのが出てきまして、それで撃沈。
 
 
スパイシーサラダ、だったっけ。そんな感じ。タンドリーチキンがのってます。生野菜系が際限なく摂れるのは得点高し。


タンドリーグリル3点盛、的なやつ。食べ放題だから、単独でたのめばいいけど、日本人というか貧乏性ゆえのチョイス。マトンが固いけどおいしい。

シシカバブです。これはこれで普及点かな。


すいません。完全に忘れてます。豆やらポテトやらタマネギやらの3点盛。箸休め的かな。食べ放題じゃなければ頼まないかも。


ほぼ記憶にない、たぶんタンドリーチキン。味も記憶にございません。美味しかったはず。はず。


これはマトンの炒め物。日本人向けに辛さを抑えてるので食べやすい。


和気入道がオーダーしたにもかかわらず、何かわすれたカレー。みなさんはおいしそうに食べていたので、そうなんでしょう。どのカレーでもいいんだから、インド料理好きにはたまらない。ほんとに「カレーは飲み物」としていけますよ。



こちらもなにかのナン。プレーンじゃあないような。これは食べなくても問題ないのはよく存じております。
 
記憶の片隅にはエビ料理なんかも食べたような。
 
 
総評としては、食べ放題でなくても十分なのですが、まあ安さの極まりといえましょうか。大袈裟に言えば、本場に行ってもこんな値段じゃ食べられないかもしれません。料理人たちにとってはどんな値段で出そうが、ある意味関係ないですから、特にクオリティを落とす必要もないでしょうし。しかし、営利事業として成り立つのか。ダッチロール現象でなければいいのですが。これで値上げとか企画休止となると、客足が遠のくんだよねえ。
 
飲み会では財布にもそうとうやさしい。連発で居酒屋の宴が続くなら、アクセントとしてもいいチョイスになるかもしれません。
 
また行くか否か。う~ん、しばらく間をおいて考えます。チラシにある「日本人に合う」ってのは、和気入道には合いません。

愛媛県松山市久万ノ台「第109回 街のまんなか日曜市」【わけししょうロケ】毎月第4日曜開催

2019年11月26日 | 食材調達

和気入道の実家だったところは、松山の山越(やまごえ)という場所でございまして、いわゆる松山城の北側で「城北」といわれる地域でした。町としては比較的古いと思われる地名(木屋町、鉄砲町、本町,、萱町とか)が残っておったり、大学などある文教地区であったりして、 松山でも独特の地域といえるかもしれません。

幼少のみぎりで、確かな記憶はないのですが、今から40年前くらいに山越の隣の久万ノ台に青果市場ができたんではないか、と。その頃は、周囲は田畑ばかりだったはずです。夏の晩に盆踊り大会なんか何度か開催してまして、打ち上げ花火も敷地内でぶっ放すという荒業を大迫力で見上げていたのを憶えています。頭にバラバラと燃えカスが降ってきてたなあ。箱入りの葡萄が安くて家に買って帰ったりしましたねえ。

和気が中学生くらいのときだったか、市場の南側の歩道に魚が並べられ売られるようになります。なかなかいい品揃えと価格だったんでしょう、これがどんどん巨大化していき、盛況でした。親にくっついて行って、好きな魚を買ってもらったものです。そんな経験とかが、現在の和気入道的目利きとつながっているのですな。まあ、許可を取っての商いとは言い難いし、魚屋なのに路店ですから水場がないし、衛星面でもいいわけないし、そこでの営業はNGになったんじゃないかな。しかし、後にはそばの立派な建屋で営業するに至ったという、わらしべ長者的なお店でありました。その頃からは価格的にはあまり魅力的でなくなってたかも。ちなみにそこにはもう、ありませんけどね。

 

さて、松山の台所ともいうべき「松山市中央卸売市場」なんですけどね、「街のまんなか日曜市」が100回を超える開催にまで至っているとは。ごくごく開催初期の頃、1度だけ行ったことがありました。「三津の朝市」と双璧を為すのか、と期待して行ったのですが、ボリュームがしょぼくて、それっきりになっておりました。

 そして、時間が10年くらい? 流れまして今に至るわけでありまして。先日、京都行脚が気をよくしている和気入道夫婦でございまして、どっかうろつくところはないかいな、と。たまたま気づいて、ちょっとはマシになったかも、という淡い期待をもって着物姿で斜に構えて潜入いたしますよお。

 

 中央卸売市場の「関連棟」といわれる建屋が会場となっています。西側から入ったため、順路と逆になっております。ご了承くださいませ。御託は挟みません。一気にどうぞ。

 

 

 

あれ~、そうとう充実してんじゃないですか~。伊達に百回超えしてませんねえ。いい意味で意外や意外。

 

元々のお店もかなり開いてるし、この日のために出店しているお店もマアマアありますよ。市場なんだけど、プロだけでなくセミプロや一般も相まみれています。分野もかなり豊富ですね。ライブ演奏などもされておりまして、マルシェ的な感じもありますかねえ。 けっこう長い距離があるんですけど、見ごたえありますよ。時間帯がずれて参加に至りませんでしたが、素人向け競り市や餅まきもあるようです。

八百屋をはじめとして、豆腐屋、餅屋、酒屋、乾物屋、魚屋、肉屋、総菜屋、漬物屋、食堂、八百屋、万事屋などが軒を連ねています。外部からの出店としましては、飲食店、整体、ハンドメイド系、衣料品など。まずはざっと流して品定め。2回目のターンで買い込んでいきます。あれもこれもと食指が動きます。

結局こんなお買い上げとなりました。厚焼き玉子(ネギ)、漬物3点(400円)、竜田揚げ、いなり寿司(ワサビ葉入り)、スンドゥブ豆腐の素、でっかいみたらし団子、野菜と果物。ソーセージは用意されているテーブル席でイートイン。気づくとお昼のおかずを中心となってました。即持ち帰って、一家でいただきました。たいへん好評でしたよ。

