ゴルフの練習は一つの趣味である。趣味というのは好きだから続く。何故好きかと言うと、心のなかで「自分は上手い筈」と思っているからだ。そもそも練習場でナイスショットが一度も出なければ、ゴルフみたいに「金も時間もかかる遊び」をやろうとは思わないであろう。普通にゴルフをやる人は、自分なりの「ナイスショット」を打った経験が必ずある筈である。そして、「こんなショットを打てるんだ」と思った瞬間、その人は内心「俺って上手いのかも?」と考えたに違いない。これは練習場でたまたま出たナイスショットを、自分の「隠された実力」だと勘違いした場合も含めてである。「このショットが毎回打てたら、俺はすぐにでも70台が出るのになぁ」、と勝手に思う。本当は上手いのに実際には結果が思った通りにいかない理由は、「練習が足りないから」に違いないと考えるのは、ある意味自然な流れなのだ。
たまたま打った球が、狙った通りの弾道で目標とする場所に落ちたりすれば、「よし、もう一回!」と打ってみる。勿論、球は明後日の方向に飛んでいく。「あれ?、おかしいな?」と打ち直してチョロやスライスが出続ければ、自分の打ったナイスショットは「どうして出たのだろう」と考えて不思議ではない。球は物理の法則に従って飛んでいき、「必然」の結果として狙ったところと違うところに着弾する。打った球の飛び方には、必ず「そうなるような理由」がある筈だ。問題は、その必然の結果を正しい目標に合わせるためには「何をどう修正しなければならないか」、である。
ここからアマチュア・ゴルファーが自分のスイングについてどう考えているか、で結果に違いが現れる。
1、間違ったスイングを教えられて泥沼から抜けられない人
この間違ったスイングとは例えば、インパクトでクラブフェースを「ボールの真下に鋭角に入れる」のが正しいと思っていることである。これを追求している限りは、ゴルフは決して上手くならない。これに限らず色々な勘違いがゴルフには多く存在するが、今までは「間違ったスイング理論」を必死に練習して上達しない人が余りにも多かった。今でも練習場に行くと無茶苦茶やってるオジサンがいるが、こういう昭和のゴルファーは流石に減って来たように思う。今はちょっと先輩のアマチュアゴルファーに教えてもらうといった仲間内でのレッスンよりも、ゴルフ場に所属している個人のインストラクターとか、ちゃんとしたゴルフのレッスンスタジオに行く人が増えたのは良いことである。テレビでプロのスイングを見て真似するのは勿論だが、最近はネットでレッスン動画を見たりして、「YouTube で勉強する」人が多くなったのは今風のトレンドである。ゴルフでは、素人考えの「お手軽指導」が一番上達の邪魔なのだ。曰く、「頭が動いた」とか「シャフトがクロスした」とか「体重移動が出来ていない」とか、色々である。その多くは「原因ではなく、結果に過ぎない」場合が殆どなのに、素人は形だけ真似て「見た通りに実行しようとして」失敗しているように思う。正しく行うには「別のところ」を治さねばならないことが多いのだが、それが分かっていないために「いつまでたっても治らない」のだ。解決策は、まず「今やっていることを疑ってみる」ことである。
ちなみに私は、この段階は「とっくに過ぎた」と思っている。
2、正しいスイングが分からなくて、色々と模索している人
自分のゴルフが上達しないと悩んでいる人は、色んな人にスイングについて質問をすると思う。その時、教えてもらったやり方が正しいか正しくないかを見分けるポイントは、自分が過去に打った「ナイスショット」より素晴らしいショットが打てるかどうかである。当人にとっての理想の球というのは、この「過去のナイスショット」が基準になっている。だから、そのナイスショットが「間違った方法で、たまたま真っ直ぐ飛んだ」ような場合は、正しいスイング理論を受け入れるのに時間がかかる。