お腹痛いって、神経性だったりして?
訪れた日は、いい陽気で、昼食後の運動にちょうどいい感じだった。
今は面会基本お断り、の特別養護老人ホーム。
面会につき相談に応じます、とのお知らせが届き、早速面会を申し込んだ。
貸してくれるとは聞いているが、衣服も不足しているはずなので
Tシャツなどの差し入れと、遠方の親戚からの手紙を持参。
建物入り口で「こんにちは、面会をもうしこんでおります、とこの嫁です~」と名乗ると
受付にいた警備員の制服を着ている、だいぶん年配のおじいちゃんに、
ハギノさんとかいう全く別の名前を返されたので、早速不安に…もとい、ほんの少し私の滑舌が悪かったのかと反省して再度申し伝えた。
やや伝わっていない感じがしていたが、奥のほうから私と同年代の女性が出てきて、
何やら名簿等を見ている様子。
警備員さんはどこかへ連絡しているようだったが、なんだか話が伝わっていないような、「え? ●階の『とこさん』です、聞いていない?」とさらに不穏な…いやもとい、
たぶん何かの間違いだろうと思われる反応。
女性がフォローをしてくれているようなしてくれていないような。
お待ちください、と言ってしばらく警備員さんとは全く別の動きをしているようだ。
警備員さんは最近よく見かける、非接触型の体温計を出して、
「すみませんが、お熱を測らせてください」と、なんとなくおぼつかない手つきで
計測してくれた。
36.5。 夫の方も測ったら同じ体温だったので、再度別の非接触型の体温計を
持ち出してきて計測。 そちらでも同じ体温であることを確認し、計測は終わり。
女性から来園者の記入票を記入くださいと案内あり。
警備員さんが案内する様子がないので、「ほんとは私のいう事じゃないのよね」的空気も、にじませているような気がする。
警備員さんは電話で誰かと話し始めた。
「はぁ、『とこ』」さんです、●階の。今日●時からの面会でお越しになっているので。はい??ええ、ああ、ハギノさんですか、…」
今日の予定を強く思ってるから、何を言っても「ハギノ」さんに聞こえるのか。
脇から女性が、「今の内線じゃなくて、外線ですよね? どなたですか??」と。
ユニフォームを着ているとシャッキリとして見えるもんだからナンだが、声や表情はすっかりと70後半に見える。人の顔や名前を認識できないと、警備は無理なのでは?と思える。
警備員さんは私たちが広いホールで所在無げに待っているのを気の毒に思ってか、
「あ、どうぞ、もう、●階に上がってください~、…それで問題ないですよねぇ?」
と言ってくれた。例のお知らせでは面会方法は1階のどこかに場所を設定してそこで、と決められているはずだった。どうやら念のため、後ろの女性に確認しているらしいかったが、女性の反応も鈍い。さっきから何か他のことをしているようだった。
…私がせっかちなのかもしれないが、
面会用の部屋は1階の応接室の一角だったので、先にそっちに誘導すれば、
ゆっくり自分の用事が済ませられるだろうに。
面会用の場所は、応接室入り口から2メートルほどのところに、ポール2本のてっぺんに紐を渡してそこにビニールシートをひっかけたものと長テーブルを組み合わせた、臨時の対面カウンターだった。
案内してくれた女性は、「壁側にお座りになってお待ちください」とこちらも見ずに、
おざなりな言葉を残して一瞬で去った。
本当は来て欲しくはないのか、いつも意志が明確でない高齢者ばかりを相手にしているので、相手がどう思うかを気にしなくていい毎日だからなのか。
肝心の、面会はほんの10分程度で終わった。
まぁあまり話すこともないのかもしれなかった。
部屋に到着した姑とこは、顔色もよく、以前よりも頭をまっすぐに起こし、元気そうに見える。
第一声は、来てくれてありがとう、だった。
「とこ嫁ちゃんは、今日は休んだの?」
と尋ねられる。今日は日曜だから、休みよ、と答える。間をおいて、もう一度尋ねられた。
同じように答える。今日は日曜だから、休みよ。夫が私の隣で少し落胆する。
それは致し方ない。
手紙が来ていたこと、Tシャツなどの衣類を持ってきたこと、とこ自身の体調がどうか心配していること、食事は摂れているのか、そんな内容をやりとりした。
手紙は目で追っているようだったが、内容については話そうとしない。
読んでいないのかも、とも見える。
返事送った方がいいよね、との夫からの問いに、
「書かなくていいわよ」と以前のような表情で応えた。
「(食事は)食べてる、まずいのよ」
「歯もだいぶ弱くなってるのよ」
「噛むの大変?」 「そうね、大変」
「ここでは歯を磨くの、うるさいから、磨くもの、を持ってきてって言われた」
