スコティッシュ・フォールドのひとりごと

スコティッシュ・フォールドの「ひー(オス・19歳)」とその妹「こっちゃん・11歳」、その飼い主「でれすけ」のブログ

公団阿佐ヶ谷住宅。

2008年05月08日 | 「団地・建物・給水塔」
今回の団地シリーズは、「公団団地の最高傑作」とも言われている、

「公団阿佐ヶ谷住宅」

です。

この団地は、東京都杉並区成田東にある、昭和33年竣工の分譲型団地です。

3~4階建ての「中層フラット棟」と、「テラスハウス」で構成されており、閑静な住宅街を杉並高校に向かって進んで行くと、突然姿をあらわす団地です。

この「公団阿佐ヶ谷住宅」、何故、ここまで有名なのか?

それは、テラスハウスの設計を、超有名建築家である「前川國男建築設計事務所」が設計したからなのです。

しかし、それだけではありません。
前回、「公団高根台団地」の記事で紹介した「津端修一」氏が、団地の配置計画を手がけたのです!!

まさに巨匠2人による「夢のコラボ」団地

50年も前に、公団は、今流行りの「デザイナーズ」団地を作っていたのです

そんな訳で、この団地には、団地マニアのみならず、建築学科の学生さんや、土木造園などの学生さんが、よく見学にやって来るそうです。





まずは、団地の案内板。



朽ち果てた感がたまりません。

団地の中央に中層フラット棟が数棟あり、その周囲をテラスハウスで囲んでいるような配置になっています。

言わずもがな、全ての住棟は「南」向きです。








「給水塔」
本当に、この「給水塔」は、色も形も美しい

でれすけは、このタイプの給水塔が一番好きです。
昔、でれすけが住んでいた公団団地も、このタイプの「給水塔」でした。

見た目から「バット型」と呼ばれることもしばしば…








「中層フラット棟」。

ここも「庇(ひさし)」のあるタイプ。
北側に階段室のある、ごく一般的な住棟。






ベランダの柵が、かなり老朽化してそう…。

分譲団地…ってこともあるのか、サッシは木製ではありません。







この団地の、最大の見所とも言える、「前川國男建築事務所」設計の「テラスハウス」

赤い三角屋根のオシャレさん

これと同じ建物は、世田谷区南烏山にある「公団烏山第一住宅(団地)」にも存在しています。

住棟番号のフォントがカワイイ








これも「前川國男」デザイン「テラスハウス」

切妻屋根が可愛らしい

ちなみに、以前書いた記事(「江戸東京たてもの園」)に前川國男の自邸を載せましたが、どことなく、前川氏の自邸を髣髴とさせるデザインです。








つつじがとっても綺麗です。

住民の退去が完了した建物には、板が打ち付けられ、侵入できないようになっています…。

毎年、春になると美しい花を咲かせ、住民の目を楽しませていたであろうつつじ。

この家に住んでいた住民は、もう、この美しいつつじを見ることもないのでしょう…。







このテラスハウスも、退去完了。







南側の窓にも、板が打ち付けられています。

もう、この家には誰も帰ってはきません。

このテラスハウスは、今、静かに永遠の眠りにつこうとしています…。








このテラスハウスは、「公団デザイン」

でれすけは、烏山第一に友人がおり、前川デザインのテラスハウス内には入ったことがあるのですが、この「公団デザイン」のテラスハウスの中には入ったことがありません。

…一度でイイから入ってみたかった

前川デザインのテラスハウス&中層フラット棟の住棟番号が「黒」だったのに対して、「公団デザイン」の住棟番号の色は「茶色」。








「公団デザイン」のテラスハウスも、立ち退き完了。








ちなみに、「公団デザイン」のテラスハウスの17号棟の住棟番号のカラーは「青」。

このフォント&カラーは、でれすけが住んでいた公団団地のものと一緒

思わず目頭が熱くなるでれすけ…









それにしても、緑の多い団地です。

団地に緑がある…って言うよりは、緑の中に団地を建てた…って感じ。








この団地も、もうすぐ取り壊されてしまいます。

テラスハウスはほとんど立ち退きが完了しています。

50年前に建てられた「デザイナーズ団地」も、もう、見納めです…。