こないだゴルフパートナーに行ったらいつもの奥のブースのテーブルに見慣れた物がちょこんと載っていた。タイトリストの磁石で帽子に付ける黒いマーカーである。一目で私がいつも帽子に付けている物だと分かった(正確には、私のと同じ物)。そう言えば前回は珍しく帽子を被ってったっけ、きっとその時に落としたに違いない。実は私自身は無くなっている事は知らなかったのだが、お店の人が拾ってテーブルに置いてくれていたのだろう。或いは誰も気が付かずにそのまま置きっぱなしになっていた、という可能性もある。何れにしろ誰かが拾って持って行りせずに、落ちた場所にそのまま置かれていたことに感謝である。その点、物を失くしても必ず出てくる日本という国は、今更ながら素晴らしい国だと再認識した。
そう言えばこの前もゴルフ用のグローブをダウンジャケットのポケットに入れてたのが、何故かゴルフパートナーに着いたら無くなっていたことがあった。
練習は店の試打用グローブを借りて何とか終わらせたが、どうしても諦めきれずに帰り道を変更して「来たのと同じ道」を回り道して落ちてないか見ながら帰ったくらいである。暗くなった夜道を下を見ながらトボトボ帰る姿は、戦場の敗残兵そのものである(失礼、戦争はそんなに甘いものじゃあ無かったですね、申し訳ない)。
そうこうして家の前の曲がり角まで来た私は、「とうとう無かったか残念無念」とがっくり膝を折った、と言うのは嘘だが「気に入ってたのに」とちょっと悲しい気持ちになった・・・と、その時暗闇にぼんやり何かが道路に落ちているでは無いか?。もしやと走って拾い上げると、紛れも無く失くしたと思った私のグローブである。おお、神様!
日頃の行いが良かったのかどうか、とにかく失くしたと思った物が出てくるのは無性に嬉しいものである。
そんなこともあって今回私のマーカーがテーブルに置いてあったことに、私は心の底から神に感謝し「やったー!とニンマリしながら」ズボンのポケットにしっかりとしまい込んだのである。勿論気分も上々で、練習がはかどったのは言うまでもない。ところがルンルンしながら家に帰って部屋に入ってかた、どう言うわけかさっきポケットに入れた筈のタイトのマーカーが「どこを探しても」無いのである。あれ~?、変だなぁ。
確かにポケットに入れた筈だがはて、どうしたんだろう?。30分くらい服のポケットを探ったりひっくり返したりしたが全然出て来ない。どゆこと?
しまいに諦めて冷蔵庫からビールを出し、マジ不貞腐れ気分でがぶ飲みした。せっかく出て来たマーカーをすぐ失くすなんて、どんなアホなんじゃい!、と怒りが収まらない。御前は最低の人間だ!と散々自分の馬鹿さ加減に悪態をついて、それから布団を被って夢も見ずに寝た。こんなことならいっそ失くしたままのほうが良かった、などと愚痴ならぬ恨みも出て来る。まあ翌朝には「そんなことはいつもの事よ」と諦めもつき、さてコンビニにでも買い出しに行こうかと玄関を開けたら何と、表のコンクリートの上にポツンとマーカーが落ちているじゃアーリませんか、ああ神よ!。
「天は我らを見捨てたか!」と言ったのは映画「八甲田山」の高倉健だが、私の方は「神よ、アンタは偉い、すんごく偉いぞぉぉぉ〜!」と叫ばずにはいられなかった。
1週間の間に二度まで失くし物が出てくる(実質は3度)などと言う奇跡は「そうそう有るもんじゃ無い」。この事があって以来、今まで一つだった家の鍵を「2つ、しかも一つは財布に付け、もう一つは別のポケットに入れて」紛失対策に念を入れたのは言うまでもない。鍵とクレジットカードは「絶対失くしちゃダメ!」というのは独り暮らしの老人にとっては命の次に大事である。
対策は、移動する時には必ず触ってある事を確認!、ですね。
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