間違って飛んで行ったナイスショットを上手に再現するのは、いくら正しい理論だと言っても難しいのだ。それに新しい理論は、すぐに実行できるわけではない。そして、正しい理論で自分の打ったことのあるナイスショットを超えるショットが打てないと、なかなか新しいスイング理論は受け入れられない。さらに、ゴルファーが長い間ナイスショットを打てないと、「この打ち方でいいんだろうか」と悩み始めるのである。最後には、今練習している理論を捨てて、正しい方法が「別にある筈だ」と考えるしまうのだ。これは「理論が正しければ、結果も良い筈」との思い込みから生まれる過ちである。勿論、間違った理論も世の中にはいっぱいあり、スイング理論書は玉石混交、まさに花盛りの状態だ。例えて言えば、ハンドファーストとダウンブローは、どの理論でも推奨されていて、この点では各理論は一致している。だが、どうすれば「ハンドファーストとダウンブローになるか」については、現在でも百花繚乱の状態なのだ。その中から「どの正しいスイング理論」を選ぶか。それが、あなたが上手になるか下手なままで終わるかの分かれ道である。
ちなみ現在の私のお勧めは、YouTube の「ちゃごる理論」で決まりだ!。
3、正しいスイングが分かったとして、それを実行できるかどうかは「あなた次第」だ、という事実に気が付いた人
これはゴルフがスポーツであることの宿命だ。バックスイングで上体を「90度ひねり・・・」と言われても、実際に90度捻れる人は「相当身体が柔らかい人」である。これは70才過ぎた年寄ゴルファーには、単なる「苦痛」以外の何物でもない。それを無理して上げようとするから、その後のダウンスイングが「思ったように振り下ろせない」のだ。正しい理論が見つかっても、もうそれを実行できない身体になってしまっている可能性があるのだ。私も正しい理論を見つけようと色々調べ始めたのは、思えば病気をしてリハビリがてらにゴルフを再開した「65才過ぎ」である。遅すぎたのだ。思うに年取って身体が固くなった人は、理想のスイングを実現しようなどと考えずに、インパクトの「当て方」以外は、出来ることだけやることである。テレビの番組に「ゴルフ侍、見参!」というのがあるが、出てくるアマチュアには綺麗なスイングをした人がとても少ないように思う。これは出てくる人がシニア・プレーヤーの昭和世代ということもあり、まともな理論も無いまま天性の技術だけで上手くなった人達、ということが理由だろう。こういうシングルさんには、上手くなる秘訣など「聞いてはいけない」と心すべし。何故なら彼らは、ゴルフの理論など「全く知らない」のだ(驚愕の事実!、ではない)。知らない人にゴルフ理論など聞くのが、そもそも無駄であろう。結局、70才を過ぎた我々がゴルフの練習で目指すところは、「正しい理論」をキチンと理解し、それが実際に出来ることと自分に取っては実行するのが難しいことに分けて、自分に取って可能な範囲で「インパクトに集中」することしかない。インパクトこそ、我々が目指すべき「最後の砦」である(つまり飛距離は諦めよ、という事である)。
さて、正しいインパクトとはなんぞや。
最近私が思っているベスト・インパクトは、ボールがフェアウェイにあるとして、クラブヘッドが緩やかに下りてきて「クラブフェースがボールの赤道(または、赤道のすぐ下)」に当たること、である。ヘッドスピードが十分速ければ、スピンがかかって美しい弾道で飛んでいく。もし私のようなヘッドスピードの遅いゴルファーが同じ様にベスト・インパクトでヒットすれば、ボールはポーンと上がって「すぐ落ちる球」になる。しかし、これでガッカリしてはいけない。私にしては、見事なショットを打ったのである。要は、ヘッドスピードが遅いだけ。それで満足できるかどうかは、「あなた次第」なのである。・・・残念!
ひたすら理想を追い求めて練習に明け暮れているにも関わらず、一向にナイスショットが打てない私は「何を信じて練習」すればいいのだろうか?
