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「出雲大社・因幡の白ウサギ」
古事記に記されている、「因幡の白ウサギ」の話は有名ですが
ここ出雲大社の境内では「ウサギ」の姿を4か所で見る事が出来ます。
一つ目は、社務所の近くに「だいこくさま(大国主大神)と兎」の青銅。
二つ目は、本殿正面にある八足御門の化粧羽目板に彫られた二羽の兎。
三つ目は、参道中程にある純白の大理石像「神話の社」ネズミ、イノシシ、
     ヘビ、ヤマタノオロチ、とともに彫刻されたウサギ。
四つ目は、その祓橋南側にある対の石灯籠に刻まれた波の上を走るウサギ。

参拝された時には、ごらんください。







「日本昔話」
≪いなばの白ウサギのお話≫
出雲の国にだいこくさまという神様がいました。その神様はおおぜいの兄弟があり、
その中でもいちばん心のやさしい神様でした。 兄弟の神様たちは因幡の国に
八上比売(やかみひめ)という美しい姫がいるという噂を聞き、みんなで会いに
行こうと決めました。
だいこくさまは兄弟達の家来のように大きな袋を背負わされ、一番後からついて
いくことになりました.
兄弟たちが因幡の国の岬を通りかかったとき、体の皮を剥かれて泣いている一匹の
うさぎを見つけました。 兄弟たちはそのうさぎに意地悪をして、海水を浴びて風に
あたるとよいと嘘をつきました。 そのうさぎはだまされていることも知らずに、
言われるまま海に飛び込み、風当たりのよい丘の上で風に吹かれていました。
そうしていると海水が乾いて傷がもっとひどく、ヒリヒリ痛みだしました。
前よりも苦しくなって泣いているうさぎのところに、後から付いてきた、
だいこくさまが通りかかりました。
だいこくさまはそのうさぎを見てどうして泣いているのかわけを聞きました。
そのうさぎは言いました、わたしは隠岐の島に住んでいたのですが、一度この国に
渡ってみたいと思って泳がないでわたる方法を考えていました。するとそこに
サメがきたので、わたしは彼らを利用しようと考えました。
わたしはサメに自分の仲間とどっちが多いか、くらべっこしようと話をもちかけました。
サメたちは私の言うとおりに背中を並べはじめて、私は数を数えるふりをしながら、
向こうの岸まで渡っていきました。
しかし、もう少しというところで私はうまくだませたことが嬉しくなって、つい、
だましたことをいってしまいサメを怒らせてしまいました。そのしかえしに私は
サメに皮を剥かれてしまったのです。
それから、私が痛くて泣いていると先ほどここを通られた神様たちが、私に海に
浸かって風で乾かすとよいとおっしゃったのでそうしたら前よりもっと痛くなったのです。
だいこくさまはそれを聞いてそのうさぎに言いました。かわいそうに、すぐに真水で
体を洗い、それから蒲(かま)の花を摘んできて、その上に寝転ぶといい。
そういわれたうさぎは今度は川に浸かり、集めた蒲の花のうえに、静かに寝転びました。
そうするとうさぎのからだから毛が生えはじめ、すっかり元のしろうさぎに戻りました。
そのあと、ずい分遅れてだいこくさまは因幡の国につかれましたが、八上比売(やかみひめ)
が求められたのは、だいこくさま(大国主大神)でした。




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