次回は12月22日開催とアナウンスされておりました。まあ、来るでしょうねえ。年末近い頃だし、年始用調達に最適じゃないでしょうか。おかず系は言うまでもなく、ローカル色も強いんではないかな。観光にもお勧めできますよ。食堂とかいい雰囲気ですねえ。備忘録としては、酒が意外と値引きされていたので、次回は銘柄によっては要チェック。冷凍のホタテ(刺身用)も要検討かな。

主催者側の努力がみえる、市民参加も感じられる、そんな市場体験でございました。三津の朝市にも迫る、双璧と為ったと思います。

出店者も募集しているようですから、何かを世に問いたい人も検討してみてはいかがでしょうか。詳細はご自身でお調べください。

 


京都行脚2019【わけししょうロケ】四条と市場はんなり篇

2019年11月24日 | 旅行

かくして伏見の夜は更けて、夜が明けるのであります。ネット上の評価が二分されるお宿でしたが、我々にはそうとうよかったと思いますよ。いろんなことが大満足の、伏見を後にして、北陸は金沢を目指します。京都から往復して四条のお宿にチェックインします。

 

金沢での邂逅は最大のイベントではあるのですが、個人情報的な面からもここで触れることはありますまい。さらりと終わらせて京都に舞い戻ります。時間はえらくかかったけどね。

 

経由したSAでお買い上げしたのが、NBAの八村選手で話題になった、ビーバーが売ってました。おひとり様3袋までとのことで、ミーハーにも買ってしまいました。けっこういい値段でしたね。サクサクしておいしいですよ。2メートルを超えるような皆さんには好評でしょうねえ。米の味がしっかりしてます。そういや、米菓子に関しても日本が間違いなく世界一でしょう。柿の種は中国向けお土産で、最高峰の評価をいただいたことを思い出しました。海外向けのお土産にぜひ日本の米菓子をお選びください。

 

夕方前に舞い戻ってきました、京都のど真ん中での宿泊は初めてでして。一方通行が多い土地柄にはちょっと心配でしたが、ことなくホテルにたどり着くことができました。VIA INN 京都四条室町というJR西日本系列だそうで、久しぶりのホテルらしいホテルでした。agoraのセール価格で泊まれました。

ふんどしならぬ、帯を締めなおして、さあ京の街をうろつきますよ。

和気入道ご夫婦は愛媛松山で着物姿で徘徊しておりますが、とにかく着物の人って少ないわけでして。男性になるとなおのこと。夏の浴衣を除くと数年で1人くらいしか見たことがありません。京の都ではそんなことはないだろうという想いのお上りさん夫妻であります。

四条界隈の着物屋さんを物色します。和気自身は特に狙ったものがありませんでしたので、冷やかし半分で家人のお供のノリでした。一件目の「だいやす」さんに入店しまして、「お二階にどうぞ」と案内してくれた着物姿のお兄さんが手にしていたのが、男物の袴でして、「それな~に?」的に聞いてみますと、珍品の綿馬乗小袴ではありませんか。数寄者があつらえたんでしょうが、ほぼ着られることなく仕入れたとか。しかも、売れない? のでお値下げしたとのことで、2階の男物コーナーにもって上げるところだったと。おお、偶然もいいとこ。サイズが合わなければ、それまでですが。「大きいかもしれませんね。合わせてみましょうか」と裾を帯にひっかけて着けさせてもらいます。「ちょうどいいか、ちょっと短いですかね」とのこと。当方、武術をやる故、ぜんぜんそのほうが都合がいいんで。結局、家人より先にお買い上げ、と相成りました。出会いだねえ、いきなりこれなら、財布のひももゆるんでしまいますね。家人は沖縄の帯やら足袋だの小物類をお買い上げ。袴は試着そのまま外に出ます。

新京極なんて数十年振り。変わったような変わってないような。着物姿の若い女性がチラホラおりまして、さすがは京都、着物人口が違うなあ、なんて家人と話してましたが。そんな人とすれ違っていて、気がつきました。これって、多分レンタルなんだろうなって。きれいな色使いで派手めの柄なんですが、どれも同系統な感じ。しかも、どの娘っこも着慣れた感がないというか、着物に着られてるというか。観光なんだろうかな、と。それはそれでいい体験でしょうから、まあ目くじら立てるようなことではありますまい。

新京極を歩いておりまして、どこぞの店員さんから家人に向けて「nice!」の大きな声がかかります。まあ、着物姿をお褒めいただくことはままあることですで、「ありがとうございます」と家人が言うと、「あ、日本の方でしたか?」と驚いておりました。和気殿は日本人扱いされないことに誇りをもっているのですが、家人が外国人に間違えられるのは珍しい。

まあ、これが京都の現状なんでしょうねえ。日本人が着物を着ないのは京都も同じなんだろうなあ。例えば、中国でパオやチャイナドレスを着てるのは外国人だけで、現地の人はそんなもの着ない、と。それでも着物装束の目撃回数や着物屋にお客がいる度数ははるかに高いのも間違いありません。

続いて財布の紐がゆるんだのは、たしか「シカゴ」さんです。ほぼused羽織専門店と化してます。数もすごい。外国人のお姉さんが一生懸命選んでました。店員のお兄さんも気さくに話してくれました。「いや~、ぼくたちは並んでる物の価値ってぜんぜん判らないんですよ」って。その潔さがいい。家人が2点、和気が1点お買い上げ。いや~、これってかなりお安いと思うよ、状態もいいし。

 

そろそろ、夕餉のお時間ですが、どこにしましょう。店が多すぎて迷ってしまいます。

選んだお店はこちら、「清水家錦」でございます。photoは翌日の昼に撮影したものです。「支度中」ながらお弁当を販売しております。

 

夜の店内はこんな感じでございます。

居酒屋でテレビがあるって、意外と結構珍しいかも。

 

 

カウンターの目前の壁ははこんな感じ。

 

