窓を開けると、そこは雪国だった・・・なんてことはありませんでした。
昨夜のお願いが効いたのか、貧乏神は来なかったようです。けれども福の神も来なかったようです。
で、なぜか? 「貧乏神お断り」のせいだ、と気づき、狭量たる自分に忸怩する朝でありました。
数年前に子ども向きに作ったパネルシアターを見てくださいね。子どもの心で。
絵本を見て下絵を描き、色を塗り、動くように作りました。 始まり始まり
今年もいよいよ今日でおしまい。はやいもんですねえ~、おじいさん」
「ほんとになあ・・・明日は正月だというのに、うちには餅をつく米もないし、相変わらずの貧乏暮らし、すまないねえ、おばあさん」
「とんでもありませんよ、おじいさん。餅はなくても、ほれ、畑で取れたお芋のおかゆがいただけるではありませんか。 それに何といっても、おじいさ ん、私もこんなに元気、病気なんぞしたこともなく、ほんとに幸せ、きっと我が家は神様が見守ってくれているんですよ。ありがたい、ありがたい。」

「ひぃ~~~」(どこからか泣き声)
「おや誰でしょう」
「おや誰かが泣いているようだが・・・」

「だ、誰だね!?」
「私でございます」
「私って・・・どなたです?」

「わ、私は、そのぉ・・・貧乏神でございます」
「貧乏神!?」
「はい、私はこの家に長らくお世話になっている貧乏神でございます。あまりにも居心地がいいものでございますから、ついつい何年も居続けてしまいました。でも、それもいよいよ今日でおしまい、まもなく福の神と交代しなければならないのです。でも、私はおじいさんおばあさんが大好きでー、ひぃ~~~~いい」
「それは気の毒に・・・せっかく我が家が好きで何年もいてくださった神様を追い出すなんて、そんなことはできませんよ。福の神様には帰っていただきましょう、ね、おじいさん」
「それはそうだ。貧乏神とはいえ神様、ずっといていただきましょう」

そうこう言っている間に、とうとう福の神がやってきました。
「お待たせしましたア! 私、福の神でーす! 私が来たからには、もう苦労はかけません、さあ、貧乏神クン、行った行った!」

「ちょっとお待ちください。せっかくお起こしいただきましたが、私どもは貧乏神様とずーっと暮らしてまいりました。それでも私どもは何不自由もございません。どうかお帰りください。」

「な、何? 帰れだとー! もう一度言うが、私は福の神、そこにいるのは貧乏神、私はこれまで追い返されたことは一度もないですぞ」
「申し訳ございません」 「申し訳ございません」

「ほんとうに帰ってもいいんだな? なんと情けないやら、福の神のこの私が追い返されるナンテ」(福の神出て行く)

「ささ、神様はどうぞこちらに。知らないとはいえ、いままではおかまいもしませんで」
「いやいや、神様と言われても私は貧乏神でして・・・・」
「神様がいらっしゃるなら、何かおいしいものをお作りしなければねえ、おじいさん」
「そうだなあ、それなら、畑も大きくしなければなあ」
「今まで以上に働かなきゃいけませんね」

それからというもの、おじいさんもおばあさんも貧乏神を手厚く、手厚くもてなしました。
「私たちはほんとうに幸せですねえ、おじいさん」 「そうだねえ、おばあさん」
「毎日畑のおいもはおいしいし」 「毎日元気で働けるし」
「ありがたい、ありがたい」 「ありがたい、ありがたい。やっぱり神様のおかげですね」
「あー、貧乏神様のね」