「歯磨き粉ね?」
食事がまずい、のはいつも言うこと。味覚障害かもしれないから、なんとも言えない。
歯磨き粉は確かに、小さなものしかなかったかも。差し入れなくてもいいと特養側は言っていたような気がするが。。
甘いジュースはお好きなようで、と特養からお便りにもあり、それは特養の施設内にある売店で買ってお渡ししますとのことだった。その費用は請求の際に一緒に含まれているので、面会基本禁止の今は、そうしたことも対応いただけるはずなのだが。
夫が今後は1週間に1回は来られる、と伝えると、表情が曇った。
(気のせいじゃない。夫も同意見だった。)
「おなかが いたいの」
「いつから痛いの?」
「おひる 食べたあと」
「おなかいたいけど、あなたたちくるっていうから」
言葉通りとれば、面会は負担、という意味だろうが。
夫は慌てたように、面会室まで案内してくれた女性にその旨を伝えに行った。
以前は夫が居る時と居ない時とで、少し姑とこの様子に変化があった。
内緒話的なことを言うこともあったし、息子がいないことを不安そうに言うこともあった。
今回はそういう変化はなかった。
むしろ、駆けつけたケアマネージャーさんに車いすを押してもらい、戻っていく時は
平安な様子にも見えた。
ケアマネさんは、エレベーターへ向かう前に私たちへ「それでは」と別れの挨拶をし、
車いすの上の とこ に話しかけた。
「とこさんは、今日のお昼はそんなに召し上がってないですよね、いつもと同じくらいの量でしたよね。なんでおなか痛いんでしょう?」
とこはバツがわるそうな声色で、何かを答えていたけど、いいわけっぽい印象。
迷惑をかけたくない一心、なのか。
入院していた時も、時々、「もう来ないで」と言っていた。
特養からのお便りでは、これまで服用している薬は強い(精神的な高揚を抑える)から軽いものに変える、ということだった。いつから変更しているのかを聞きたかったのだが、ケアマネさんは話そうという余裕はなさそうだたt。「なにか聞きたいことありますか」ということもなく、とこを連れ帰りにきただけ、という感じ。
忙しいのだろう。
しかたない。新型コロナウイルスのことがなくったって、忙しいに違いない。
頼んでいる側としては、なにも言えないな。
訪れた日は、いい陽気で、昼食後の運動にちょうどいい感じだった。
今は面会基本お断り、の特別養護老人ホーム。
面会につき相談に応じます、とのお知らせが届き、早速面会を申し込んだ。
貸してくれるとは聞いているが、衣服も不足しているはずなので
Tシャツなどの差し入れと、遠方の親戚からの手紙を持参。
建物入り口で「こんにちは、面会をもうしこんでおります、とこの嫁です~」と名乗ると
受付にいた警備員の制服を着ている、だいぶん年配のおじいちゃんに、
ハギノさんとかいう全く別の名前を返されたので、早速不安に…もとい、ほんの少し私の滑舌が悪かったのかと反省して再度申し伝えた。
やや伝わっていない感じがしていたが、奥のほうから私と同年代の女性が出てきて、
何やら名簿等を見ている様子。
警備員さんはどこかへ連絡しているようだったが、なんだか話が伝わっていないような、「え? ●階の『とこさん』です、聞いていない?」とさらに不穏な…いやもとい、
たぶん何かの間違いだろうと思われる反応。
女性がフォローをしてくれているようなしてくれていないような。
お待ちください、と言ってしばらく警備員さんとは全く別の動きをしているようだ。
警備員さんは最近よく見かける、非接触型の体温計を出して、
「すみませんが、お熱を測らせてください」と、なんとなくおぼつかない手つきで
計測してくれた。
36.5。 夫の方も測ったら同じ体温だったので、再度別の非接触型の体温計を
持ち出してきて計測。 そちらでも同じ体温であることを確認し、計測は終わり。
女性から来園者の記入票を記入くださいと案内あり。
警備員さんが案内する様子がないので、「ほんとは私のいう事じゃないのよね」的空気も、にじませているような気がする。
警備員さんは電話で誰かと話し始めた。
「はぁ、『とこ』」さんです、●階の。今日●時からの面会でお越しになっているので。はい??ええ、ああ、ハギノさんですか、…」
今日の予定を強く思ってるから、何を言っても「ハギノ」さんに聞こえるのか。
脇から女性が、「今の内線じゃなくて、外線ですよね? どなたですか??」と。
ユニフォームを着ているとシャッキリとして見えるもんだからナンだが、声や表情はすっかりと70後半に見える。人の顔や名前を認識できないと、警備は無理なのでは?と思える。
