My ordinary days

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ふと思い立ち第2のキャリアを始めてしまった、流されがちなひとの日々を綴るブログです

グランドツァー

2012-04-23 13:04:32 | 日記
19世紀のイギリスでトーマス・クックが駅馬車によるツァー(ツァーの元の意味は「ろくろ」)を始めたのが団体旅行の初めといわれています。
そのまた100年前の18世紀、イギリスの裕福な貴族子弟の間で流行した旅行がグランドツァー…長い長い修学旅行みたいなものです。長い、というのはそれが数カ月~数年かかるものだったから!旅行というより留学に近い気もするけれど・・・学業を終え見聞を広めるために当時の文化先進国であるフランスやイタリアに家庭教師またはお付きのものの世話お受けながらお出かけするという、優雅な旅行です。近隣諸国の政治文化芸術考古学、などなど生きた知識教養を自らの目で見て身につけるだなんて、なんて贅沢! 

近年日本から海外に留学する人数は減っているそうです。まあ今はわざわざ出かけずともネットで世界のどんな情報だって簡単に集めることができますし、慣れ親しんだところで気持ちよーく暮らしていたいというのもわかりますが、でもさああ。
出かけて自分の五感を使って感じ取らなければわからないこともある、というよりわからないことだらけと思うのだけれど。
みち家の子も特に留学したいとは考えていないようで、勧めてみてもあまり乗り気ではないんだよねえ。昔の昔、私が留学した頃から高校留学する人数は 女の子>男の子だった。 男の子のほうが保守的いうか・・一年無駄になると考えるのだかどうだかわからないですがそういう傾向はありましたが、うーん。

先日紹介したロベールの時代がまさにそんなグランドツァー全盛の時代で、イタリアは古代ローマやルネサンスの遺産が多かったから芸術を志す若者がヨーロッパ各国から集まってきたそうです。
19世紀に入ると上流階級の淑女にもグランドツアーがファッションのように拡がりをみせて独身の小母さまと一緒にイタリア旅行~なんていうのがステイタスになったとか。 今では海外旅行も留学も単に出かけただけではステイタスにもなりはしませんが、それでも本人にどれほどの経験値を与えることになるか。想像以上のものが得られると思う。・・・・のだけど、無理やりに行かせるものでもないし。

できるなら私が行きたい、グラントツァー。

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