ついに「D・ローズ」が完全復活した!
全世界のNBAファンが待ち望んでいたデリックの復活劇は、宿敵ユタ・ジャズとの死闘で始まった!。前半快調に得点を積み上げてリードしたウルブスは、第一Qを32対25と7点リード、第二Qを33対31と2点リードで、都合9点差まで広げてジャズを抑え込んでいた。が、第三Qで36対40と逆に4点をつめられて、いよいよ5点差までにジャズが迫ってきた。まあバスケットの5点差というのは「あっという間」でもあるし、「なかなか逆転できない」点差でもある。ジャズのしぶとい猛攻に追い上げられて、果たして第四Qはどうなるのか?、と試合は一気にヒートアップしてきたが、一方デリックの得点がグングン伸びて35ポイントまで来ていたのだ。これは何かが起きると期待させる数字である。
第一Qから見ていくと、デリックは最初はジャンプシュートをミスしたが、次のタウンズからのパスを受けて3ポイントを決めると立て続けにレイアップを決めて5得点、その間にタージ・ギブソンやタウンズも決めて、又してもデリックのカットインからのジャンプシュートが華麗に決まる。この辺りで既に往年のキレが戻ってきている印象である。その後も一進一退の展開で、デリックは何度かフリースローを決めるが決定率は余り完璧ではない。彼のキャリアスタッツはフロースロー82%だが、この日は72%とちょっとガードとしては高くない数字だ。デリックの合計得点は13点である。まあ序盤はいくつかミスもあり、相手のルビオ(元ウルブス)を完全に抑え込む、というところまでにはディフェンスが出来てなかった。これはデリックの抱える課題が見えてきているとも言える。パスをカットされてのターンオーバーや、ボールハンドリングをミスって相手に取られたり、周囲のメンバーを有効に使うなどのテクニックの面が「今ひとつ」という印象である。これは全盛期のシカゴでも見られたことなので今更どうのこうのではないが、結局「最後は自分」で行くタイプなのでそうなるのだろう。これがサイズがアデトクンポやレブロンのように大きければ問題ないが、デリックは小さいので「よりスピードで勝負」しなくてはならない。それで最後のシュートのところでブロックされるから、よりステップやコース取りなどの工夫が必要なのである。ボストンのアービングも同じく、小さいがゆえに難しいシュートを決めるしかない、ということになる。やっぱりガードはパスセンスとチームメイトとの連携に才能を発揮するタイプのほうが、長持ちするのではないだろうか。せめてジェームス・ハーデンぐらいの身長があればよかったが、無い物ねだりをしてもしょうがない。
第二Qはタウンズの活躍で何とか凌ぐが、やや押され気味である。ミネソタは相変わらずシュートがあまり決まらないが、ジャズも波に乗り切れずにいたので助かった感じである。要するに強いチームというのは試合運びに余裕が感じられるものだが、今のウルブスにはそこまでの力は無い。ジミー・バトラーは休養と出ていたが、彼がいればもう少しボールが動いて攻撃にも幅が出てくる筈である。彼は今季限りでフリーエージェントになるので、ウルブスを出て他チームに移籍するとニュースは伝えているが、シカゴから西地区のウルブスに来たのもシボドー以下シカゴのメンバーがそっくり移ってきているからなので、古くからいるミネソタ組とは「ソリ」が合わないのだろう。都会のシカゴに比べたら田舎のミネソタでは色んな点で不満が出てくる。タウンズやウィギンスとの確執も噂されているので、ここは「バトラー抜き」でジャズを倒した、というのは大きいのじゃないだろか。
第三Qはハーフタイムショーを挟んでデリックのジャンプシュートから始まった。これで18ポイントである。その後も得点を重ねて2回に1回の割で決めていく。ボストンからカイリー・アービングと交換でアイザイアと一緒にクリーブランドにトレードされたジェイ・クラウダーが出てきて、割と頑張っているのは見ていても楽しい。NBAはチーム間の移籍が結構多いので気をつけて見ているが、去年はミネソタを応援していたので、元ミネソタ選手はどうしても目に付いてしまう。サクラメントに行ったネマンジャ・ビエリッツアは、今やスターターで活躍してるし、クリーブランドでくすぶっていたイマン・シャンパートも今日はスターターで頑張っているので、余り興味のなかったチームでも「移籍で印象が変わる」というのは面白い。まあアメリカに住んで地元のチーム愛に燃えているコアなファンとは一線を画しているわけなので、好きな選手を自由に応援して楽しんでいるのである。こういう「変なファン」が日本には多いかも知れない。そりゃあ「やはりチームより選手でしょう!」というミーハーはとても多いのだ。NBAに限らず、サッカーでもゴルフでも私は選手個人に興味があるので、どちらかと言うと「個人の身体能力や人間性」に惹かれることが多い。特にデリックのように陽の当たるスター街道から怪我で一気に戦力外まで落ちた選手が、奇跡的に復活する姿には感動するのである。