まあ、いわゆる居酒屋さんなんですが、よ~く見るとこのような傾向が。

座ったカウンターからうえをみあげると・・・・・・

その手のお店なんですか。今年の戦いはすでに終わってますが、クライマックスシリーズまでは盛り上がったんでしょうかね。サイン色紙もテレビもそれら用なんでしょうねえ。表からではまったくわかりませんでした。

 

まあ、そんなんは偶然でして、和気的には特にテンションが上がるわけでもなく。オーダーいきましょ。

プレミアムモルツ京都版。味の違いは判りません。おいしさは違わない。

白子の炙り。悪くはないけど、炙りきってないというか、生というか。ちょいと微妙かな。

 

大徳寺甘唐辛子の天ぷら。これはなかなかよかった。

 

もつ煮込みは滅茶苦茶うまい。これまでいただいた中でもTOPクラスかも。絶妙な辛さがいい。

ゴボウのから揚げも味が濃いけどよかった。量はちょっと控えめで終了。明日もありますし。でも、京都のラーメンもどっか行きたいなあ。意外と閉店時間が早いようで、結局はこれにておしまい。

 


 

 最終日はホテルにお願いしてチェックアウト後もちょっとだけ車を置かせてもらうことができました。ありがとうございます。

それより、ここの朝食が無料というか、セットされてるんですがね。これが非常にクオリティが高い。だし巻き卵やサバの味噌煮、佃煮とか美味しかったですよ。得した気分。この金額なら、なお文句ないですねえ。次も来たいぜ。

 

そして、和気入道のお気に入りの「錦市場」へ。朝食前に近づいたら全然お店が開いてないようで、いったんホテルに戻って前記の朝食をいただきまして、再チャレンジ。

 月曜日ということも関係しているのか、午前9時ごろでもシャッタークローズも結構おおい。地面もこんなに綺麗じゃなかったよね。さあ、どんどん歩いていきますよ。

 

漬物ばっかりだったと認識していた頃とは変わってきますよねえ。

 

 

やはり外国人の多いこと多いこと。それ向けに商売もシフトしてるのも致し方ないですよね。お店によっては「触るな」「食べるな」的な表示がたくさんあったりして、商店のみなさんも苦労されてるんでしょうね。いちばん驚いたのは、中国の最高峰白酒「茅台酒」がショット売りとおぼしき値段で置いてあるお店があったりして、そんなニーズもあるんですかね。インバウンドのインパクトを垣間見ましたねえ。保守的といえる京都であっても、ニーズというか時勢に合わせるようになったんでしょうね。アメ横化したとでも、いえましょうか。

 結局は、錦市場では何も買いませんでした。なんか、ねえ食指が動ききれなかったというか、時間的余裕がないと消費につながらないのか。次回はもう少し余裕をもって回りたいものです。

 

その代わり? に大丸百貨店にてお買い上げがこの2点。自分ら用のお土産です。

黄桜はビールメーカーとしてやっていかれては如何でしょうか。というくらい美味しい。

 

 こちらは「英勲」純米吟醸生原酒24h。24時間以内に瓶詰めしたんですと。伏見の酒を探していると、店員のお姉さんが「入荷したばかりなんですよ」とのこと。素晴らしい出来栄え。その名に相応しいお味でございました。

 

 

和気入道お留守番子ども向けには、清水家のお隣にある餃子をお持ち帰りで。大好評でございました。前夜も行列が絶えない、それくらいの人気店です。次回は店内で食いたい。

 

 

かくして、京の都を後にします。名勝地とかは行きませんでしたが。まあ、次への課題として残しておきます。帰りの車中は、満足の振り返りと化した感じでしたね。これまでは、ホントに遠かった都でした。軍資金が貯まれば、また来訪しますよお。

 

 


京都行脚2019【わけししょうロケ】伏見のたたかい篇

2019年11月22日 | 旅行

さて、和気入道の最近のトレンドといたしましては「思い立ったら」GO! であります。後悔先立たず、といいましょうか。

目的がきちんとありまして、石川金沢の知人に会いに行くというものであります。拝借していたものをお返しするのをお礼を兼ねて、武術の教授に赴くことにしました。その御仁も体調の関係があり、お元気なうちにお会いしたいな、と。

まあ、それはそれで重要なのですが、せっかくなので道すがらにどっか楽しめるところはないかいな、と。まあ、結果的には金沢には1時間くらいしかおらず、完全におまけになってしまいました。

和気入道夫婦は日頃から着物の装いを楽しんでおります。調達は地元愛媛でリサイクル物を物色しているのではありますが。それなら、着物の総本山ともいうべき古都に赴く必要があるのではないか、ということで有り金持って大盤振る舞いといきましょう。

さらに言えば、和気宅から最も近い酒屋さんの影響で、最近は日本酒に凝っております。さすれば、聖地ともいうべき場所である伏見が京都にはあるじゃないか! 

といった最近のトレンドと合致した旅ができるとの判断です。色々と調べて旅支度。2泊3日で、どれくらい楽しめるか。さあ、しかも着物姿で、いざ、出立。

 

土曜日の早朝のわりには松山市内は意外と混んでいます。松山インターまでけっこうかかった感じ。高速にのれば、巡航あるのみ。ところで、和気一家のクルマはMAZDAアクセラ1.5Dなのであります。多分ですが、プリウスよりは走りやすいと思います。往復で2000キロ近くは駆け抜けますよ。

 

 休憩一番手は与島SA。瀬戸大橋は開通して30年余になるんですよね。初めて渡ったときの興奮も、そんな昔になるんですな。

 

突っ走ること約4時間くらいですかい、京都の端っこ伏見に到着。さあ、灘と並ぶ日本の2大清酒の聖地、まさにメッカ巡礼よ。高速を降りたら、偶然にも黄桜酒造のマイクロバスが前を走っております。テンション上がりますよ。

