韓国の大型旅客船が座礁して救助を求めているというニュース
が流れたのが4月16日の昼。客船が次第に傾き沈没していく映像や
被災者の家族の悲痛な叫びに、もらい泣きする日々が続き、3日目の
昼過ぎのニュースの映像には、船底も消えうせていた。そして今も
昼夜を分かたず懸命の救助活動が続けられているようだが、死者の
数だけが空しく増え続けて胸は痛むばかりだ。救助の一報が入ること
を祈りながらニュースの画面に釘付けになっている。
海難事故ではないが、日本でも人命軽視による重大事故が2005年4月
JR福知山線の脱線事故で107名の死者を出しているので、日本国民と
して他国のことをとやかく言う立場ではないが、修学旅行中の高校生
320人が事故に遭遇し、その大半が亡くなるか行方不明だ。この大惨事
を招いたのは人命を軽視した韓国の船会社や船長を始めとした乗員た
ち。難所の海域を経験の浅い3等航海士に任せた軽率さだけでなく、
「危険だから、その場から動かないように」と船内アナウンスをし
ながら船長はじめ乗員たち29人は船内に残っている多くの客を後に、
脱出したという。旅客船の乗員は、事故が発生した時は客救出・脱出
に全力を上げ、自らは最後に離船するように義務付けられている。船
長は客を見捨てて、先に救出され救出の受付では「一般人」と記載し
たとの報道には唖然とした。「ひどいなあ」思わず口をついて出た
と同時に怒りがこみ上げてきた。この時、約60年前の、修学旅行中の
小学生を中心に168名の犠牲者をだした紫雲丸沈没事故を思い出した。
ウィキペディアを見ると
「第三宇高丸側は衝突後、損傷状況から直ちに紫雲丸の沈没を
予見した。紫雲丸機関室への浸水を防ぐためと、避難する船客の
移乗を図るために左舵一杯に取ったまま機関を全速前進として紫雲
丸を押し続け、浸水の緩和を試みた。乗客は次々に第三宇高丸に逃
げたが、船内には多数の児童が残されていた。引率の教員の中には
、第三宇高丸に一旦避難した後、再び船内に戻り犠牲となった例も
あった。修学旅行の途中で、持っていた家族への土産等を探すなど
して逃げ遅れたことが、被害を大きくしたと言われている。・・・
・・紫雲丸は衝突から数分後の7時2分頃、乗務員等の懸命の作業の
甲斐なく左舷に横転し沈没した。その際、中村正雄船長は退
船を拒否し、ブリッジに残り船と共に海中に沈んだ」
日本は韓国と同じく人命を軽視する傾向はあるが、事故になった時の
対応は全く違う。韓国の「セウォル号」は穏やかな海上での操船ミスに
よる、いわば自損事故で、紫雲丸は濃霧の中の衝突事故だ。
ところが珍島沖で沈没した韓国旅客船は、日本の船だったという報道
があり、一部では「危険な船を日本は韓国に売りつけたので日本側の船
会社にも、建造した日本の造船会社にも責任がある」という馬鹿げた論
調もあるようだが、船舶業界にも中古市場はあり、日本に限らず建造
して20年程度で仲介業者を通して取引されている。当然、売買に当た
っては車と同じで事故歴があれば事故の証明書、修理歴、船体、機関
等の現況を仲介業者に書面をもって報告して売却を依頼する。仲介業
者も自らの点検方法で売却する前に売主の報告に間違いがないかチェ
ックするはずだ。仲介業者から紹介を受けた買主は仲介業者が提示し
た報告書を吟味した上で船の専門家を伴って船体のチェック、機関の
チェックを行い、場合によっては試運転までするはず。それで納得で
きれば契約成立となる。セウォル号の船会社は、その上で船を購入し、
増築したのだろう。中古客船を安全に使用したいのであればリニュー
アルに際して、船体に負担がかかる増築など以ての外だ。階層を一段
