明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

海の日にちなんで時事問題を一つ、南シナ海での国際紛争仲裁機関が出した裁定が、実は規約違反で無効だって知ってた?

2016-07-18 20:00:49 | ニュース
中国が完敗して国際的には全面敗訴となっているかのように日本では報道されているが、実際はそうでも無いようだ。先ず中国の言い分はこうである。

1 海洋法は「当事国同士の交渉を優先する」となっているが、当のフィリピンが中国と交渉すると言っているのでそもそも仲裁する必要もなく、無効である

2 海洋法は「当事国が双方同意した場合に紛争裁定を受け付ける」のに、中国が同意してないままに結論を出したので、無効である

3 海洋法は紛争解決を援助する立場であり領土紛争には立ち入らない取り決めなのに、今回それを守らなかったので、無効である

以上が中国の主張であり、どうやら仲裁機関の活動目的や国際海洋法の規約上も、中国のいう事が正しいようだ。

もちろん南シナ海の領土紛争において中国が一方的に正しいと言っているのでは無い。ハーグの国際裁判所のような「裁判機関」とは違って、あくまで双方同意のうえ仲裁を「頼まれる」のが役目という事である。フィリピンの新大統領は中国と交渉すると言ってるので、最初から裁定は不要だった。これは2013年に前大統領アキノが提訴したもので、その後新大統領が誕生している。つまりは「なんのこっちゃ」という結果だ。そして世界はどう見ているかというと、英国・EUはだんまりを決め込み、文句言ってるのはアメリカだけという状況。しかもそのアメリカ自身が「海洋法を批准してない」というのだから腰砕けもいいところだ。このアメリカが批准してないのは、覇権国がやる事に国際法だかなんだかイチャモンつけても無意味だからアメリカは参加しない、という事らしい。確かに一番強い国に強制力のない決定など「馬の耳に念仏」である。だから今回中国が「無視する」と世界に向けて声をあげたのは、アメリカの真似をしたに過ぎないとも言えるのだ。

日本はアメリカ絶対だから、モンゴルで安倍首相が李克強首相に「国際法は守らなきゃねー」などと言って激怒されたりしてるのは、さもありなんだが、身の程知らずもいい加減にしないと、トランプが大統領になった時に梯子を外されてどえらい目に会うのは日本自身だから気をつけないと。マスコミが国際法国際法って錦の御旗みたいに祭り上げてるけど、世界の報道は静かなもんだというじゃない。早々と中国に舵を切った英国を見習って、アジアの盟主たる中国と仲良くしないと酷い目に会うよ。第一、沖ノ鳥島って「岩礁」だそうじゃないの。国際法上は日本の領土とはとても言えないという事になるけど、大丈夫?

(またまた「田中宇の国際ニュース」から丸写しです、悪しからず)

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