さて第四Qは、ジャズのエクサムによるシュートミスから始まった。ウルブスもミスが続く。そしてクラウダーの3ポイントが決まって102対101とユタに逆転されてしまう。続いてエクサムのドライビング・レイアップで104対101と、ここぞとばかりにジャズは得点を重ねて引き離しにかかる。こうなったらジャズに一日の長が出てしまうのだ。去年のプレーオフでもやられているから、強いチームというのはこの辺のギアの上げ方が実に上手い。それでもウィギンスが3ポイントで食らいついているのは、ウルブスも成長していると言える。難しい一進一退のゲームであるが、何故かデリックのターンオーバーが目立つのだ。これで「5ターンオーバー」というのは流石に多すぎる。普通ならベンチに引っ込めるところだが、この日はガードのジェフ・ティーグが休んでいるので他にいないのだ。この後シュートブロックに会って倒れ込む時に味方と接触して頭を打ったが、ふらつきながら立ち上がりフリースローを決める。観客も心配そうに見ていたが、立ち上がったので拍手喝采が沸き起こる。これで奮起してランニングジャンプシュートとフリースローを決めた辺りから、デリックが「ゾーン」に入ってくるのが私にも分かった。そしてフリースローを2度挟んでドライブからレイアップを決めると、とうとう「41点と大台」に乗ってきた。しかも110対110の同点になり、チームもこうなるとデリック、デリックの大合唱が後押しする。こうなればもうこっちのもの、あとはデリック・ローズのショウタイムである。
キャリアハイの50点を見事達成したあとコートで涙を流したデリックは、長いリハビリの苦労を跳ね返して、またNBAの頂点に立とうとしている。彼の復活に多くのバスケットファンが喝采を送った裏には、2011年に史上最年少でMVPを取った時の「輝ける過去」の映像が蘇ってきたからだろう。そしていま彼がまた「新しい未来」へと一歩を踏み出したのである。怪我で充分に動けない時期、ニューヨーク、クリーブランドと渡り歩いて不遇のドン底に沈んだ彼は、ミネソタに来た時には収入もベテラン最低年棒で我慢せざるを得なかった。それでも試合に出ることを選んだのは「決して諦めない」という強い信念に支えられた、彼の「バスケット愛」である。ついに神は、努力する者を見捨てなかった!
今日、この素晴らしい瞬間にネット経由ではあるが立ち会えた私は、MACの「画面に向かって」こう言った、
「デリック・ローズよ、今年一番の感動をありがとう!」
全世界のNBAファンが待ち望んでいたデリックの復活劇は、宿敵ユタ・ジャズとの死闘で始まった!。前半快調に得点を積み上げてリードしたウルブスは、第一Qを32対25と7点リード、第二Qを33対31と2点リードで、都合9点差まで広げてジャズを抑え込んでいた。が、第三Qで36対40と逆に4点をつめられて、いよいよ5点差までにジャズが迫ってきた。まあバスケットの5点差というのは「あっという間」でもあるし、「なかなか逆転できない」点差でもある。ジャズのしぶとい猛攻に追い上げられて、果たして第四Qはどうなるのか?、と試合は一気にヒートアップしてきたが、一方デリックの得点がグングン伸びて35ポイントまで来ていたのだ。これは何かが起きると期待させる数字である。
第一Qから見ていくと、デリックは最初はジャンプシュートをミスしたが、次のタウンズからのパスを受けて3ポイントを決めると立て続けにレイアップを決めて5得点、その間にタージ・ギブソンやタウンズも決めて、又してもデリックのカットインからのジャンプシュートが華麗に決まる。この辺りで既に往年のキレが戻ってきている印象である。その後も一進一退の展開で、デリックは何度かフリースローを決めるが決定率は余り完璧ではない。彼のキャリアスタッツはフロースロー82%だが、この日は72%とちょっとガードとしては高くない数字だ。デリックの合計得点は13点である。まあ序盤はいくつかミスもあり、相手のルビオ(元ウルブス)を完全に抑え込む、というところまでにはディフェンスが出来てなかった。これはデリックの抱える課題が見えてきているとも言える。パスをカットされてのターンオーバーや、ボールハンドリングをミスって相手に取られたり、周囲のメンバーを有効に使うなどのテクニックの面が「今ひとつ」という印象である。これは全盛期のシカゴでも見られたことなので今更どうのこうのではないが、結局「最後は自分」で行くタイプなのでそうなるのだろう。これがサイズがアデトクンポやレブロンのように大きければ問題ないが、デリックは小さいので「よりスピードで勝負」しなくてはならない。それで最後のシュートのところでブロックされるから、よりステップやコース取りなどの工夫が必要なのである。ボストンのアービングも同じく、小さいがゆえに難しいシュートを決めるしかない、ということになる。やっぱりガードはパスセンスとチームメイトとの連携に才能を発揮するタイプのほうが、長持ちするのではないだろうか。せめてジェームス・ハーデンぐらいの身長があればよかったが、無い物ねだりをしてもしょうがない。
