沖永良部の世之主伝説によれば、要家とは世之主の母親の実家にあたる家柄だそうです。代々ノロを世襲してきたお家だとか。その要家は当家からしてみれば、世之主の母方の実家ということになります。そもそもノロをやっていたお家ということは、それなりの家柄だったはずです。
沖永良部を含む琉球時代の島々には、ノロとユタという人たちがいたそうです。それぞれにどういった人たちだったのかまとめてみました。
【ノロ】
神託(神の意を伺う)と国や地域の為に祈る役目のシャーマン(民間の仕事はしておらず、公的な仕事)いわゆる巫女さん的な存在にあたる人ではあるが、巫女は補佐的な役割であるがノロは神官そのものである。
琉球王国時代はノロ国の特権階級で、かなり身分の高い存在でした。その最高峰は聞得大君(きこえのおおきみ)といい王家に生まれた女性や王妃がそのお役目をしていた程です。原則として世襲制で、ノロ殿地(どぅんち)と呼ばれる家系から出る。これらの多くは、琉球王国時代に王府より任命されたもので、元々は各地域の有力按司(あじ)の肉親(姉、妹、妻など)と考えられている。ノロも幾つかのの階級がありましたが、ほぼ世襲制度(家系)だったと言われています。
職種:国家・地方公務員
条件:血筋や家柄で任命
交信する対象:守護神やニライカナイの神々
【ユタ】
一般個人を相手に、亡くなった人霊などの言葉を聞き伝える霊媒師。または民間の先祖供養などに関わる仕事。
注:必ずしも霊能力者でないし、占い師や風水師でもない。
職種:個人事業主
条件:身分や家柄に関係なく能力があれば誰でも(超自然的な能力or修行で能力を身に着ける)
交信する対象:祖先の霊や人間の魂
要家はりっぱなお家柄であったようです。この要家と当家は親戚であることが代々伝えられてきました。母方の家系であるので当然親戚なのですが、その他にも繋がりがあるのではないかとお爺様の資料を探していたところ、当家から養子に行かれた方が分かりました。
宗家2代目の次男である池城という人です。しかも、この人の叔母にあたる人が要家に嫁に行っており、その嗣子がなかったために池城が叔母のところに養子にいったようです。叔母の結婚相手などの名前は分かりませんが、母方の家系というだけでなく、婚姻や養子縁組による親戚になったようです。
宗家本家筋の家系に保管されている書です。大事なところが破れていますが、控えがありましたので
下段に家系図にしています。
もちろんそれ以前の関係もあったかもしれませんし、それ以後の関係もあったかもしれません。昔の沖永良部では、本土でも同じだと思いますが、その家系の血を守っていくために親族で結婚を繰り返してきています。お爺様が書き残した親族関係の書には400名以上の方々の名前と婚姻関係が書かれていました。今年のお正月にコツコツと家系図作りをしていたのですが、親族結婚が多くて、大変な家系図になってしまいました。
昨年の11月に、本土の方にお住いの要家にお電話でコンタクトを取らさせてもらいました。私が先祖調査をしている件などを、お電話にでられた奥様にお話しさせてもらいました。急なお電話でちょっとびっくりされたご様子でしたが、きちんと私の話を聞いてくださって、丁寧に対応してくださいました。ご都合で今はお会いできないのですが、いずれお会いして、お話を伺うと共にあちらに保管されている古文書やその他の資料を拝見できればと思っております。
奥様のお話では、ご主人のお母様にあたる方が宗家の方だったようです。近年になってもまだつながりはあったようですね。
この要家と当家の繋がりや、その他の真実が近いうちに分かるといいなと願って活動を続けていきたいと思います。