増やして船体の重心を上げ、客数を100人増やすような無謀なことは
止めて、船体や機関への負担を軽減するために、むしろスリム化さ
せるべきだったろう。これが「日本責任論」への反論の論点の一つで、
もう一つの論点は、セウォル号の前身は日本のマルエーライン社の
「フェリーなみのうえ」として1994年6月に竣工して2012年10月に退
役するまでの18年間、無事故で通している。退役するまでの18年間
無事故だった「フェリーなみのうえ」を韓国の海運会社は改造した
うえ、1年半足らずで今回の事故に至らしめた。増築がなされた以上、
それは改修ではなく改造だ。18年間、無事故だった船舶を改造した時
点で、売主のマルエーライン社のセウォル号に対する瑕疵担保責任は
消滅したことになる。また、「フェリーなみのうえ」より1年後に就
航した「ありあけ」号が同じ造船会社で建造されているため、「あり
あけ横転事故」をセウォル号の事故と同じ事故だとする韓国の論調
があるようだが、「ありあけ」は海が時化ているなかでの事故だ。
ウィキペディアで
「事故原因は、復元力が低下する追い風航行中に、左舷方から高波を
受けて右舷側に25度の傾斜が発生したことで、固縛されていない積載
コンテナが横滑りして固縛されていたコンテナや車両などに荷重が加
わって固縛装置が破断して右舷側に積載物が寄り、これにより船体が
左急旋回し、旋回中に第二波を受けて傾斜が40度を超えて完全に復元
力を失ったことにあった」との事故調査結果があるが、セウォル号は
韓国国立海洋調査院の発表によると、「現場周辺は水深27m-50mで
目立った暗礁はなく、16日午前時点で視界は良好、波高約1mと、航行
の安全に影響するような自然条件はなかった」というもの。穏やか
な海を航行していて自ら航行能力を喪失したものだ。比較するほうが
可笑しい。
更に最新のニュースに「セウォル号は事故当時、基準の3倍以上の
約3600トンの過積載があったのではないか」という指摘があるようで、
これはセウォル号が復元力を維持するための上限987トンの3倍以上と
いうことで、これが原因で左右に揺れながら航行していて、最後に
は操舵さえ不可能になったものと判断される。更に今朝のニュースで
は船体を軽くし推力を得て燃料を節約するために、「復元力」を保持す
るための「バラスト水」の取水制限を行なっていたのではないかと取り
沙汰されている。過積載も日常化しているといわれる韓国海運業界も批
判の矢面に立たされ、この監視・指導に当たっている韓国政府の対応に
批判が集中しはじめた。
事故の真相が徐々に解明されつつあるので、どこの、誰の主張が正し
いかは日を待たずして分かる。だから感情的な応酬は控えるべきだ
が、ことほど左様に日本のネット世論を見ると日本のブログやサイト
のコメントでは論調とは程遠い感情的な言説や反発・攻撃が多く見受
けられる。
例えば日本政府が韓国政府に救援を申し入れたものの、韓国からは救
援を拒否されたことに、あるブログは「反日だ」と騒いでいる。だった
ら阪神淡路大震災の時、米国をはじめ世界のいくつかの国々からの
救援の申し出を断ってしまった日本政府の対応は「反世界」と言う
ことになるが、どう弁解するつもりだ?「反日」と叫ぶなら、もっと
学習すべきだろう。
更に修学旅行で犠牲者を出した韓国の檀園高校を調べて、檀園高校が
「竹島(独島)守る決意大会」に参加し今回の行き先も済州抗日記念館だ
ったので「反日」だとして、「罰が当たった」などの低レベルの言説は
、あまりにも稚拙で短絡的だ。韓国の学校が愛国主義教育の一環とし
て子供たちを誘導し動員したからといって、それをそのまま「反日」と
