ウィステリア家具工房 ブログ

東京都あきる野市にて無垢材で家具を作っているウィステリア家具工房。仕事や趣味、日常の事を写真を添えて書き綴っています。

ミシン台リメイクテーブル

2024-02-22 13:57:49 | 家具・木工品の修理

年末にお預かりしたミシン台の再利用テーブルが完成致しました。

「昭和の年代の脚踏み式ミシンの鉄脚を再利用してテーブルをつくれないか?」と言うご依頼です。

ほぼ元の形そのままに奥行きだけ15cm大きくしました。

もとは こんな感じ

補助テーブルを広げたら1350mmになります。

ちゃんと木目が繋がります。

引き出しは両側から使える吊り引き出し。

裏側には反り止め金具をつけてあります。脚に合わせて黒色に塗装しました。

天板の塗装は着色ウレタン塗装 木目がつぶれない程度に色を付けてあります。

思い出の品を、新たに使える家具に再生する事が出来ました。

お客様に喜んで頂けるかな?

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テーブル塗装

2024-01-25 16:40:28 | 家具・木工品の修理

今回はテーブルの塗り直し手順のご紹介。

濃い茶色のテーブル天板を薄い色に塗り直して欲しいというご相談。

このテーブルは一般的なウレタン塗装

まずは塗膜を剥がします。

ウレタン用の剥離剤を塗布してしばらく放置します。

ベットリ厚く乗せないと溶けてくれません。

30分ほど経ったらスクレーパーでこそげ取ります。

縁の凹んだ部分は近いRの金属を探してきて除去します。

凸のRは幅の狭いへらで取り除きます。

だいたい2~3回剥離剤を塗らないと綺麗に取ることはできません。

 

その後に研磨力の強い丸サンダー(ランダムアクションサンダー)で研磨

次にサンダー(オービタルサンダー)で研磨 #180から#320

サンダーのかからない部分は手で研磨。指紋がなくなります(笑)

研磨が終わったら水性のステインで着色(ナチュラル色)

通常のウレタン塗装の時には着色しない事が多いのですが、再塗装の場合は木の導管に色が残っているので少し色を付けないと綺麗に仕上がりません。

水性のステインが乾いたら下塗り。

サンディングシーラーを塗ります。

次に研磨 #400のペーパーで軽く毛羽立ちを落として仕上げ塗装の食い付きを良くします。

これで完成。

ウレタン3分艶を塗りました。

しっかり乾けばもう少し艶が落ちます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茶箪笥のリメイク

2023-06-05 15:58:15 | 家具・木工品の修理

先月、新築の家具一式を納めた時に相談されたお仕事。

「古い扉のない黒色の茶箪笥を使えるようにできないか?」との 依頼。

 

おそらく戦後まもなく作られたであろう茶箪笥。

板の厚みが12mm 軽量で良いのですが反りがひどい!! 

長く扉がない状態だった為か? 

天板の前は8mm凹んでます。

中段も2~3mmはゆがんでます。

 

「お客様の希望は木地色か白く塗装して使える状態にしたい」

 

んん~~~ 困った。

 

白くペンキで塗るのは可能 でも それでは素人仕事

 

黒い塗膜 内部まで全部綺麗に剥がすのは不可能なので新たに戸をつける事にし、外側だけ研磨して木地を出す事にしました。

↑写真の手前は剥離剤で塗膜を除去した部分 上は研磨済み。

 

 

↓ 本体の歪みや反りはつっかえ棒で矯正。

これで、引き戸を入れる事ができます。

本体の材料は左の側板がケヤキ、その他は栓の木でした。

引き出しの前板にはケヤキの突板(薄板)が貼ってありました。

ベース板はタモもしくは塩地だったかな?