私は50才の頃、調布に住んでいて、通勤途上の「柴崎の短いゴルフ練習場」でよく練習していた。そこのレッスンプロがある時練習している私のそばに来て、「ハーフウェイダウンでクラブフェースを下に向ける」よう教えてくれたのである。私が半信半疑で言われた通りにクラブをひっくり返して打ったところ、アイアンの飛距離が「2番手」伸びて、7番アイアンで150ヤードも飛んだのである!。私は「こりゃあ凄い!」と有頂天になったのだが、その時分ドライバーは240ヤードくらい飛んでいて、実はアイアンだけが飛距離が足りなかったのである。つまり真実は、インパクトでアイアンのロフトが「2番手くらい開いていた」のに過ぎなかったのだ。正常なハンドファースト・インパクトでクラブフェースがボールを捉えていれば、当時のヘッドスピード(コトブキゴルフで測って貰ったら45mあった)なら、7番で170ヤードくらいは飛んでいただろう。ヘッドスピード38mの私の力でさえ、7番アイアンで目一杯飛ばせば、150ヤードはカスカス届いてくる筈である。
つらつら考えれば、もうアイアンの飛距離は十分なのではないだろうか。私が欲しいのは「ドライバーの飛距離」であり、ウッドやロングアイアンの正確性である。飛距離が足りなければ、長いクラブで正確にグリーンを狙うしかない。それが年寄りゴルファーの戦略なのである。若者はどうしても「曲がってOB」というのが避けられない。そもそも真っ直ぐ打つ技術がないのである。というか、有り余った体力で思いっきりぶん回せば、ボールは勝手に飛んでゆくと思っている。ゴルフは平らなクラブフェースで、ボールの「ある一つのディンプル」を打つゲームだと私は思う。ゴルフは、それが分かるまでに「相当な時間と労力」が必要なゲームなのだ。もしそれが自在にできたら、初めて「ゴルフを極めた」と言えよう。但し、練習場でマットの上のボールを打つ、としてだが。・・・だから私は「コースに行くより、練習場が好き」なのである。
川上哲治は自身の調子がいい時は、飛んでくるボールが止まって見えた、という。私もよく振れていると感じた日には、ボールが「大きく見える」と思う時があった。ボールだけが視界の中にあり、それ以外は何も意識していない「無の境地」になれたのである。その日、ハーフ41という私にとっての「最高スコア」が出た!(10年も前のことだが)。今は何とかこのスコアを超えられるようにと、練習に励んでいる毎日である。ドライバーはようやく220ヤードくらいまで伸びてきた。ドライバーで何とかフェアウェイに打てれば、370ヤード・パー4で残りは150ヤードである。今私のゴルフで目指すのは、この150ヤードをグリーンオンさせることなのだ(何とカッコイイ言葉だろうか!)。練習場で打っているヤーデージで考えたら、6番アイアンで打てるから「決して難しいこと」ではない。
だからこの頃は、練習場で闇雲にボカスカ打つばかりの「筋トレ」まがいの練習ではなく、1打1打に目的を持つ「丹念な練習」が大事だと思っている。そこで私が今考えている練習のポイントを書き出してみよう。
1、バックスイングの目的
あくまでダウンスイングとインパクトに向けて「クラブを正しい軌道に乗せる」のが目的である。勿論、シャフトを正常にしならせることも大事であるが、一番のポイントは「これから打つぞ」という態勢づくりにあると思う。力が十分に入ってスムーズにインパクトまでクラブを振り下ろせれば、細かいことは放っておいて良いと考えている。インパクトで理想の形が出来るように逆算してトップの位置を決めたら、そこに行くまでは「それ程細かく考える必要」は、今の所考えていない。
2、インパクトは、ボールに力を最大限に加える場所
スイングで一番のポイントは、間違いなく「インパクト」である。他の何がどうであっても、インパクトさえ正しく当たっていれば、球は思った方向に飛んでゆく。だが、毎回正しく当たる為には、それなりに正しくスイングしなくてはならないのは当然だ。特にインパクトで気を付けているのは、最も「力が入る形」で打つ、ということである。以前はボールを真上から見て、正面でボールを打つのが正しいと思っていた。だが、それでは「100%の力」は入らない。やはりボールは左に置いて、右側から打つのが物理の法則上「最も力が入る形」である。
3、リリース&フィニッシュ
