明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

ゴルフの愉しみ(33)NEC軽井沢72の優勝は笹生優花!

2020-08-16 20:09:37 | スポーツ・ゴルフ
1、笹生優花と西郷真央
笹生優花は今年急に出てきた選手のように思われるだろうが、子供の頃から相当活躍してたみたいである。今回もテレビの順位表で見慣れない国旗マークが付いていたので外国籍かと思っていたら、LPGAのホームページでは東京都出身になっていた。父がフィリピン人で母が日本人ということらしいが、とにかく恐ろしいくらいに飛ばす。前回のアース・モンダミンカップでは、ドライビング・ディスタンスがダントツの264ヤードで第一位だった。今回二日目のスターティングホールのティーショットをテレビで見たが、ボールはラフに行ったにも関わらず「飛距離が299ヤード」も飛んでいたのだ!。愕然!、悪夢!、女子の中に男子が一人入っているみたいなもんである。こうなると、もはや出場選手の中には相手になる選手はいない。アメリカじゃ年間平均ドライビング・ディスタンスが295ヤードという、化物のような女子選手がいるというが、この調子で飛距離が伸びてくると、今に女子でも300ヤードが当たり前の凄い時代になるんだろうか。

飛距離が伸びた裏には身体もそうだが、道具とボールの進化が止まらない。それにしても技術の進化は一番我々アマチュアのシニア老人が恩恵を受けなければならないのに、現実には若いプロばっかりが飛距離を伸ばしているというのはどうにも納得がいかないのだ。せめてレギュラーティをコース長平均300ヤードぐらいの設定で「白ティ」にしてくれればいいのに、と弱気なことを考えたりしてしまう。やっぱりゴルフをやる以上は、我々だってバーディは欲しいのだ。というわけでついつい愚痴が出たが、何と言っても彼女の飛距離は魅力である。西郷真央とともにジャンボ尾崎門下生だそうだから、原英莉花などと一緒の「注目グループ」ということになる。ジャンボに教わっているから飛ぶようになったというわけではなく、元々「飛ばし屋」だから尾崎の門を叩いたということか。

ジャンボはあんまり細かい指導はしないらしいが、練習環境も周りの仲間も「すべて飛ばしに特化した連中」ばかりだから、今の飛距離重視のツアーにピッタシ合っていると言えよう。岡本綾子門下生が森田理香子のイップス引退で消滅した今、急上昇しているのがこの「ジャンボ軍団」である。三觜先生の番組でお馴染みのミツウロコ所属プロ「川崎志穂」もメンバーに入っているらしいが、こっちは目が出るまでには「まだまだ」時間がかかりそう。どっちにしても、これから世界に打って出ようという若い選手には、非常に魅力的なチームである。ゴルフは飛ばしだけではないけれど、別格で飛ぶ人には憧れるのだ(パター名人にも憧れるが)。女子プロで言うならば穴井詩や葭葉ルミといった飛距離自慢の選手がいるが、スイングのスロー映像を見ると、笹生優花は「もう男子そのもの」なのだ(体格も男並み?)。コンパクトなトップからググッとシャフトをしならせてインパクトまで「一気に振ってくる動き」を見たら、米PGAツアープロのトニー・フィナウのスイングを見ているかのような錯覚すら覚えるくらいである。早速私もスイングを真似することにした(というか、これ無駄なコメント!)。

ちなみに私は、女子プロの中で「飛ばし上等!」と息巻いている選手達を勝手に「ゴリラ軍団」と呼ぶことにしている(井上透コーチの弟子達のネーミングを勝手に使っているので権利関係が発生するかも・・・)。一応現在は、山城奈々・野澤真央・工藤遥加の三人をメンバーに入れて楽しんでいる。この三人は風貌も歩き方も、いかにも「飛ばしてやる!」という雰囲気がガンガンに伝わってきて、これはこれで、ツアーでも「面白キャラ」として注目してみると、一層ゴルフを見るのにも楽しめるから、いいことだと思う。本人たちはどう思っているか知らないが、私はこのネーミング、結構好きである。