黒く着色するので木目だけ合わせたのでしょうね。

 

引き戸の材料ですが、総無垢で作ると予算が・・・・ なのでナラ突板を使いました。

端嵌め(ハシバメ)風にしてます。

色味を合わせる為に引き出しの前板と台輪の前にもナラの柾目板を貼りました。

最後に色合わせに軽く着色してウレタン塗装

そして引手金物と取手をつけて完成です。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テーブル2台の修理依頼

2023-04-16 15:16:05 | 家具・木工品の修理

テーブル2台の修理のお仕事を頂きました。

まず1つ目は脚のグラつき。

丸脚との接続部のビスが緩んだみたいでガタつきが出るとの事。

ビスを締め込めばなおりますが、たぶん直ぐに緩んでくるでしょう。一度外して接着剤を塗布してから少し長いビスに交換して締め込めば、しばらくは大丈夫です。

次の修理はかなり珍しい依頼。

一度切った脚を再度繋いで欲しいとの事。

切った脚は保管してあったので簡単につなげてお終い なんて事はありません。

テーパー脚なので切った分だけつなぎ目に段差が出来てしまいます。

それを目立たなくする方法で修理します。

まず、手鋸で切ったらしく凸凹で微妙に長さの違う脚を全て揃えます。

次に脚の先端も綺麗に整えます。

次に段差を目立たなくするために凹みを作ります。

加工の一部は写真の撮り忘れ。

 

接続部はこんな感じになります。

ジョイントはダボとボルトの併用。

加工部に着色して

完成です。

まったく違和感ないテーブルになりました。

強度は新品よりは劣りますが通常の使用で破損することはないと思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テーブルのリフォーム

2022-04-19 16:27:32 | 家具・木工品の修理

テーブルのリフォームを行いました。

今回は栃の一枚板 2000×900と大きなテーブルで脚と天板が一体化してます。

アリ桟で接合していますが、かなりの反りがあり取外しが不可能。

通常なら平面出しをしますが無理なので表面の塗膜を剥がして再塗装することになりました。

皆さん、ぱぱっと削って簡単に塗装できると思ってますが、かなりの労力が掛かるのです!!

まずは剥離剤で塗料を溶かして除去。今回は4回も。

その後に研磨ランダムオービットで荒削り、#180→#320とサンディング。

素地着色して塗装、書けば簡単だけど・・・。

お客様の希望で「杢目を出したい」との事なので、もとの塗装より薄い着色にしました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カントリーチェアーの修理

2022-03-07 18:24:16 | 家具・木工品の修理

カントリーチェアーの修理をしました。

左右の貫と左右の幕板の接着が切れてグラグラになった椅子の修理です。

このタイプの椅子 背が直角に近くゆったり座れずどうしても後ろに荷重が掛かる動きをしてしまいます。

それに、柔らかい針葉樹を使用しているのでかなり強固なホゾ組にしないと後々ガタツキが出てしまいます。

今回は前後方向の接合(ダボ)が全て切れてました。

まずは外れる部材を全て外します。グラつきのないところは無理に外しません。

無理をすると破損させてしまいます。

 

外す前には場所を明記しておきます。

 

外した後に簡単にクリーニングし、接着剤をつけてクランプで圧諦します。

この圧着が重要で、強い力で押し付けないと接着剤の効力を活かせません。

この後に隅木と座面を取り付けて完成です。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カントリー家具 ベンチの修理

2021-04-16 09:08:29 | 家具・木工品の修理

先日、家具の修理依頼を受けました。

カントリー家具 ベンチの脚がグラグラで破損寸前。

修理前の写真は撮り忘れましたが、ちょっと構造的な弱さがあります。

そこで貫と言う部材を追加し、脚と座板の接続部分の強化をすることにしました。

長さ1300×幅70×厚み30mmの貫を通しホゾで追加加工。

接続部分はビスケットジョイントだったのでボンドを塗り再接着。ダボを各部4か所追加。駒止めで補強。

たぶん、新品時よりも強度が上がったと思います。

これで壊れる心配はなくなりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

持ち込み材での加工(座卓)

2021-03-05 14:15:04 | 家具・木工品の修理

ご近所様から

ご自身で入手された「板と丸太で座卓を作って欲しい」と言うご依頼。

天板は丸く加工された板。材種は不明 辺材に多数の虫食いがあります。埋めた跡もありますね。

脚には、背割りされた杉の丸太

 

天板は表面だけ軽く研磨してほしい。脚は丸太を二本をくっつけて と言う希望。

言うのは簡単だけどねぇ~~(笑)

 

