回転寿司の日記

日常の身辺雑記を紹介

志賀直哉③

2010-04-24 07:37:24 | 趣味
写真は食堂です。非常に広くまた採光も良く、ここに多くの来客がありました。
直哉の口癖は「よかったら君、メシ食ってき給え」だそうですが、奥さんは大変だったと思います。隣には有名なサロン(写真下)があり、明るいサンルームというか応接部屋があります。居心地がよいため来客は中々帰らなかったそうです。

この食堂を舞台に、「朝 昼 晩」「池の縁」などが作品として残されています。


では、この食堂でどんなものを食べていたのでしょうか。
阿川弘之の「志賀直哉」にはこのように書かれています。

志賀家の朝食は、山羊の乳か牛乳入りの紅茶、バタートースト、ジャム、マーマレード、プレイン・オムレツかベイコン・エッグス、オートミール・・略・・概ね英国式の献立であった。

また、直哉は食べ物についてどのような考えを持っていたのか、同じく「志賀直哉」には
このように書かれています。

「男子厨房に入らずとか、男は食い物の味のことは黙っているべきだとか、ああいう昔の教えは馬鹿げてると思うね。美味しいか不味いか分からないならそれでもいいけれど、分かるのに、不味いもの我慢して黙って食ってろというのは、何故だか分かンないよ。毎日三度々々、一生のことなんだから、少しでも美味しくして、自分ばかりでなく、家族も客も楽しみながら食えるようにするのが本当じゃないかね」

しかし、直哉は食通ぶるのを嫌い、客にも料理屋の主人にもそのような態度はとらなかった
そうです。


データ
住所は奈良市高畑。奈良駅から興福寺、奈良ホテルを過ぎ徒歩で20~30分ほど。
入館料350円
敷地435坪 建物134坪

写真は志賀旧宅正門入り口