最近 Spotify でやたら60年代のヒット曲を流すようになった。曲を聴けばどれも懐かしくて、聞いているうちに「優しい気持ち」になってくる。昔は良かったなぁ(これ、老人の定番の言葉です!)。ブログを書いている今も、ディーンマーチンの「エブリバディ・ラブ・サムバデイ」が掛かっていて思わず口ずさんでしまった。私は特に英語ができる訳じゃないがこの頃の歌ならまあまあ聞き取れるのである。やっぱり歌詞が分かって聴くとこちらも「そうそう!」と納得するし、歌っている歌手との親近感も湧いてきて一段と曲に入り込める。そういう意味では私の青春時代を「そっくりそのままの形」で目の前にしてくれる唯一のツールが何を隠そう音楽なのだ。
そして私が主に聴くのが「洋楽」である。当時爆発的に起きたブリティッシュロックの波はまだ私達の所には届いてなくて、最初にやって来たのがベンチャーズだったというのが運命だったかもしれない。なお、これは私という括りで当時を振り返ってみると、という話で、世間一般がと言うわけではない。私には2歳年上の姉がいたが、何を聴いていたかは全く知らないのである。多分、普通にプレスリーとかだろうとは思うが家にはポスターとかは一切無かったので、私の家庭自体が「静かに読書」という家族だったのかも。まあホントのところは分からないが、私はそれしか知らないで育ったわけである。つまり私の音楽体験は誰にも影響を受けずに出来上がったものだった。
ちなみに私のバンド仲間でゴルフ仲間でもある友人のSN氏のお兄さんは、エレキギターの関係の会社に勤めていたと聞いたことがあって、あちらの家庭環境は随分と音楽が身近にあったと思う。他のメンバーも音楽がそれほど好きというのではなかった気がするが、そんな雑多な仲間が集まってバンドを組み、ダンスホールや運動会や小学校で演奏するまでになったと言うんだから、今思い返しても「夢のような」時間だった。私達はそんなスタートだったので、ビートルズとかのボーカル曲はやってなかった。そうこうしているうちに大学受験ということで自然解散したが、まあ正解だったと思う。
当時はGSの大流行で社会問題にもなっていたが、私の周りでは余り話題にはなっていなかった。それに日本のポピュラーミュージックはまだ海外のヒット曲をそのまま翻訳して歌っている程度で、本当の日本人の音楽が生まれるのはもっと後である。そんなこんなで私の曲の好みは「洋楽」ばっかりになり、ポピュラーからR&Bやカントリーとかスクリーン・ミュージックまで「幅広く何でも」聴いていたと思う。私自身がまだ何者でもなく、どうやって生きてゆくという具体的な人生目標もないただの受験生だったので、当然聴く曲もランダムでラジオ主体だった。
そんな「青春を蘇らせてくれる」のが Spotify のプレイリストというわけだ。これは放っておけばひたすら60年代のヒット曲を延々と流してくれる優れものである。で、私は「ああこの曲よく聴いてたなぁ・・」と思ったらすかさず私のプレイリストに登録するのだ。こないだプレスリーの「好きにならずにいられない」を久々にじっくりと聴いたら、これがまたしっとりしたいい曲なんである。勿論早速にプレイリストに登録したのは言うまでもない。そして今日はマイケル・ジャクソンの「Heal the World」を聴いた。これまた ジーンとくる名曲である。60年代は良い曲が多いねぇ(やや自慢!)
マイケル・ジャクソンといえばスリラーなどキレッキレのダンスナンバーが思い浮かぶが実は、こういう歌もヒットさせている。これが彼の作詞作曲かどうかは分からないが、なんとも心に響く曲なのは間違いない。まあこれは60年代の曲ではないと思うが、こういう「静かな共感」を観客と共に見事に演出して「じんわり」と歌ってくれる歌手が最近は少なくなった、
・・・と言ってはいけないのだ。イカンイカン。
こう言っては私達の「年代自慢」になってしまう。そうなれば、他の時代に青春を送った人達から反発を受けるのは当然であろう。どの時代にもいい点があれば欠点もある。そして、よくない時代に青春を送らざるを得なかった苦しい世代にとっても、音楽は心の糧であり希望の光だったという事実は変わらないのだ。つまり、私達にボブ・ディランがいるように、彼らにはまた違う歌手が必ずや時代精神を代表するような歌を歌っている筈である。お互いを尊重し、理解はできなくとも「棲み分け」は出来る筈。批判をやめて微笑みを持とう!
私はこんなことを考えながら Spotify を流していた。そうだ、私の大好きな歌手を100人選んで、彼等の代表曲を1曲ずつ集めてプレイリストにするというのはどうだろう。名付けて「私の百人一曲」(いいねぇ!)。一人一曲というのが辛いけど、是非作ってみたい。取り敢えず最初に登録するのはジュディ・コリンズの名曲「Both Sides Now」である(日本でのリリースは「青春の光と影」だったと思う)。何かワクワクして来た。
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