どうしようか?考えて、接合・接着面をまず手押し鉋盤で削り、昇降盤で溝を作り、サネを入れる事にしました。

丸太なので直線がなく、基準面が取れないので工夫しながらの加工です。

この 基準面 が大事、工程毎にちゃんと考えておかないと精確な加工ができません。

細かい説明は割愛。

 

 

こんな感じになりましたよ。

 

最後にオイルを塗って完成。

この様な持ち込み加工もやってます。

お気軽にご連絡ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茶箪笥の修復

2020-09-01 17:52:47 | 家具・木工品の修理

ここの所 何件か連続で家具修理の依頼を受けました。

1~2日で終わる修理が多いのですが、今回はだいぶ日数が掛かりました。

 

依頼は茶箪笥の修理・修復で、「新築中の新居で使えるように直して欲しい」というもの。

一見したところ、虫食いやワレが激しいが本体はしっかりしている感じ。

分解修理が望ましいが予算の関係で難しそう。。。

どうしようか暫く考えましたが、バキバキに割れた天板をとりあえず剥がしてみようと解体開始。

剥がしてみれば、厚み7mmの薄板を使っているし、割れが酷く再利用は不可能。内部の板も墨やインクをこぼしていて研磨しても綺麗になりそうもない。削って再利用も難しい感じ。

そんなこんなしてるうちに全部バラしてました(笑)

 

フレームと鏡板はバラバラにして研磨、虫食いや大きな欠け、釘穴はパテを盛って修復後にステイン着色。

各段の底板は廃棄し新しい檜の板に交換。見える部分は着色。

長い使用で1mm以上すり減った引き戸の溝2か所 堅木を埋め込みました。

その後、組み立ててから全体をウレタン塗装。

拭き漆風にしたかったので仕上げにも茶色く色を乗せ、3部艶を吹き付け。

本体の後は扉や引き出し。

扉の大きな破損部分は埋め木、引き手は黒檀のモノと交換。ガラスも割れていたので交換。組子は研磨して再利用。

引き出しは全体を研磨。インクが付いて汚い底板、交換できないので上に3㎜MDF板を敷きました。

そして新しい金具を取り付け完成。

引き出しや扉も本体と同時にウレタン塗装をしています。

修理に際して、昔のモノなので全て釘打ちで作られていますが釘だと再修理が難しいので細い仕上げビスを私は使いました。

これなら数十年後に再修理も出来るでしょう。

 

この茶箪笥の製作年代ですが、今では当たり前の手押し鉋盤や自動鉋盤と言う木工機械を使わず、手鉋だけで部材を作り、手鋸で刻み、穴も鑿で掘ってあります。

おそらくは昭和の初め頃のモノなのでは?

全て手作業で材料も貴重な時代。 それなりの時間(手間)が掛かっているのでしょう。

合理的な構造で、見えない部分は手を抜いたり、難ありの材を使っていたりしますが、機能的には大きな損傷や不具合なく何十年も使えた訳で、設計の確かさは感じられました。作った職人さんの腕も悪くなかったみたいです。

分解して修理してみると様々な工夫が感じられ、いろいろと勉強になり、良い経験になったと思っています。

作業の最中、時代を超え この箪笥を作った職人と対話をしているような感覚になり面白いものでした。

 

残念なのが、修理前の写真を撮っていなかったこと。 なかなか疲れた茶箪笥でしたよ(笑)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

家具の修理

2020-08-21 18:24:06 | 家具・木工品の修理

家具の修理を依頼されました。

今回は椅子の脚の割れとスツールのゴムの劣化による破損。

椅子の脚は目切れと呼ばれていますが、木目の通ったところが割れました。

もしかしたら微細な割れ目が最初からあったのか? もしくはねじる様な力が加わったのか?