それにしても笹生優花の300ヤードドライブには驚いた。その飛ばし屋が、ちょっと小技を覚えると「すぐ優勝」するから、やはり飛距離が最大の武器であることは間違いない。それで海外へ行った日本人が飛距離不足を痛感し、スイング改造して、結局みんなおかしくなって帰ってくる。精度が落ちずに飛距離だけ伸びるならいいのだが、そうは問屋が絶対卸さないよね〜。その人の持つ「能力の限界」以上には、飛距離は伸びないと知るべしである。そういう人は飛距離を伸ばすのではなく、例えば「上原彩子」のように、飛距離が出なくてもシード権ギリギリで頑張ってる姿を見習って欲しいものだ。勿論、毎回上位で優勝争いにからめば言うことはないが、先ずはツアーメンバーでいることが第一ではないだろうか。松山選手の時でもそうなのだが、ちょっと勝ったりするとすぐメジャーがどうたらこうたらと始まって、日本人は何でも騒ぎ過ぎなのが悪い癖である。少しは黙って応援して行こう!。

話が横道にそれてしまったが、笹生優花の出現で「飛ばし屋の争い」も激化してくるのは必至である。2019年の年間スタッツで言えば、穴井・葭葉の前述二人に加えて松田鈴英、原英莉花、テレサ・ルーと、この辺は変わらずに常連が占めている。そして山路晶、野澤真央、比嘉真美子、勝みなみ、ペ・ヒギョンと続くが、勝みなみが意外と飛ぶのには驚いた。まあ、21位の成田美寿々で243ヤードちょっとだから、飛ぶ飛ぶ言ったってやはり女子である。賞金女王の鈴木愛が242ヤードで25位だから、このくらいが優勝するのには丁度いいのだろう。何より飛距離と小技のバランスが重要なのだ。そしてどちらが大事かというと、「飛距離よりパター」である。

ちなみに去年のスタッツでは、フェアウェイキープ率70%以上で240ヤード飛ばす選手は、イ・ミニョンとペ・ソンウの韓国選手二人だけである。飛ばない選手はフェアウェイキープ率がいいのは当たり前と思うが、飛ばない上にフェアウェイキープ率が悪い選手は、結局「ツアーメンバーには入れない」だけなのである。飛ばなくたって左右に曲がる選手は大勢いるのだ。ちょっと安心する。まあ、このへんの両立が難しいのだろうと思う。ところで、成田美寿々がドライバーの絶不調で2試合連続してゴルフにならない状態が続いていると言うから、ちょっと心配である。何しろ「どう振ったらいいか分からなくなった」というから、相当な重症であるのは間違いがない。私がシャンク病になった時は「どう振っても」全部シャンクしてしまうので、成田美寿々も同じ気持ちなのだろう(同じにするな!)。成田は穴井と共に「チーム井上透」の中心選手だから、多分今頃は必至に修正に取り組んでいるのだろう。が、ショットが曲がる原因は意外と簡単に修正できても、大勢の観客の前でティーショットするという「心理的なプレッシャー」は別問題である。そこがイップスの根の深いところなんだけど・・・。

2、セキ・ユウティンが巨大化している
久しぶりに見るセキ・ユウティンは、腕とか脚とか全体に巨大化していた!。オフシーズンに猛烈に筋肉トレーニングしたせいだと思うが、これは彼女の並々ならぬプロ意識の表れであると見た。顔はお人形さんのように可愛いが、気持ちと肉体は「ゴリゴリの体育会系」なのだ。私は米ツアーの「デシャンボーの女版」を想像したが、当たらずと言えども遠からずだと思っている。うら若き女性の身でありながら「女を捨てることにした」彼女の決意の裏には、ゴルフという戦闘ゲームに敢然と挑む「バイオハザードのミラ・ジョボヴィッチの姿」が見え隠れしているのだった!。とまあ、ちょっと持ち上げ過ぎのような気がしないでもないが、笹生優花といいセキ・ユウティンといい、こういう本気モード全開のアスリートが続々と出てくるようであれば、日本の女子ゴルフもますます隆盛間違いなしである。ハッキリ言おう、これからの女子ゴルフに「可愛い」とか「涙」は全く必要な〜い!