第二Qはタウンズの活躍で何とか凌ぐが、やや押され気味である。ミネソタは相変わらずシュートがあまり決まらないが、ジャズも波に乗り切れずにいたので助かった感じである。要するに強いチームというのは試合運びに余裕が感じられるものだが、今のウルブスにはそこまでの力は無い。ジミー・バトラーは休養と出ていたが、彼がいればもう少しボールが動いて攻撃にも幅が出てくる筈である。彼は今季限りでフリーエージェントになるので、ウルブスを出て他チームに移籍するとニュースは伝えているが、シカゴから西地区のウルブスに来たのもシボドー以下シカゴのメンバーがそっくり移ってきているからなので、古くからいるミネソタ組とは「ソリ」が合わないのだろう。都会のシカゴに比べたら田舎のミネソタでは色んな点で不満が出てくる。タウンズやウィギンスとの確執も噂されているので、ここは「バトラー抜き」でジャズを倒した、というのは大きいのじゃないだろか。
第三Qはハーフタイムショーを挟んでデリックのジャンプシュートから始まった。これで18ポイントである。その後も得点を重ねて2回に1回の割で決めていく。ボストンからカイリー・アービングと交換でアイザイアと一緒にクリーブランドにトレードされたジェイ・クラウダーが出てきて、割と頑張っているのは見ていても楽しい。NBAはチーム間の移籍が結構多いので気をつけて見ているが、去年はミネソタを応援していたので、元ミネソタ選手はどうしても目に付いてしまう。サクラメントに行ったネマンジャ・ビエリッツアは、今やスターターで活躍してるし、クリーブランドでくすぶっていたイマン・シャンパートも今日はスターターで頑張っているので、余り興味のなかったチームでも「移籍で印象が変わる」というのは面白い。まあアメリカに住んで地元のチーム愛に燃えているコアなファンとは一線を画しているわけなので、好きな選手を自由に応援して楽しんでいるのである。こういう「変なファン」が日本には多いかも知れない。そりゃあ「やはりチームより選手でしょう!」というミーハーはとても多いのだ。NBAに限らず、サッカーでもゴルフでも私は選手個人に興味があるので、どちらかと言うと「個人の身体能力や人間性」に惹かれることが多い。特にデリックのように陽の当たるスター街道から怪我で一気に戦力外まで落ちた選手が、奇跡的に復活する姿には感動するのである。
さて第四Qは、ジャズのエクサムによるシュートミスから始まった。ウルブスもミスが続く。そしてクラウダーの3ポイントが決まって102対101とユタに逆転されてしまう。続いてエクサムのドライビング・レイアップで104対101と、ここぞとばかりにジャズは得点を重ねて引き離しにかかる。こうなったらジャズに一日の長が出てしまうのだ。去年のプレーオフでもやられているから、強いチームというのはこの辺のギアの上げ方が実に上手い。それでもウィギンスが3ポイントで食らいついているのは、ウルブスも成長していると言える。難しい一進一退のゲームであるが、何故かデリックのターンオーバーが目立つのだ。これで「5ターンオーバー」というのは流石に多すぎる。普通ならベンチに引っ込めるところだが、この日はガードのジェフ・ティーグが休んでいるので他にいないのだ。この後シュートブロックに会って倒れ込む時に味方と接触して頭を打ったが、ふらつきながら立ち上がりフリースローを決める。観客も心配そうに見ていたが、立ち上がったので拍手喝采が沸き起こる。これで奮起してランニングジャンプシュートとフリースローを決めた辺りから、デリックが「ゾーン」に入ってくるのが私にも分かった。そしてフリースローを2度挟んでドライブからレイアップを決めると、とうとう「41点と大台」に乗ってきた。しかも110対110の同点になり、チームもこうなるとデリック、デリックの大合唱が後押しする。こうなればもうこっちのもの、あとはデリック・ローズのショウタイムである。
キャリアハイの50点を見事達成したあとコートで涙を流したデリックは、長いリハビリの苦労を跳ね返して、またNBAの頂点に立とうとしている。彼の復活に多くのバスケットファンが喝采を送った裏には、2011年に史上最年少でMVPを取った時の「輝ける過去」の映像が蘇ってきたからだろう。そしていま彼がまた「新しい未来」へと一歩を踏み出したのである。怪我で充分に動けない時期、ニューヨーク、クリーブランドと渡り歩いて不遇のドン底に沈んだ彼は、ミネソタに来た時には収入もベテラン最低年棒で我慢せざるを得なかった。それでも試合に出ることを選んだのは「決して諦めない」という強い信念に支えられた、彼の「バスケット愛」である。ついに神は、努力する者を見捨てなかった!
今日、この素晴らしい瞬間にネット経由ではあるが立ち会えた私は、MACの「画面に向かって」こう言った、
「デリック・ローズよ、今年一番の感動をありがとう!」
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