パッキリと割れていましたので、強力な接着剤とビスケットジョイントにて再接着。

今回は塗装はなしでタッチペンにて簡単な補色をしました。

スツールの方はクッションを支えるゴムの部品が劣化で切れてしまっていたので、ウェービングテープを張りました。

ゴム部材、メーカならもっているかも?ですが、「椅子の方も以前に破損してウェービングテープで修理した」とお聞きしたので、同じ修理方法にしました。

これで暫くはお使い頂けるでしょう。

安価に修理できました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドアの再利用

2019-01-20 20:45:20 | 家具・木工品の修理
知人より店舗ドアの研磨を頼まれました。

店舗新装中で、オーナーは古い無垢材のドアを再利用したいらしい。 

オーナー自ら研磨しようと手をつけたが途中で断念し当工房に依頼が入った次第。

塗料がのった家具の研磨、なんどもやりましたが凄い手間がかかります。テーブルの天板なら平面なのでなんとかなりますが、細かな曲面や装飾・彫刻部分はほぼ不可能だと思ったほうが良いのです。

ドアはほぼ平面ですがガラスと鏡板の縁のモールディング部材は細かい装飾があります。綺麗にサンディングするのは無理なので取り外し廃棄し新規の部材を取り付けるか上からペンキ等で塗りつぶす以外方法はありません。

相談の結果、部材を作り直す事になりました。

鏡板ははめ込みで研磨できないのでタモの突板を貼りました。
 
ドアの本体は剥離剤で塗料を剥がした後に木地が出るまでひたすら研磨(サンディング)。

作業している最中は「新しいの作ったほうが早い!!」 なんて思いながら渋々でしたが、終わってみたら、前のドアよりシンプルなモールディングでカッコよいんじゃないかって感じてます。

ビフォー アフター 両方の写真がなく申し訳ありません。

ちょっとシミが残っていますが塗装すれば目立たなくなるでしょう。

塗装は専門家がやるそうです。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

椅子 畳摺りの取り付け

2018-07-31 14:45:39 | 家具・木工品の修理
珍しいご依頼でしたので紹介致します。

今回頼まれたのがウインザーチェアーの加工。

「畳と絨毯の上で手持ちの椅子を使いたいが脚の先が細くって畳や絨毯を傷めるので畳摺りの板を取り付けてほしい」とのご依頼。


(写真は脚を詰めた後)

まず、畳摺りの部材を決めて加工し、その部材の厚さ分脚を切ります。お客様のご希望が今の高さより少し低くだったので、2cm多く切りました。
切った後、定盤に乗せ4脚全てがピッタリ床に接するように調整。

畳摺りが出来たら脚が5mm埋まる穴を掘ります。綺麗な円型じゃないので彫刻刃を使い整形。

ウレタン着色塗装をしたらエポキシ樹脂接着剤で固め、裏側からビス止め。



依頼を受けた時は、どうなんだろ~~ 取ってつけた感ありありでカッコ悪い椅子になるんじゃないか?と危惧しましたが、全然違和感なし。

なかなか良いんじゃないかなぁ~~!! グッジョブ(笑) 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

椅子の修理 2

2018-03-09 15:17:08 | 家具・木工品の修理
椅子屋さんから座面が張りあがって来たので取り付けました。

バラバラの椅子ですが座面の色を統一すると良い感じになりますね。

中にはかなり古い椅子で、再々修理って感じの物もあり、ん~~~耐久性は?って感じですが、仕方ないよなぁ。

椅子には耐用年数があり、デザイン優先だったり、コストや軽量化を目指した椅子は修理に限界があると思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

椅子の修理 1

2018-03-08 10:22:37 | 家具・木工品の修理
椅子の修理依頼が入りました。

今回はダイニングチェアー9脚 椅子の座面の張替えと木部の修理と高さ調節。

現品を何脚か椅子屋さんに持って行き新しい布に張り替えてもらい、その間に木部の修理をしています。


珍しく前脚のホゾが外れていました。



まずは前脚同士を接着



接着剤が固まったら横の幕板と組みます。同時に隅木も接着。



修理の時は充填性があり強力な接着力の2液性のエポキシを使います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

再々 臼の修理

2018-03-07 09:17:54 | 家具・木工品の修理
これまで何回か行った臼のワレ止めですが、今度は近所の町内会からのご依頼。

まだ買ってからそれほど経っていない臼が割れてしまったとの事。



購入元から言われた保管方法を守っていたみたいですが、場所の問題があるので・・・。 難しいものです。

今回は1箇所の大きな割れだったのでチギリを3箇所入れました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする