のり巻き のりのり

飾り巻き寿司や料理、己書、読書など日々のあれこれを書いています



魚に寄せる追想

2016年11月17日 | ひとりごと

カマスが安く売られていたので塩焼きにして食べました。去年は大量に買って干物にしたことを思い出します。



カワハギもお値打ちな値段なのでしばしば買います。たいていは鍋かまたは煮付けにすることが多いです。



カワハギの刺身はおいしいと聞きますが、こちらでは刺身にするほど新鮮なものは売っていません。
ほとんどが皮をはいで数匹のパック詰めになって売られているので、釣ったばかりの新鮮なカワハギの刺身は食べられないでしょう。

食べてみたいものです。そのおいしさを教えてくれた人、愛媛県の70代の男性、ウマヅラハギさん。
カマスの干物の作り方を教えてもらったのその人。



私がブログを始めたのは3年前、自分のための記録と、離れてくらしている息子たちを意識した近況報告のつもりでした。
飾り巻き寿司を作るのも楽しかった時期なので、見てもらおうと思ったからです。

見ず知らずの人からのコメントなんて考えていませんでしたが、ある日、男性からのコメントがありびっくりしました。
しかも何度も何度も書き込みをしてくださるので、やっと返事をしたのです。

それから私もその方を訪ねるようになり、そこでカワハギのことやカマスのこと、魚の裁き方等々、たくさんのことを教えてもらうことができました。

なによりも、お得意の魚釣りや魚料理だけでなく、家族のこと、奥様のご病気や二人のお母様の介護のこと、ご自身の来し方などを赤裸々に語っておられる、その人間性に深く感動したものです。
たくさんの方が読者登録をしてみえたのもうなずけます。

飾らない文章がいかに人を惹きつけるかが分かりました。
生き様がすべてなのです。

しかし今年の初め、二人のお母様を立て続けに亡くされ、奥様のご病気も徐々に進行していく中で、ご自身の体力気力の限界を感じられたのか、ブログは閉鎖されました。
きちんとあいさつをされての閉鎖でした。

文字でおしゃべりをしただけなのに、ご自分で作った魚の干物を送ってくださった時はほんとうに感激でした。
世知辛い世の中に、こんないい方がいるのだと。

その後接することができないまま1年が経とうとしています。
カマスや鰺の干物、カワハギの煮付け、鯛の刺身などを見るとその方を思い出し、心がうずきます。

今、お元気でいられるでしょうか。お孫さんたちは大きくなられたでしょうか。
まだいろいろな料理をがんばって作っていらっしゃるでしょうか。

会うことはかないませんが、ずっとお元気でいらっしゃいますようにと心から祈っております。