最後にある意味キーポイントだと思うのは、私の欠点である「リリースとフィニッシュ」である。それは私がインパクトを重視する余り、スイングが「当てることで終わり」になってしまうことにあると思っている。インパクトで力が十分伝わっていれば、放っといてもクラブは首に巻き付いてくる筈なのだ。それが途中で止まってしまうのは、インパクトで「十分に力が出し切れていない」ことになる。クラブの軌道が正しく取れているか、ということもあるが現段階ではまず、「力を出し切って振り切る」ことを目指したい。当てることばかり考えているとフォームが小さくなって、結局飛距離が出ない「綺麗だけど力感がない」残念なゴルフになってしまう。年をとって飛距離が落ちるのは仕方がないが、それなりの飛距離は「出来る限り」飛ばしたい。「飛ばし」はゴルフの最大の魅力である。私だって同年代の仲間には、「飛距離で負ける」わけにはいかないのだ。そこそこ同じくらいの場所に落ちて、2打目でグリーンオンさせるのが「勝負」である(勿論、寄せワンを極めるのもゴルフの醍醐味ではある)。もしセカンドでグリーンに乗せられたら、どんなにかゴルフが楽しくなるだろう。そんなラウンドを夢見て、私は今日も練習場に行くのだ。・・・で、球は思い通りにコントロールできんの?、という意地悪な質問にはこう答えることにしておこう。
夢は、達成できないから美しい。
たまたま打った球が、狙った通りの弾道で目標とする場所に落ちたりすれば、「よし、もう一回!」と打ってみる。勿論、球は明後日の方向に飛んでいく。「あれ?、おかしいな?」と打ち直してチョロやスライスが出続ければ、自分の打ったナイスショットは「どうして出たのだろう」と考えて不思議ではない。球は物理の法則に従って飛んでいき、「必然」の結果として狙ったところと違うところに着弾する。打った球の飛び方には、必ず「そうなるような理由」がある筈だ。問題は、その必然の結果を正しい目標に合わせるためには「何をどう修正しなければならないか」、である。
ここからアマチュア・ゴルファーが自分のスイングについてどう考えているか、で結果に違いが現れる。
1、間違ったスイングを教えられて泥沼から抜けられない人
この間違ったスイングとは例えば、インパクトでクラブフェースを「ボールの真下に鋭角に入れる」のが正しいと思っていることである。これを追求している限りは、ゴルフは決して上手くならない。これに限らず色々な勘違いがゴルフには多く存在するが、今までは「間違ったスイング理論」を必死に練習して上達しない人が余りにも多かった。今でも練習場に行くと無茶苦茶やってるオジサンがいるが、こういう昭和のゴルファーは流石に減って来たように思う。今はちょっと先輩のアマチュアゴルファーに教えてもらうといった仲間内でのレッスンよりも、ゴルフ場に所属している個人のインストラクターとか、ちゃんとしたゴルフのレッスンスタジオに行く人が増えたのは良いことである。テレビでプロのスイングを見て真似するのは勿論だが、最近はネットでレッスン動画を見たりして、「YouTube で勉強する」人が多くなったのは今風のトレンドである。ゴルフでは、素人考えの「お手軽指導」が一番上達の邪魔なのだ。曰く、「頭が動いた」とか「シャフトがクロスした」とか「体重移動が出来ていない」とか、色々である。その多くは「原因ではなく、結果に過ぎない」場合が殆どなのに、素人は形だけ真似て「見た通りに実行しようとして」失敗しているように思う。正しく行うには「別のところ」を治さねばならないことが多いのだが、それが分かっていないために「いつまでたっても治らない」のだ。解決策は、まず「今やっていることを疑ってみる」ことである。
ちなみに私は、この段階は「とっくに過ぎた」と思っている。
2、正しいスイングが分からなくて、色々と模索している人
自分のゴルフが上達しないと悩んでいる人は、色んな人にスイングについて質問をすると思う。その時、教えてもらったやり方が正しいか正しくないかを見分けるポイントは、自分が過去に打った「ナイスショット」より素晴らしいショットが打てるかどうかである。当人にとっての理想の球というのは、この「過去のナイスショット」が基準になっている。だから、そのナイスショットが「間違った方法で、たまたま真っ直ぐ飛んだ」ような場合は、正しいスイング理論を受け入れるのに時間がかかる。間違って飛んで行ったナイスショットを上手に再現するのは、いくら正しい理論だと言っても難しいのだ。それに新しい理論は、すぐに実行できるわけではない。そして、正しい理論で自分の打ったことのあるナイスショットを超えるショットが打てないと、なかなか新しいスイング理論は受け入れられない。さらに、ゴルファーが長い間ナイスショットを打てないと、「この打ち方でいいんだろうか」と悩み始めるのである。最後には、今練習している理論を捨てて、正しい方法が「別にある筈だ」と考えるしまうのだ。これは「理論が正しければ、結果も良い筈」との思い込みから生まれる過ちである。勿論、間違った理論も世の中にはいっぱいあり、スイング理論書は玉石混交、まさに花盛りの状態だ。例えて言えば、ハンドファーストとダウンブローは、どの理論でも推奨されていて、この点では各理論は一致している。だが、どうすれば「ハンドファーストとダウンブローになるか」については、現在でも百花繚乱の状態なのだ。その中から「どの正しいスイング理論」を選ぶか。それが、あなたが上手になるか下手なままで終わるかの分かれ道である。
