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古今東西のアートのお話をしよう

大吉原展 東京芸術大学美術館


大吉原展初日(3/26)は、暴風雨が吹き荒れる幕開けとなった

しかし、会場には濡れそぼった
老若男女の熱気に溢れていた

ポスターにもなっている、歌麿の「吉原の花」など、海外に流出した名品が見どころ

展覧会は撮影禁止のため写真はネット画像を借用しました

歌川国貞 青楼遊郭娼家之図
文化10年(1813) 大英博物館

勝川春潮 吉原仲の町図 寛政前期(1789〜1801) 大英博物館

勝川春潮の現存する肉筆画は20点ほど、品があり美しい

会場風景

喜多川歌麿 青楼十二時 続巳の刻
寛政6年(1794)頃 大英博物館

歌麿の青楼十二時は、遊女の一日を描いた作品

勝川春章 遊里風俗図 天明7〜8年(1787〜88) 出光美術館

画像ではよく分かりませんが、客の男が大変な男前でびっくり!!

鳥文斎栄之 畧(やつし)六花撰喜撰法師
寛政8〜10年(1796〜98) 大英博物館

千葉市美術館で話題になった鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)の大首絵

高橋由一 花魁 明治5年(1872)
東京芸術大学

『明治新政府は、西洋諸外国からの批判により遊郭に対する規制を強める。江戸文化が廃れていくのを残念に思った某人が、花魁という象徴的な姿を記録に留めて欲しいと高橋由一に依頼した。
モデルになった花魁小稲が「わちきはこんな顔ではありんせん」と、泣いて怒ったという逸話が伝えられている。』

鏑木清方 一葉女子の墓 明治35年(1902) 東京芸術大学

鏑木清方 たけくらべの美登利 昭和15年(1940) 京都国立近代美術館

樋口一葉の『たけくらべ』は、吉原を舞台に、吉原一の花魁の妹で、13歳〜14歳の美登利を中心に思春期の揺れ動く世界を描く


喜多川歌麿 吉原の花 寛政5年(1793) ワズワース・アテネウム美術館

「深川の雪」「品川の月」とともに、雪月花をテーマにした、歌麿肉筆画の最高傑作

【参考】
喜多川歌麿 深川の雪 岡田美術館

喜多川歌麿 品川の月 フリーア美術館

人形師辻村寿三郎のセクション

『吉原 辻村寿三郎
華の吉原仲の町。 
悲しい女達の棲む館ではあるのだけれど、それを悲しく作るには、 あまりにも彼女達に惨い。 
女達にその苦しみを忘れてもらいたくて、絢爛に楽しくしてやるのが、彼女達へのはなむけになるだろう。
男達ではなく、女達にだけ楽しんでもらいたい。
復元ではなく、江戸の女達の心意気である。
女の艶やかさの誇りなのだ。
後にも先にも、この狂乱な文化はないだろう。
人間は、悲しみや苦しみにも、華やかにその花を咲かせることが出来るのだから、 ひとの生命とは、尊いものである。
私は、置屋の料理屋で生まれて育ったので、こうした苦界の女達への思い入れが、 ひとより深いのかもしれない。
辛いこと、悲しいこと、苦しいこと、冷酷なようだけれど、それらに耐えて活きてい るひと達の、何と美しいことだろう。
ひとの道に生まれてきて、貧しくても、裕福でいても、美しく活きる姿をみせてこそ、 生まれてきたことへの、感謝であり、また人間としてのあかしでもあるのです。
艶めいて、鎮魂の饗宴のさかもりは、先ず、吉原の女達から・・・・・・。

(「ジュサブロー展」図録作品解説、1992年より)』

名文である。
今回の展覧会の意図を解説しているかのようだ。

このセクションだけ撮影可能

(ネット画像借用)



美術館に2階から藝大正門をのぞく


帰りは、雨が小降りになった…


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