警備員さんは私たちが広いホールで所在無げに待っているのを気の毒に思ってか、
「あ、どうぞ、もう、●階に上がってください~、…それで問題ないですよねぇ?」
と言ってくれた。例のお知らせでは面会方法は1階のどこかに場所を設定してそこで、と決められているはずだった。どうやら念のため、後ろの女性に確認しているらしいかったが、女性の反応も鈍い。さっきから何か他のことをしているようだった。
…私がせっかちなのかもしれないが、
面会用の部屋は1階の応接室の一角だったので、先にそっちに誘導すれば、
ゆっくり自分の用事が済ませられるだろうに。
面会用の場所は、応接室入り口から2メートルほどのところに、ポール2本のてっぺんに紐を渡してそこにビニールシートをひっかけたものと長テーブルを組み合わせた、臨時の対面カウンターだった。
案内してくれた女性は、「壁側にお座りになってお待ちください」とこちらも見ずに、
おざなりな言葉を残して一瞬で去った。
本当は来て欲しくはないのか、いつも意志が明確でない高齢者ばかりを相手にしているので、相手がどう思うかを気にしなくていい毎日だからなのか。
肝心の、面会はほんの10分程度で終わった。
まぁあまり話すこともないのかもしれなかった。
部屋に到着した姑とこは、顔色もよく、以前よりも頭をまっすぐに起こし、元気そうに見える。
第一声は、来てくれてありがとう、だった。
「とこ嫁ちゃんは、今日は休んだの?」
と尋ねられる。今日は日曜だから、休みよ、と答える。間をおいて、もう一度尋ねられた。
同じように答える。今日は日曜だから、休みよ。夫が私の隣で少し落胆する。
それは致し方ない。
手紙が来ていたこと、Tシャツなどの衣類を持ってきたこと、とこ自身の体調がどうか心配していること、食事は摂れているのか、そんな内容をやりとりした。
手紙は目で追っているようだったが、内容については話そうとしない。
読んでいないのかも、とも見える。
返事送った方がいいよね、との夫からの問いに、
「書かなくていいわよ」と以前のような表情で応えた。
「(食事は)食べてる、まずいのよ」
「歯もだいぶ弱くなってるのよ」
「噛むの大変?」 「そうね、大変」
「ここでは歯を磨くの、うるさいから、磨くもの、を持ってきてって言われた」
「歯磨き粉ね?」
食事がまずい、のはいつも言うこと。味覚障害かもしれないから、なんとも言えない。
歯磨き粉は確かに、小さなものしかなかったかも。差し入れなくてもいいと特養側は言っていたような気がするが。。
甘いジュースはお好きなようで、と特養からお便りにもあり、それは特養の施設内にある売店で買ってお渡ししますとのことだった。その費用は請求の際に一緒に含まれているので、面会基本禁止の今は、そうしたことも対応いただけるはずなのだが。
夫が今後は1週間に1回は来られる、と伝えると、表情が曇った。
(気のせいじゃない。夫も同意見だった。)
「おなかが いたいの」
「いつから痛いの?」
「おひる 食べたあと」
「おなかいたいけど、あなたたちくるっていうから」
言葉通りとれば、面会は負担、という意味だろうが。
夫は慌てたように、面会室まで案内してくれた女性にその旨を伝えに行った。
以前は夫が居る時と居ない時とで、少し姑とこの様子に変化があった。
内緒話的なことを言うこともあったし、息子がいないことを不安そうに言うこともあった。
今回はそういう変化はなかった。
むしろ、駆けつけたケアマネージャーさんに車いすを押してもらい、戻っていく時は
平安な様子にも見えた。
ケアマネさんは、エレベーターへ向かう前に私たちへ「それでは」と別れの挨拶をし、
車いすの上の とこ に話しかけた。
「とこさんは、今日のお昼はそんなに召し上がってないですよね、いつもと同じくらいの量でしたよね。なんでおなか痛いんでしょう?」
とこはバツがわるそうな声色で、何かを答えていたけど、いいわけっぽい印象。
迷惑をかけたくない一心、なのか。
入院していた時も、時々、「もう来ないで」と言っていた。
特養からのお便りでは、これまで服用している薬は強い(精神的な高揚を抑える)から軽いものに変える、ということだった。いつから変更しているのかを聞きたかったのだが、ケアマネさんは話そうという余裕はなさそうだたt。「なにか聞きたいことありますか」ということもなく、とこを連れ帰りにきただけ、という感じ。
忙しいのだろう。
しかたない。新型コロナウイルスのことがなくったって、忙しいに違いない。
頼んでいる側としては、なにも言えないな。
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