まずは予約したお宿に参ります。チェックイン前なのですが、車は置いていいとのことです。寿々喜荘さん、お世話になります。徒歩にて移動、お昼ご飯を。

串焼きの咲蔵に入店。土曜日ですが、ランチメニューあり。

 和気殿は串焼き5点セット、家人はカルビ丼的なやつ。ビールと共に。お上品な感じでよかったですよ。なおよかったのは、店内の御客がほぼアルコールをいただいてたこと。昼間っから呑んだくれてすでにつぶれてる若者たちも居れば、伏見の酒飲み比べ3点セットを頼むおじさんとか。さあ、同化せねばなりますまい。お酒を1杯だけ注文、銘柄は忘れてしまいましたが、ご当地もの。

 

すぐ裏手には坂本龍馬のエピソードで有名な寺田屋がございます。現在も宿屋として営業してるとか。まあ、別になんてこともないですけど。観光の皆様と対応するスタッフが大勢。まあ、一目見ればよし。

 

天国が地上にあるとすれば、酒飲みにとってはここでしょう。最高のフレーズですねえ。

徒歩にて移動、やってきました「♪ カッパぱあ ルンパッパ~♪」カントリー。テンションmaxです。和製英語っぽいような。

 

どうやら、ここで実際に醸造しているようです。当たり前ですが。

こんな鉄看板ありましたっけ? 本格を謳えるということは、ほかが本格じゃなかったってことでしょうかね。

和気入道の世代は日本酒には等級がありまして、2級酒・1級酒に特級酒が売られてました。今では冷やして飲むのが日本酒の基本となりつつあると思うのですが、その頃はお燗して飲むのが当たり前でした。(すでにパソコンでも「燗して」が変換しても出てこないし)というか、そうしないと飲めない代物だったっすよね。戦前戦中を体験した世代と我々との違いかなあ。おっさんたちはこよなく愛してたのでしょうが。まあ、はっきり言って不味かった。物品税廃止頃に等級制度もなくなってんですかね。酒飲みには消費税導入は大きかったです。洋酒も爆発的に安くなりましたし。また、そのころ和気が東京にいた時代に日本酒ブームというか地酒ブームが起こりまして。そういや、うつろ覚えですが、確か火付け役が愛媛の「梅錦」だったとか。

 日本酒の消費量が減少している、というトレンドはなんとなく知っているのですが、逆に言うと大量にまずい安酒が消費されることがなくなったともいえるのではないでしょうか。それって、そんなに悪くないかも。ワールドワイドに日本酒が広がっていってますよね。良くも悪くもアルコールは税とのせめぎ合いは世界的に繰り広げられるわけで、濁酒(どぶろく)だって合法的にやっと飲めるようになりましたし。日本政府って、日本酒文化をぶっ壊す政策ばっかり、だったですよねえ。

 

わざと? 的な演出でしょうか、ほんとに昭和って感じのお人形による酒造工程。

展示というより、完成度が高い民芸品って感じかな。そのままCMで使えそうですよ。

 

懐かしのCMも流れます。メディア戦略で成功した例なのかもしれません。和気入道の世代はほぼ脳裏に刻まれているでしょ。

 

小島功さんの原画です。幼少のみぎりにはお母さんカッパのおっぱいがエロくて、それがよかった。今はテレビで流せないでしょうねえ。お母さんが子供の前で呑むっていうシーンも厳しいかも。そのころの洋画劇場でも濡れ場ある映画が普通に放映されてましたしねえ。乳がでないお色気禁止のご時世なわけで。そりゃあ、草食系男子が育つわなあ。

 

 中庭では各種お酒が売られています。プラの猪口で100~200円。物足らない量ですが、ある意味ちょうどよい。普段なら、おそらく買わない銘柄ですし。ほどよく出来上がっていきますが、周りのみんな呑んでますねえ。昼間っから。素晴らしい。

日も傾いてきました。宿に戻りつつ、次いってみよう!

 

富翁の酒蔵では直売所がありまして。景気よく試飲させてくれます。いや~、いいですねえ。原酒とか美味しかったですよ。要冷蔵のため購入は断念。でも忘れないように、ここで記しておきます。

 

重厚なレンガ造りの「松本酒造」さん。雰囲気満点ですね。小売り窓口は見当たりませんでしたが。和気ご近所の、それこそ「松本酒店」で買いましょうかね。

 

 

近くの古着屋を物色だけして、お宿に帰還。お風呂に入って、夜の部へ突入です。できれば、京おばんざいがいただけるようなお店がいいなあ、ということなんですが、グーグルマップで徒歩圏内を探しまして。和気入道の特技である、「胃袋が欲する」いい店センサーがさく裂しますよお。

「宮」という名の小さなお店。予約してます? と訊かれ「いいえ」と答えますと、大将が一呼吸おいて「どうぞ」とカウンターへ。カウンター5席のうち、3つに予約札が置いてます。空いてるテーブル席もリザーブ札が。事実上、満席です。期待できるかも。

いや~、分かってらっしゃる。サッポロラガー、いい品揃え。

お通しがこちら。季節感、彩り、お味どれもすごい。京都風情満点です。

お店のキャッチにもあるのが、だし巻き卵。フワッフワで優しいお味です。

さらに伏見のお酒に突入。銘柄は失念。女酒と称される伏見の酒はここの料理にぴったり。カウンターにいろんな猪口が置いてあり、「お好きなのでどうぞ」とのこと。いや~、いいサービスですねえ。

うざくです。ウナギの酢の物。

雲丹蓮根。初めていただきましたが、うめ~。

 

ドリンクメニューにあったのが、「森伊蔵」。京都で初めて飲みました。なんでここに並んでるの? 女将が鹿児島ご出身とのことで、関係あるのかな。訊きませんでしたが。

気さくな大将と女将とのお話も、これまた楽しかったですねえ。次も絶対的に来るでしょうねえ。ご馳走さまでございました。ほんとに満足。

 

伏見は地上のパラダイスでございました。日中にプラの利き猪口持った人たちがうろつく様は、まさに酒天国。人間の屑にはたまりませんねえ。気の置けない酒飲み連中で集えば盛り上がること、間違いなしだと思います。ちょっと遠い昔にはここで戦役もあったわけで、歴史を感じることもできますし。酒を飲み呑み、殺し合いをしたんでしょうか。

 

 

 


Rugby World Cup in Oita 【わけししょうロケ】一生に一度かな?

2019年10月29日 | イベント

地の利をいかすことができるチャンス到来、ではないかいなと。

昨年からずっと考えていたのでありますが、ラグビーワールドカップを見に行きたいなあ、と。

思い起こせば、サッカーワールドカップ日韓大会があったときのこと。ネットでチケットがまったく取れなかったというか、日本戦以外は眼中にありませんでした。今思えば、他国の試合でもぜんぜんよかったのに。また、偶然にも当時の仕事の関係で大阪に行く日程もありました。たしか、長居スタジアムで日本の最終戦があった日にも大阪におりまして、ミナミでは敗戦後のサポーターの殺気立った姿を目の当たりにしましたねえ。

それから時間が流れ流れて、オリンピックパラリンピックの前哨戦ともいうべき? ラグビーワールドカップがアジアで初めて開催されると。前回の南アフリカ戦が話題になりましたなあ。和気入道、熱狂的なファンということでもないのですが、なにか惹かれるものがあったのかもしれません。しかも豊予海峡のお向かいで試合があるじゃあ~りませんか……………… といいながらも、決め手に欠けるというか、決断に至らない日々。今年に入ってから、チケットエントリーしてはみたものの、安いチケットは完売しており、3万円コースが最安でして、これまた決断できない金額。さらに日程的に行けるのは準々決勝で、まだどの対戦か判っておりませんでした。流れとしては、ほぼ行かない方向に傾きつつありました。

ところが、9月に入ってのこと。関係者の方が脳梗塞になったことが判明しました。幸い、後遺症もほぼ認められず、体も動くとのこと。いや~、気功とか武術の効用であることは明白、であることを強調しておかねばなりますまい。松山市和気海岸で毎土曜午前8時半でございます。お暇な方は是非どうぞ。

誰(たれ)であろうと、ある程度の時間を駆け抜ける人生を考えたときに、この期に及んでの後悔をなるべく少なくすることは殊に重要であると思うようになりました。それが決め手となり、3万円というこれまでの和気入道史上の最高額の切符を購入しました。当日はウエールズvsフランス戦と決まりました。宿泊はしません。というか、できません。数か月前から大分では宿が取れない状況になっていたからです。いわば、弾丸日帰りで行程は当日になっても決まりません。愛媛から大分へは3つのルートがあり、試合開始時間が夕方4時台ということから逆算し、陸路でかかる時間に鑑み、松山市和気から三崎まで走り、徒歩で佐賀関に上陸し電車かバスで大分に移動するルートにしました。

朝6時に出発、夜明けと共に。すいてる時間帯です。まあまあ飛ばして三崎へ向かいます。約2時間で三崎港に到着です。

 

単独渡航のため、車両での上陸はコストが高いとの判断です。実際、予約でいっぱいのようです。さて、三崎港の駐車場ですが、フェリー乗り場には8台分しか無料駐車スペースがありません。想定していたのですが、「いっぱいですよ」とのこと。ほかの駐車場はありませんか? の問いにはぶっきらぼうに「ありません、知りません」の返答。さーて、困った。

車を移動してぐるりを見回してると、ガソリンスタンドにおじさんがおりましたので、「駐車できるところはありませんか」と訊きますと、無言で道の向こうを指さしました。スタンドの正面にある駐車場を利用してかまわないようです。結局、帰りの船から降りた人たちが何組も同じ駐車場に来てました。

 

 

船内にもラグビー観戦組がおりまして、船内のテレビでは前日のニュージーランド戦が再放送されいましたし、徐々に雰囲気がでてきました。となりの二人組はテレビを見ながらルール解説。和気はまあまあ分かっているつもりなので、あらそうでしたか、などと聞き流し、水筒に仕込んだ焼酎水割りを流し込み。70分で九州です。

 

佐賀関はいたって静か。どうやって大分市内に行くのか、ほとんど調べておりません。JRが近くにあったような、と交差点でたたずむ自転車のおっちゃんに「駅ってどういったらいいんですか?」と言うと、怪訝な顔されて「歩いてはいけんよ」とのこと。恥ずかしながら、佐賀関と臼杵の違いがなく、ごっちゃになってました。「バスならあるけど、日曜だから注意してな。1時間に1本くらいやろ」と教えてくれました。時間的にはぜんぜん余裕があるので、停留所のベンチで座って待ちます。しばらくすると、おっちゃんが自転車で近付いてきて、同じことを言ってくれます。えらく気にしてもらったようで恐縮至極であります。

40分も待ったころ、おばさまたちがバスに乗るため集まります。和気入道、この日も着物で行ったんですが、そのいでたちを見て、「あんた、このへんの人じゃないね、どこの人?」などと訊かれました。海の方向を指さし、「四国からです」と言うと、「このへんのひとじゃないと思ったわ」とのこと。「すてきやね」とお着物をほめていただきました。小一時間かかり、大分中心部に近づきます。近づくにつれてラグビー観戦組がどんどん乗車してきます。昨日から市内は交通規制が敷かれており、車での移動はそうとう不自由との前情報がありました。

 

観戦組が降りる流れに乗って下車。はっきり言ってお祭り騒ぎレベルで、こりゃ日本じゃない。まだ、陽射しも強いからビールもうまいでしょうなあ。

 

 ビヤ樽みたいなオヤジか、ビヤ樽がオヤジなのか。商店街をブラっと歩いてみても、そこいら中のカフェでも公園でも、外国人がビールを呑んでいます。着物姿はやはり珍しく、スマホを向けられたり、声をかけられたり。ちょっと話をしたけど、「陽気」そのもの。日中に呑んだくれて、まさにパラダイスか。すでに満足度も頂点です。いや~、来てよかったなあ。フードブースもホントにたくさんあったけど、けっきょくはコンビニでおにぎり買いました。なんか、屋台っておっくうになってます。

