武田砂鉄さんのエッセイ「なんかいやな感じ(講談社)」を読了しました。エッセイながら、なかなか読み応えのある本でしたね。内容は少し難しかったけど面白かったです。
筆者の武田砂鉄さんは、1982年生まれ。「物心ついてから今まで、遠くて起きていたこと。近くで起きていたこと。その記憶を重ねて、『社会』を語るためにも、まずは「感じ」を考えてみようと思った。」というコンセプトで、この本を書かれたそうです。「ずっとそこにあって、続いてきたもの。その漠然とした感覚を直視してみようと思った。」ってことなのですね。
「まえがき」に、「今回の本は、自分の体験や思索を振り返るようにして、この社会に染み込んでいる『いやな感じ』はどういう蓄積物なのかを見つめようとした記録である。同世代が読めば通じやすい話も出てくるが、特に世代論ではない。主題は史実や思い出ではなく『感じ』である。」と書かれていました。
昭和、平成、令和のそれぞれの時代時代に社会を覆っていた「なんかいやな感じ」を、武田少年が、武田青年が、大人に成長した武田砂鉄さんが感じた「なんかいやな感じ」の正体を探ったり、考察したり、時には手放そうとしたり。著者の試行錯誤の記録のような印象を受けました。
それぞれの時代の社会的なできごとや事件、そして政治家の言動に対して「いやな感じ」として感じたことを、振り返って分析する手法って面白いな…と思いました。ボクも本を読みながら、当時のことを思い出していました。残念ながら当時のボクは、武田さんのような鋭い感性を持ち合わせてはいませんでしたが、それでも共感できる部分は多々ありました。
まぁこういう本も、たまにはいいですね。最近のボクは、物事を真剣に考える機会が圧倒的に少なくなってきているので、刺激になりました。
それにしても、このブログの紹介がgooのトップページから消えたのに、依然としてアクセス数がもとに戻りません。
今日も「閲覧8493PVってどういうことよ?」って感じです。ここ4〜5日、本家の「週アル」よりもアクセス数が多い日々が続いているんですよ。まぁ一過性の現象で、またすぐに「閲覧数、たった100PVか?」なんていう日々に戻るのではないかと思っていますがね。まぁ「たまに『タケ・タケ・エヴリバディ』を覗いてみるか?」って方が増えたなら嬉しいんですけど。