山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

「透明人間」考

2013-12-28 17:52:51 | 透明人間三部作-2014-2015
不透明な時代になっている。今、進行している危機は不透明さにある。
沖縄の米軍基地の県内移転を了承した県知事を巡って、私は何やら恐ろしい時代になったと感じる。
県民から反対されることはわかっていながら、この発表(公約違反!)とは何?
中国や韓国から批判を受けることをわかっていながら総理の靖国参拝とは何?
内にも外にも敵を作ることによってナショナリズムの、お・も・て・な・し⇒表なし!裏ばかり。
ヒミツや不透明さに包まれると人間不信に陥り、それをも利用しようとする怪しい時代になった。
確実に言えることは「戦争の準備をしている」事実だけは拭えない。・・・戦争だ!
敵は中国でしょう。米中接近で哀れニッポンの行く末は?・・・孤立と破滅が待っている。

次回公演では不透明な時代の中、「透明人間、現る!」に取り組む。
不透明な未来は地獄絵図を想像するしかない。目に見えない悪魔の物質によって人類が絶滅した未来。
人類の豊かな繁栄=目先の平和は長続きしなかったのだ。
死んでも死にきれない名もなき人が登場する。
汚染された草や花に語りかける人。
幽霊たちである。・・・戦争で死んでしまった母と娘が復活する。
対して、大日本帝国の旧式ロボットも復活する。
邪魔なものを消すだけに働くロボット。武器は「削除」のボタンである。
血も涙もない。大東亜共栄を掲げ、アジアと世界征服を企む旧式ロボットである。
人間らしく生き延びたアンドロイド(人造人間)が旧式ロボットと大戦する劇をセットした。
アンドロイドの人間らしさとは何か。愛と欲望?
しかし、アンドロイドは痛みを感じない。快楽だけが生きる証となっている。
旧式ロボットは世界支配と絶対権力へ従順である。絶対権力を探す旧式ロボット。
絶対権力は見えない。永遠に探すことしかできない。
幽霊である母娘は愛も欲望も支配ー従順も捨てた。
怨念がメラメラと燃えあがる。目に見えないメラメラである。
この力を透明人間=幽霊は持っている。
音楽は寂しいオルゴールを奏でよう。大半は今ある音楽の逆再生でオリジナル化を図る。
戦争の劇は未来を想定しているが、時間の流れをプツリと断ち切らなければ恐ろしいことになる。

時間をハサミで切る。新しい時間を作り出さなければ繋ぐことはできない。
今、古い時間と繋ぎ合わせようとしているから、次回公演の意味がある。
生きている人間の登場はない。
演ずるは生きている人間=役者。だから、劇は死なない。