真野ひろみ著「をんなだゆう」読みました。
江戸時代娘義太夫だったお芳が南町奉行遠山に復讐するために罪を犯していくが無罪とされてしまう。
時代設定は江戸だけど男社会の中での女の立場の弱さや女だというだけで我慢しなければならないことなどを鋭くえぐっていくのはフェミニズムの主張のようだ。
女だというだけで理不尽な思いをしたこと、不利な立場に立たされることは少なからず経験するので、というよりそんなことばっかりなので読んでいるうちに思い出して頭に血が上ってしまうようなことが山ほど書かれていてお芳の行動に溜飲を下げたりした。
でもこの世の中は男社会、男の遠山には勝てないというのが現実でお芳を無罪にし遠山自らの罪もなかったことになったのは救いでもあるが悔しい。
時代物はあまり読まないが、祭り、火消し、纏、など日本情緒あふれる言葉に懐かしさを感じ癒された。