大分と松山って、スケールとか都会度とかほぼ同じと思ってましたが、圧倒的に大分が上と感じました。松山ではこんなことないだろうなあ、と。

 

大分駅から無料シャトルに乗って会場に移動します。すごい数のお客を、これまたすごい数のバスがお出迎えです。ボランティアもすごい数でご対応。白バイの先導で約40分でスタジアムに到着。買わなかったけど、ハイネケンonlyのブースがズラリ。意味もなくグッズ売り場に並んで、欲しくもなかったんですがTシャツなどお買い上げ。着物の人も何人かいましたが、着慣れてない感がありまして、単なるコスプレかいな、と。日本人が和服を着ないのもなんか寂しいですねえ。

場内のボルテージは最高潮です。試合前のアップではフランスのキッカーの異常に正確なペナルティキックと、ダミーへのタックルがすごかったです。体当たりの基本は同じなんだなあ、と。

試合はあっという間に終わりました。1点差でウエールズがフランスに勝つという劇的な展開で、しびれましたねえ。すごかった。どちらつかずで観戦してましたが、充分に元を取ったと思いました。

大分市内にシャトルバスで戻ってる最中に日本戦をやってましたが、なんか興味が失せたような。パブリックビューイングもチラッと見ても入り込めません。電話したところ、会う予定の御人は歯痛でキャンセルとなりました。はてさて、どうするか。

JRで幸崎まで行ってタクシーを拾えれば大分で朝を迎えることなく、帰れると判断してホームに急ぎます。問題は無人駅でタクシーが拾えるかどうか。ちょっとした賭けです。駅から佐賀関までタクシーで15分はかかるので、ダイレクトに乗れないと船には間に合いません。

で、駅前には2台のタクシーが待機しております。覗き込むと「△△さんですか?」「いえ、ちがいます」「予約なんでごめんなさい」もう1台も同じです。駆け込んできた子供連れが乗り込んで発車。ん~ん、万事休す、か。

途方に暮れようとしたところ、1台はじっと動かず。予約した人が来ないようです。「もうみんな降りたと思いますよ」と運転手さんに押してみたところ、事務所に連絡して協議。ほどなくドアが開きました。お~、悪運強し。午後10時発の便に間に合いました。

試合観戦中からは事態の展開によっては、と思いましたので飲酒は控えてました。残ってれば車で休憩してから、と思いましたが、まあ大丈夫だろうと。午前1時半には無事に帰宅できました。

 

余韻に浸るとまでの印象でありませんでしたが、東京オリンピックも同じような体験ができるんじゃないかなあ、やっぱり行こうかなあとか考えてます。

 

 

 

 

 


愛媛県伊予郡砥部町千足「秋の砥部焼まつり2018」【わけししょうロケ】

2018年11月24日 | イベント

秋も後半に突入の11月ではありますが。らしい日差しに誘われて、砥部焼(とべやき)を見にいきましょうと、家人を連れだって「秋の砥部焼まつり」にはせ参じたのであります。

全国的にはそれほどメジャーではないブランドではありますが、なかなか味があるのです。 多少の揺れはあるものの、基本的には陶器ではなく磁器であること、工程がほぼ手作りであること、厚手で丸みがあること、生活用雑器が多いこと、などが基本といえましょうか。白磁に呉須で描くTOBE BLUEは、地元ということだけでなくても、和気入道はたいへん「お気に」なのであります。さらには気鋭な新手が競ってヌーベルバーグを展開しています。

 春にも同イベントは開催されるのですが、これまではこちらの方によく行ってました。春は体育館に所狭しと売り物が並べられるのです。

 

会場に着きますと、春なら器以外の物販ブースが並ぶ通りに窯元のブースがずらりと。体育館ではなく、露店での販売となっております。大きな特徴としては窯元と直接触れ合いながら購入ができることですね。

 

大勢がそれぞれのブースで物色しています。県内外からお越しになられているのでしょうね。まずまずの人出といえましょうか。

 

 

 

 

天気が良くて、デイライトが効果的な照明となって、器が映えますから良く見えてしまうんですかね。落ちた銀杏の葉が自然のいいアクセントになってます。掘り出し物はないか、全ブース2回は廻りましたよ。1点モノが多く、見逃さないように目ざとくいきます。1廻り目はモノと値段をチェックして比較検討相談、2廻り目でお買い上げ。

 

 で、飲食ブースで一休みします。

 

地元の焼肉屋さんブースで、豚丼ぶりに唐揚げ。家人はビールと。

 

 

 

こちらが戦利品。酒器2点と小皿1点2枚。

使い勝手が良さそうな、気取らない感じですかね。お値段もたいへん気取ってませんでした。その気になればいくらでも買っちゃうと思うのですが、グッと抑えてたいへん小振りなお買い物にとどめておきました。

 

砥部焼って、よもすれば女性っぽいやさしい感じですが、由来はそうでもないんです。刀の砥師に「伊予砥」と言われ珍重された砥石を切り出した際に出る粉を練って作陶し、焼いたのが発祥なのであります。すでに砥石は産出されなくなり、幻の砥石となっています。

そんな由来の器で日本酒をいただくのも、なんとも風情があるように思います。

 

ps

さて、この度人気ブログランキングにエントリーしております。備忘録的な文章ばかりではありますが、愛媛のトピックとして誰かのお役に立つやもしれません。よろしければ、クリックいただきますようお願いいたします。お役に立った場合もお願い申し上げまする。

 

 

 


