(資源分布域)
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.原油価格が1バレル60ドル代に下がったと報道された。30年前、(我が家の子育て真っ盛りの頃)紙オムツの確保に大騒ぎしたあのオイルショックまでは、1バレル2ドルが標準であったことなど全く夢のようである。
石油に代わる新エネルギー資源として注目され始めたのがメタンハイドレード。海底に沈殿しているシャーベット状(氷状固体)物質で、低温高圧の条件下で、水分子の結晶構造の中にメタン分子が取り込まれたもの(CH4・5.75H2O)。試算によると国内で、7.4兆m3が埋蔵されていて、これは、わが国の天然ガス消費量の約100年分に相当する。
圧力や温度の変化に極めて敏感で、温度を上げたり圧力を下げたりすれば、構造が急速に崩壊し、気体と水とに分解する。(1m3のメタンハイドレードは、水0.8m3とメタンガス約172m3になる)。大気中に放出されたメタンガスは二酸化炭素の40倍以上もの温室効果をもつことから、連鎖的に分解を促し、温暖化を助長し、地球環境を破壊する。
資源小国であるわが国には「福音」であると共に、扱いを間違えれば大厄災を引き起こす、まさに「諸刃の剣」である。国政の舵取りをする集団に「エンジニア」が皆無なことも気掛かりである(中国の指導者は9割がエンジニアとか)。自然の法則を無視した「事務方」による、目先の損得だけの判断には任せられない、人知判断の正念場なのである。
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「あなたがたのうちで、知恵があり物わかりの良い人は誰か」(ヤコブ書3:13)
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