二人は今まで以上に畑を耕してにこにこ暮らしていました。
すると・・・いつの頃からか、こんな風に・・・変わっていきました。

「やっぱりうちには神様がいらっしゃる・・・」
おじいさんもおばあさんも「ありがたい、ありがたい」と、いつまでもにこにこ暮らしましたってサ おしまい
おおらかで広い心の持ち主であれ、もらう側より与える側になれ、心にくさびを打ち込まれたクリスマスの朝でした。
昨夜のお願いが効いたのか、貧乏神は来なかったようです。けれども福の神も来なかったようです。
で、なぜか? 「貧乏神お断り」のせいだ、と気づき、狭量たる自分に忸怩する朝でありました。
数年前に子ども向きに作ったパネルシアターを見てくださいね。子どもの心で。
絵本を見て下絵を描き、色を塗り、動くように作りました。 始まり始まり
貧乏神と福の神
今年もいよいよ今日でおしまい。はやいもんですねえ~、おじいさん」
「ほんとになあ・・・明日は正月だというのに、うちには餅をつく米もないし、相変わらずの貧乏暮らし、すまないねえ、おばあさん」
「とんでもありませんよ、おじいさん。餅はなくても、ほれ、畑で取れたお芋のおかゆがいただけるではありませんか。 それに何といっても、おじいさ ん、私もこんなに元気、病気なんぞしたこともなく、ほんとに幸せ、きっと我が家は神様が見守ってくれているんですよ。ありがたい、ありがたい。」

「ひぃ~~~」(どこからか泣き声)
「おや誰でしょう」
「おや誰かが泣いているようだが・・・」

「だ、誰だね!?」
「私でございます」
「私って・・・どなたです?」

「わ、私は、そのぉ・・・貧乏神でございます」
「貧乏神!?」
「はい、私はこの家に長らくお世話になっている貧乏神でございます。あまりにも居心地がいいものでございますから、ついつい何年も居続けてしまいました。でも、それもいよいよ今日でおしまい、まもなく福の神と交代しなければならないのです。でも、私はおじいさんおばあさんが大好きでー、ひぃ~~~~いい」
「それは気の毒に・・・せっかく我が家が好きで何年もいてくださった神様を追い出すなんて、そんなことはできませんよ。福の神様には帰っていただきましょう、ね、おじいさん」
「それはそうだ。貧乏神とはいえ神様、ずっといていただきましょう」

そうこう言っている間に、とうとう福の神がやってきました。
「お待たせしましたア! 私、福の神でーす! 私が来たからには、もう苦労はかけません、さあ、貧乏神クン、行った行った!」

「ちょっとお待ちください。せっかくお起こしいただきましたが、私どもは貧乏神様とずーっと暮らしてまいりました。それでも私どもは何不自由もございません。どうかお帰りください。」

「な、何? 帰れだとー! もう一度言うが、私は福の神、そこにいるのは貧乏神、私はこれまで追い返されたことは一度もないですぞ」
「申し訳ございません」 「申し訳ございません」

「ほんとうに帰ってもいいんだな? なんと情けないやら、福の神のこの私が追い返されるナンテ」(福の神出て行く)

「ささ、神様はどうぞこちらに。知らないとはいえ、いままではおかまいもしませんで」
「いやいや、神様と言われても私は貧乏神でして・・・・」
「神様がいらっしゃるなら、何かおいしいものをお作りしなければねえ、おじいさん」
「そうだなあ、それなら、畑も大きくしなければなあ」
「今まで以上に働かなきゃいけませんね」

それからというもの、おじいさんもおばあさんも貧乏神を手厚く、手厚くもてなしました。
「私たちはほんとうに幸せですねえ、おじいさん」 「そうだねえ、おばあさん」
「毎日畑のおいもはおいしいし」 「毎日元気で働けるし」
「ありがたい、ありがたい」 「ありがたい、ありがたい。やっぱり神様のおかげですね」
「あー、貧乏神様のね」

二人は今まで以上に畑を耕してにこにこ暮らしていました。
すると・・・いつの頃からか、こんな風に・・・変わっていきました。

「やっぱりうちには神様がいらっしゃる・・・」
おじいさんもおばあさんも「ありがたい、ありがたい」と、いつまでもにこにこ暮らしましたってサ おしまい
おおらかで広い心の持ち主であれ、もらう側より与える側になれ、心にくさびを打ち込まれたクリスマスの朝でした。