3、安田祐香は小学生並の細い腕
一方、殆ど筋肉というものがなさそうに見えるのが安田祐香だ。ハッキリ言って彼女の腕の細さは「医療レベル、または難民レベル」の細さである。とにかく傍目には、筋肉の存在が「全然見えない」から驚くではないか。それでいて飛距離は240ヤードだと言うから「なんでそんなに飛ぶの?」と不思議に思う。いくら腕力は飛距離に関係ないとはいえ、デシャンボーやケプカの巨大な腕を見ている我々からすれば、何かマジックでも見せられているような違和感がある。実際間近で見れば少しはイメージが変わるのかもしれないが、総じて女子プロの飛距離というのは謎なのだ。安田のスイングを見ても、参考にする「これだと言うポイント」が、中々見つからない。鶴岡果恋もまあまあ腕が細いが、普通よりかは「ちょっと太いかな?」という気がする。その点、安田祐香の腕は「クラブを振っている選手の腕には到底見えない」のだから大丈夫かなと思ってしまう。何か家系的に太れないのだろうか。「おでぶちゃん」酒井美紀の余っているお肉を、少しでも分けてあげられたらいいのに、と思う。まあ、ツアープロになったわけだから色々と考えてはいるだろうが、シード選手の中には彼女のような「か細い選手」は見当たらないから、今後の変化を待つしかないだろう。もしかしたら「食が細い」体質なのかも知れない。こないだは腰が痛いとか言っていたそうだから、結構無理してるのかも。プラチナ世代とか言ってマスコミや経済界からの彼女への期待が大きいだけに、怪我をしない程度にやって欲しい。

速報:今回はミレニアム世代の笹生優花が、コースレコードタイの圧倒的破壊力で優勝した
彼女の優勝は、ある程度当然とも言える部分があったわけだが、私的には応援している選手が予選落ちした事のほうがインパクトがあった。小祝さくら、三ヶ島かな、エイミー・コガ、松森彩夏、堀琴音、福田真未など、普段なら予選通過などは当たり前とも思える選手達が続々落ちてしまったのは悲報である(松森彩夏と堀琴音は、まあ仕方ないかも)。トーナメント開催がコロナで少ない中、出来れば次回には本来の実力を発揮してほしいものである。更には、ビッグネームと言われる選手が同じく予選落ちしているのは驚きだ。岡山絵里、穴井詩、横峯さくら、李知姫、原江里菜、上田桃子、原英莉花、新垣比菜、テレサ・ルー、柏原明日架など、これらの実力者は予選落ちしたりする選手ではない。きっと、今年のような開催中止が相次ぐ不定期なシーズンでは、調子を維持する難しさがあるのだろう。この辺はコロナの影響で満足に練習ができない選手もいると思うしかない。早く通常の開催が出来る環境に戻って欲しいものである。

おまけ:こないだ全米プロの中継を見ていたら、何だかキャディ達の動作が気になった。それはグリーンへのアプローチを選手がしている時の動作についてだったが、普通は次に必要なクラブはパターと決まっている。だったら選手が打ったら、すぐに渡せるよう「パターを抜いて」待ってればいいと思うのだが、見てると殆どのキャディが「選手が打ち終わってクラブをキャディに差し出し」てから、初めて「よいしょ」とパターを抜き始めるのである。これって何なんだろう?、というのが疑問だった。スムーズにクラブを受け渡しするのは、キャディとしては常識だと思うのだが、答えはまだ分からない。クラブを渡そうとしている選手を待たせて「悠然とパターを抜き始めるキャディ」。ゴルフはまだまだ奥が深いかも・・・。

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