ちなみ現在の私のお勧めは、YouTube の「ちゃごる理論」で決まりだ!。
3、正しいスイングが分かったとして、それを実行できるかどうかは「あなた次第」だ、という事実に気が付いた人
これはゴルフがスポーツであることの宿命だ。バックスイングで上体を「90度ひねり・・・」と言われても、実際に90度捻れる人は「相当身体が柔らかい人」である。これは70才過ぎた年寄ゴルファーには、単なる「苦痛」以外の何物でもない。それを無理して上げようとするから、その後のダウンスイングが「思ったように振り下ろせない」のだ。正しい理論が見つかっても、もうそれを実行できない身体になってしまっている可能性があるのだ。私も正しい理論を見つけようと色々調べ始めたのは、思えば病気をしてリハビリがてらにゴルフを再開した「65才過ぎ」である。遅すぎたのだ。思うに年取って身体が固くなった人は、理想のスイングを実現しようなどと考えずに、インパクトの「当て方」以外は、出来ることだけやることである。テレビの番組に「ゴルフ侍、見参!」というのがあるが、出てくるアマチュアには綺麗なスイングをした人がとても少ないように思う。これは出てくる人がシニア・プレーヤーの昭和世代ということもあり、まともな理論も無いまま天性の技術だけで上手くなった人達、ということが理由だろう。こういうシングルさんには、上手くなる秘訣など「聞いてはいけない」と心すべし。何故なら彼らは、ゴルフの理論など「全く知らない」のだ(驚愕の事実!、ではない)。知らない人にゴルフ理論など聞くのが、そもそも無駄であろう。結局、70才を過ぎた我々がゴルフの練習で目指すところは、「正しい理論」をキチンと理解し、それが実際に出来ることと自分に取っては実行するのが難しいことに分けて、自分に取って可能な範囲で「インパクトに集中」することしかない。インパクトこそ、我々が目指すべき「最後の砦」である(つまり飛距離は諦めよ、という事である)。
さて、正しいインパクトとはなんぞや。
最近私が思っているベスト・インパクトは、ボールがフェアウェイにあるとして、クラブヘッドが緩やかに下りてきて「クラブフェースがボールの赤道(または、赤道のすぐ下)」に当たること、である。ヘッドスピードが十分速ければ、スピンがかかって美しい弾道で飛んでいく。もし私のようなヘッドスピードの遅いゴルファーが同じ様にベスト・インパクトでヒットすれば、ボールはポーンと上がって「すぐ落ちる球」になる。しかし、これでガッカリしてはいけない。私にしては、見事なショットを打ったのである。要は、ヘッドスピードが遅いだけ。それで満足できるかどうかは、「あなた次第」なのである。・・・残念!
ひたすら理想を追い求めて練習に明け暮れているにも関わらず、一向にナイスショットが打てない私は「何を信じて練習」すればいいのだろうか?
私は50才の頃、調布に住んでいて、通勤途上の「柴崎の短いゴルフ練習場」でよく練習していた。そこのレッスンプロがある時練習している私のそばに来て、「ハーフウェイダウンでクラブフェースを下に向ける」よう教えてくれたのである。私が半信半疑で言われた通りにクラブをひっくり返して打ったところ、アイアンの飛距離が「2番手」伸びて、7番アイアンで150ヤードも飛んだのである!。私は「こりゃあ凄い!」と有頂天になったのだが、その時分ドライバーは240ヤードくらい飛んでいて、実はアイアンだけが飛距離が足りなかったのである。つまり真実は、インパクトでアイアンのロフトが「2番手くらい開いていた」のに過ぎなかったのだ。正常なハンドファースト・インパクトでクラブフェースがボールを捉えていれば、当時のヘッドスピード(コトブキゴルフで測って貰ったら45mあった)なら、7番で170ヤードくらいは飛んでいただろう。ヘッドスピード38mの私の力でさえ、7番アイアンで目一杯飛ばせば、150ヤードはカスカス届いてくる筈である。
つらつら考えれば、もうアイアンの飛距離は十分なのではないだろうか。私が欲しいのは「ドライバーの飛距離」であり、ウッドやロングアイアンの正確性である。飛距離が足りなければ、長いクラブで正確にグリーンを狙うしかない。それが年寄りゴルファーの戦略なのである。若者はどうしても「曲がってOB」というのが避けられない。そもそも真っ直ぐ打つ技術がないのである。というか、有り余った体力で思いっきりぶん回せば、ボールは勝手に飛んでゆくと思っている。ゴルフは平らなクラブフェースで、ボールの「ある一つのディンプル」を打つゲームだと私は思う。ゴルフは、それが分かるまでに「相当な時間と労力」が必要なゲームなのだ。もしそれが自在にできたら、初めて「ゴルフを極めた」と言えよう。但し、練習場でマットの上のボールを打つ、としてだが。・・・だから私は「コースに行くより、練習場が好き」なのである。
川上哲治は自身の調子がいい時は、飛んでくるボールが止まって見えた、という。私もよく振れていると感じた日には、ボールが「大きく見える」と思う時があった。ボールだけが視界の中にあり、それ以外は何も意識していない「無の境地」になれたのである。その日、ハーフ41という私にとっての「最高スコア」が出た!(10年も前のことだが)。今は何とかこのスコアを超えられるようにと、練習に励んでいる毎日である。ドライバーはようやく220ヤードくらいまで伸びてきた。ドライバーで何とかフェアウェイに打てれば、370ヤード・パー4で残りは150ヤードである。今私のゴルフで目指すのは、この150ヤードをグリーンオンさせることなのだ(何とカッコイイ言葉だろうか!)。練習場で打っているヤーデージで考えたら、6番アイアンで打てるから「決して難しいこと」ではない。
だからこの頃は、練習場で闇雲にボカスカ打つばかりの「筋トレ」まがいの練習ではなく、1打1打に目的を持つ「丹念な練習」が大事だと思っている。そこで私が今考えている練習のポイントを書き出してみよう。
1、バックスイングの目的
あくまでダウンスイングとインパクトに向けて「クラブを正しい軌道に乗せる」のが目的である。勿論、シャフトを正常にしならせることも大事であるが、一番のポイントは「これから打つぞ」という態勢づくりにあると思う。力が十分に入ってスムーズにインパクトまでクラブを振り下ろせれば、細かいことは放っておいて良いと考えている。インパクトで理想の形が出来るように逆算してトップの位置を決めたら、そこに行くまでは「それ程細かく考える必要」は、今の所考えていない。
2、インパクトは、ボールに力を最大限に加える場所
スイングで一番のポイントは、間違いなく「インパクト」である。他の何がどうであっても、インパクトさえ正しく当たっていれば、球は思った方向に飛んでゆく。だが、毎回正しく当たる為には、それなりに正しくスイングしなくてはならないのは当然だ。特にインパクトで気を付けているのは、最も「力が入る形」で打つ、ということである。以前はボールを真上から見て、正面でボールを打つのが正しいと思っていた。だが、それでは「100%の力」は入らない。やはりボールは左に置いて、右側から打つのが物理の法則上「最も力が入る形」である。
3、リリース&フィニッシュ
最後にある意味キーポイントだと思うのは、私の欠点である「リリースとフィニッシュ」である。それは私がインパクトを重視する余り、スイングが「当てることで終わり」になってしまうことにあると思っている。インパクトで力が十分伝わっていれば、放っといてもクラブは首に巻き付いてくる筈なのだ。それが途中で止まってしまうのは、インパクトで「十分に力が出し切れていない」ことになる。クラブの軌道が正しく取れているか、ということもあるが現段階ではまず、「力を出し切って振り切る」ことを目指したい。当てることばかり考えているとフォームが小さくなって、結局飛距離が出ない「綺麗だけど力感がない」残念なゴルフになってしまう。年をとって飛距離が落ちるのは仕方がないが、それなりの飛距離は「出来る限り」飛ばしたい。「飛ばし」はゴルフの最大の魅力である。私だって同年代の仲間には、「飛距離で負ける」わけにはいかないのだ。そこそこ同じくらいの場所に落ちて、2打目でグリーンオンさせるのが「勝負」である(勿論、寄せワンを極めるのもゴルフの醍醐味ではある)。もしセカンドでグリーンに乗せられたら、どんなにかゴルフが楽しくなるだろう。そんなラウンドを夢見て、私は今日も練習場に行くのだ。・・・で、球は思い通りにコントロールできんの?、という意地悪な質問にはこう答えることにしておこう。
夢は、達成できないから美しい。
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