講師は、三重県の学校などで子どもたちにも「権利」についてお話しをされている志治さん(エンパワメント三重)。お話しの内容メモをアップします。
●子どもに「権利」のお話しをするとき
「あなたがこれだけずっとこれからご飯を食べさせてもらえなかったらどうなる?」「どんな気持ちになる?」
→あなたを怖い気持ちにさせたり、悲しい気持ちにさせることを『暴力』と言いますよ。
●大切な3つの権利とは「安心して自信を持って自由に生きる権利」
・安心=あなたはいつでもどこでも
・自信=心や体が強くなった気持ち
・自由=自分でやりたいことを選べた時
●暴力とは?(安心自信自由をとってしまうもの)
・学校の中で起きる暴力とは
無視・いじめ(身体へ)・暴力
体罰・リベンジ暴力(腹いせで公表)
・家庭の中で起きる暴力とは
家庭内暴力・虐待(体・心理)
・社会で起きる暴力とは
差別・組織に入っていないからと仲間はずれ
●児童相談所への相談件数
・今回初めて警察が通報することがトップになった
(今まで見逃していたことが、通報につながりかけている)
・DVはいつも被害者
DVの家庭では、一番年上の子が、保護者の役割を果たさねばならないことになっている(子どもの成長に影響する)
・自分は虐待をしているかもしれないと悩む人は、公的機関に相談できない状況(これだけ社会的な問題になっているので、自ら相談に行ける状況はない)
→身近な支援者に相談が行くようにしよう
(ファミサポの役割だね)
●どこにいても暴力にあう可能性がある
・あなたはどこかで暴力にあうかもしれない。権利を侵害された時、どう行動するかを子どもたちが知ることが大切
●自分が自分を傷つける行為がある
→自傷行為、たばこや飲酒、自殺
●昨年、3年生が自殺した
→選択肢が「死」しかなかった=大人の責任
・「あなたは、だいじ」を伝える
・権利を取られたとき、その気持ちをイヤと表していいんだよ
→いなことはいやと言っていいんだよ
・イヤと言えない子もいる
→ ちょっと今日は・・・と言うこと
→ 逃げること
これもひとつのイヤである
これもできない子は、信頼できる大人に話すのも「イヤ」のひとつ
最初の大人が信じてくれなかったら、次の大人にはなしましょう
(信頼される大人・・・ファミサポの役割だね)
●子どもはなぜ暴力を受けやすいか?
子どもが力を持たされていない
しかし、子どもには中に力がある(エンパワメント)
・共感の気持ちが、その子を勇気付ける
「そうだね、それは悔しいよね」
→こんなき持ちになってもいいんだという子どもへのメッセージ
→子どもが権利を持っているという意識づけとなる
→子どもができたことを褒める
・子どもが嘘をつくには理由がある
自分を守りたい
家族など、誰かを守りたい
その二つしかない
・子どもが口を開きやすい環境を作ることが大切
・ひどい暴力の被害者は、口をあけない
自分でどうしようもなかった
自分の責任だと思う(自分がこうだったから・・・こうなったんだ)
社会全体が、加害者よりも被害者の落ち度を探す傾向にある(社会の悪い癖=被害者の落ち度を探す)
→加害者にもっと目を向けるべき
暴力は、被害者に落ち度はない。加害者に問題がある。
・DV・虐待世帯は、他の家庭との接点がない
ほかの家庭もそうだと思う
適応しなければ生きていけない
何もできなかった自分ということで無力感を感じる子ども
●子どもの貧困
中央値:月収34万円(4人家族)
・17万円以下が、相対的貧困
「みかんでワークショップ」
各グループで、みかんを何回も回しながら、このみかんの特徴をひとりひとりが語りました。すると傷が付いたみかんが可愛く感じるようになる。このみかんは地域のこどもと一緒だねと。
●この子を地域の真ん中で、みんなで情報を共有する
=愛おしさにつながる
ファミサポ活動は短い時間のサポートの場合が多いですが、ちょっとした言葉がけで子どもたちは成長していくことを知る講座でした。