愛媛県松山市平和通「物語カフェ かまどねこ」【わけししょうロケ】和光幼稚園跡も

2018年11月04日 | 食い呑み

 この度は和気入道のお知り合いからお誘いを受けまして、というか、こちらからお願いしまして、「かまどねこ」なるお店を訪れることにしました。実はちょっと前に地元テレビ局の看板番組「もぎ✖✖てれび」において「和食たかなし」とともに登場したのを視たこともあり、気になっておったのです。

  

銀杏並木はまだ色づいてません平和通りの東。清水小学校・勝山中学校出身の和気入道としてはまさに、かつての庭であります。建物やお店は変わってしまったところばかりですが、雰囲気は変わっておりません。道後エリアに近づきつつ、目に入るのは、このような看板。



A型看板にはお食事メニュー。「物語カフェ」とな。





古民家的な佇まいというべきか、昭和レトロというべきか。城下町にふさわしい店構えですねえ。間違いなく、和気がガキの頃からあった建物なんでしょうが、その頃に知る由もなかったお家なのであります。

 

ではお邪魔しますよ。

玄関戸をくぐって、履き物を脱いで店内に上がります。昔はどの家もこんな下駄箱でしたよね。

 




店内をざっと見渡しますと、カフェスペースは3つあるようです。畳に絨毯敷いてのテーブル席、畳にちゃぶ台の座敷、画像にはありませんが、裏庭を臨める廊下のカウンター席。

 

さらには、本棚に囲まれた図書室があります。

蔵書の背表紙をざっと見た感じでは、演劇関連などが目につきました。正しいのかは判りませんが、和気入道的には、ちょこっと昭和の「前衛」的なモノを感じましたね。今の伊予の田舎町ではほとんど存在しない、和気が東京で過ごした時代にはまだあった、すごい久しぶりの感覚です。ガロとか並んでないかな、と探してしまいました。

 


店内の内装・装飾はいたってシンプル。


 

 

コーヒーをいただきながら、スタッフの皆さんとお話ししまして。時間が流れてお昼時となりました。和気殿はハヤシライス、お連れ様はカレーライスを注文。

ハヤシライスは酸味が効いており、タマネギが際立つ感じ。





カレーは雑穀米仕様となっております。なかなかの辛さとのこと。



サイドのサラダは作り込まれておりまして。ピクルスとか小技が効いてます。お値打ちあります。



こちらのメニューはお持ち帰りもございます。ご利用されてたお客様もありました。

 

 

店内奥の廊下カウンターから見えるお庭はこんな感じ。

 

 

ところで「かまどねこ」と称するからには、灰だらけの猫がいるのかと思いきや、どこにもおりません。ネコの置物はおりましたが。

お話しによると3匹の猫が庭に現れるとのことでして。飼っているのではなく、地域に住んでて居流れてくるようです。けっこうな時間が経ったのですが、なかなかお目見えがありません。それからしばらく時間が流れて………………………

 

 

音もなく、鳴き声もなく、来ました来ました。なかなかの太々しさをまとってます。

もう1匹来てくれたのですが、すぐに立ち去ってしまいましたので、カメラに収めるに至りませんでした。

猫カフェとは違って触れ合うことはできませんが、これはこれでありでしょう。このカフェの戦略なのか、長時間滞在を可能とする仕掛けが出来上がっているような。知人との語らいもいいですが、単独で来てねばることができるのが売りなのかも。そういや、昔の喫茶店での基本でしたねえ。なんか、いろんな感覚が懐かしさと共によみがえってきた時間でした。

 

 

然らば。

「前衛的」な表現をば、してみました。物語第一幕はこれにて暗転。

 

 

 

このカフェは近くにある「シアターねこ」が運営しています。松山での劇場というか芝居小屋はほとんど縁がありませんでしたので、帰りに見せていただくことにしました。そこはね、和気入道がとてもよく知ってる場所なのであります。

和気入道の幼少のみぎり、就学からすでに40星霜をも数えるに至っております。その頃に戻る機会に恵まれましたので、ここに記すこととします。場所は松山城の、ホントの直下にある「和光会館」という場所であります。昔々は「和光幼稚園」がありまして、和気入道は卒園生なのであります。ことの次第は存じませんが、かなり前に幼稚園が閉鎖されたことは聞き及んでおりました。といっても「少子化の波なのかな?」くらいで、特に思うこともなく、時が流れていくだけでした。ここで物語第二幕があけることに。

劇場がある建物は和気がいた頃にはたぶんなかったはず。でも、外されていない和光幼稚園の園璋エンブレムはなんだか誇らしげな感じ。見せてもらった劇場は意外と本格的です。むき出しのコード類やペンキを塗ったくったような壁も、これまた前衛。そのうち、なんかの芝居を見に行こうかなあ。

帰る前に元園内をぐるっと見てみました。走り回っていた運動場は駐車場と化してましたが、こんなに狭かったかなあ。プールや動物が飼われていたゲージもあったのに。赤バラ組の教室はほぼ当時のままで、虹色の送迎バスから降りて園内に入る裏の鋼鉄製の扉もそのまんまでした。閉ざされてた記憶が、思い出が、よみがえるよみがえる。

 

黄色い肩掛けかばんには。シールを貼る出席簿に、ポケットティッシュなんてなかったから折りたたんだチリ紙、アルミでできた「サンダーマスク」の弁当箱だったなあ。

弁当を持ってこれないときは現金を握ってパンと牛乳を注文したんだよねえ。

初めて「せんせい」って呼ぶことになった先生は、実際はそんなに歳じゃなかったのかもしれないけど、すごくおばさんに思えたなあ。

当時、近くのPTA会館で楽器の演奏会があって、舞台の上での木琴を演奏で、演奏が始まる直前にバチをかたっぽ落っことしたけど、拾うことができなくて、うろたえることなく片手で演奏したんでして。和気入道の初ライブ、後のバンドを始めるための原体験だったのかもしれない。

 

なんかいろんなことを思い出しました。まさに人生劇場! 酒が入ってたり、メンタルが過敏なときだったら、涙が止まらなかったかも。卒園生の皆さん、お時間があればかまどねこ共々、お訪ねください。まだ、当時を感じることができますよ。

 

 

かくして、「物語カフェ」は和気入道にとっては時空を超えて強烈に作用しました。他のお店では絶対に体験できませんからね。さらにクリエイティブな刺激にもなりました。何かを表現したくなったよ。

 

 

 


愛媛県松山市道後一万「和食たかなし」【わけししょうロケ】夏の宵編

2018年08月14日 | 食い呑み

「おはよう」とか「こんにちは」などから「暑いですね」があいさつになり替わってしまっております2018年の夏であります。

どうやら天をつかさどる雷神や龍の類が新米なのか、雨の量や暑さの調整が慣れてないようですね。天災により死者を続出させるのは死神の仕業でありましょうか。しかも日本愛媛どころかアジア各地、世界各国でもそんな天候のようです。

毎年のことではありますが、和気入道一家の夏は「海」が基本となります。適度な日焼け、海水に浸かる、海気を受ける、海での食事、海の幸を喰らう、などの行為によって夏を乗り切るのであります。地元の和気浜は徒歩で攻略します。それだけでは飽き足らず、愛南などにも足を延ばします。

さらには、食にその年々のトレンドがありまして、頻繁に食卓に供されるメニューがあったりします。豚汁だったりゴーヤだったり甘唐辛子の年もありましたねえ。それらを積極的に摂っていると信じることで、夏バテに備えるのであります。今年は強いて言えば「握り飯」でしょうか。ワカメを混ぜたり、海苔を巻いたり。お茶碗ご飯では食が進みにくくても、rice cakeにすれば食べやすいですからね。海にも持っていくこともあります。

とはいえ、数年ぶりのこの酷暑。立秋過ぎても立ちくらみがしそうな熱気には、さらなる対策を……………………

身体の内側から涼をとるのがよろしいかと。お盆の仕事場は閑散としておりまして、上司に早退を願い出て受理されました。早めの店仕舞いし、着物を身に纏って家人と「電車 de go」と致しました。向かうは道後一万「和食 たかなし」であります。かなり久しぶりとなります。 

 

JR予讃線から伊予鉄道環状線に乗り換えます。おやまあ、子どもの頃に乗ってた車両がまだ現役です。内装がウッド製ですから、よく考えたらこちらのほうが高級なのかしら。重厚な仕様となっております。

 

 愛媛道後の端っこに位置する「たかなし」に到着です。

道後のまちは夜の帳が降り、ガラスに映る店内は涼を摂りながら各々話が弾んでいるようです。なかなかの盛況ぶりです。

 

2人連れなのですが、テーブルではなくカウンターに陣取ります。家人ともども、この一枚板がお気に入りなのです。

どうですか? まさに「竜の眼」の如し。

 

 

本日のおすすめはこちらです。さあさあ、なにをいただきましょうか。迷ってしまいますねえ。

 地元食材押しです。豊富な魚介、夏野菜に目が行きますねえ。

 

まずはビールです。でも1杯だけです。腹が膨れるのと、和気入道的にはビールは魚介には合わないのです。

 

 

お通しにも涼が盛られてます。ゼリー状に冷やされた出汁にオクラとエビ、梅肉ソースをちょいと載せて。

 

 葉脈が際立つ大葉が帆の如く。するめいかの刺身です。

歯ごたえはスルメまんまなのですが、すご~くねっとりしてまして。なんかコウイカ系みたいです。和気が知ってるのとは全然ちがうぞ。もちろんたいへん美味しいのですが。

大将に訊いてみると「するめいかでも大きいのは~」とのこと。

 

夏といえば、これは外せない、「鱧」。

 

添えられているのは、左からソーメン瓜、イモの茎、トマト。いいアクセントとなってます。

 

梅肉でいただきます。細かく引かれた骨、程よく締まった身とゼラチン質の皮、大将の腕の良さがモノをいいます。観光で来られたみなさん、ぜひどうぞ。

愛媛は鱧の一大産地でありまして。関西方面に供給されているとのことです。でも地元ではそれほどメジャーではありませんでした。おそらくですが、いかつい見た目、骨切り処理がめんどくさいことや旨味があんまりないことからか、家庭の食卓向けではなかったのでしょう。和気は子どものころからよく食べていて、なんでかなと思ってましたが。今では伊予双海などが特産品としてアピールしています。ポン酢や辛子みそでいただくのも良し。かば焼きや揚げ物も美味いんですよね。

 

 続いてもご当地系、夏野菜の代表格であります茄子です。愛媛西条の絹皮茄子を揚出し、とろろをぶっかけております。鮮やかな彩りがいい感じ。

愛媛では「松山長茄子」と米茄子系の「西条絹皮茄子」などが特産でございまして。茄子好きにはたまらない逸品です。季節的にこれからどんどん美味くなっていくのです。和気宅では嫁がドンドン食ってますが。

 

 ちょっとコッテリ系もいきたいところです。

こちらは「新じゃがの明太子のチーズ焼」。

 さらにグランドメニューから「だし巻き卵」も。

 

さらに青ネギの白身巻とアスパラの揚げ物、塩でいただきます。

いやあ、なかなかのガッツリ感。なんか涼を摂りにきたというより、スタミナをつけにきた、という様相を呈してまいりました。

 

口直しに「モズク酢」なぞ。

ほぼ満腹とともにオーダーストップ。 なんか成り行きまかせのメニュー構成でしたが、それもまた是。

このお店の特徴は、地元素材・季節感満載の本格的な和食を肩ひじ張らずに居酒屋感覚で楽しめるところにあります。このblogの影響力ではどうにもならないでしょうが(笑)、愛媛観光の隠れスポットになり得るポテンシャルを持っていることを世界で初めて指摘しておきます。

そういやここんとこ、和気入道の交友関係はえらく希薄でありまして。県外の人間を連れていきたいなあ、と思っても、お連れできる方が見当たりません。誰かご一緒しませんか。お勘定もお願いできれば、と思います。