決め付け騒ぐべきではない。
こう言えば当方も「反日」だとか「売国奴」などとレッテルを貼られ
るかもしれないので、当方の過去の「語録」を披瀝しておく。今から
18年前の1996年12月に起きたフジモリ大統領在任中の「ペルー日本大
使公邸占拠・人質事件」。日本政府も打つ手がなく膠着状態で解決の見
通しがつかないまま、年が明けたある日、当方は外務省に電話を掛け
て叫んだ。「なぜ全権大使を現地に派遣しないのか。直ちに全権大使
を派遣して人質の解放交渉をすべきだ。そして解決できないと判断し
たらアメリカに頼んで特殊部隊を突入させて人質を救出すべきだ」
「遠い南米の地で頑張っている日本の末裔の足を引っ張る気かっ」
31年前の1983年のソ連軍戦闘機による「大韓航空機撃墜事件」。ニュー
スが流れて、すかさず当方はソ連大使館に抗議の電話をした。大使館
は最初は日本語での丁寧な対応だったが、激昂している当方は構わず
叫んだ。「民間機が誤侵入した場合は戦闘機が警告をしたうえで領空
外に誘導するのじゃないのか。民間機を撃墜するとは、何事かっ。
日本から出ていけっ!」ソ連大使館の職員は急にロシア語で話していた。
当時、当方は韓国に関心があったわけではないが、人の生命に国境は
ない。だから今回の沈没事故も当方に限らず多くの日本人が心を痛
めているはずだ。まして、これから大学へ進学するか社会に出て、
洋々たる人生が待ち受けていたのに、多くの高校生たちが夢を断た
れ命を絶たれてしまった。迫りくる海水を前に、死を覚悟して死ん
でいかなければならない状況を子供たちに与えたという過酷を思
うと涙を禁じえない。
韓国よ!子供たちは韓国だけの宝ではないぞ。世界の宝。アジアの
宝。そして隣国同士の宝。この共有する「子供」というかけがえ
のない宝を前にして大人のエゴがあってはならない。大人のエゴとは
人命軽視の利益至上主義ばかりではない。隣国同士で大人同士が憎
しみ合うのも大人のエゴだ。日本にも従軍慰安婦問題をはじめとし
た歴史認識に依然として隔たりが大きく、これを冷静に客観的に精査
することなく感情的に国民を煽る保守系政治家や保守論客たちの言
動には、当方をはじめ多くの日本国民が辟易しているのも確かだ。
韓国よ。そして韓国の国民よ、憎しみ会うのを止めようではないか。
従軍慰安婦像の建立も止めて欲しい。憎悪をもって憎悪を招くやり
方は、いつか互いの生命を傷つけあうことになる。それが次代を担
う子供たちへ波及する。この事故で亡くなった方々・子等も、それ
を望んではいまい。これを機に憎しみの連鎖を断ち切ろう。それが、
この事故に限らず東日本大震災で亡くなった方々への供養でもある。
韓国よ
従軍慰安婦像の
建立を止め
子供たちの
命を守ることに
心血を注げ
が流れたのが4月16日の昼。客船が次第に傾き沈没していく映像や
被災者の家族の悲痛な叫びに、もらい泣きする日々が続き、3日目の
昼過ぎのニュースの映像には、船底も消えうせていた。そして今も
昼夜を分かたず懸命の救助活動が続けられているようだが、死者の
数だけが空しく増え続けて胸は痛むばかりだ。救助の一報が入ること
を祈りながらニュースの画面に釘付けになっている。
海難事故ではないが、日本でも人命軽視による重大事故が2005年4月
JR福知山線の脱線事故で107名の死者を出しているので、日本国民と
して他国のことをとやかく言う立場ではないが、修学旅行中の高校生
320人が事故に遭遇し、その大半が亡くなるか行方不明だ。この大惨事
を招いたのは人命を軽視した韓国の船会社や船長を始めとした乗員た
ち。難所の海域を経験の浅い3等航海士に任せた軽率さだけでなく、
「危険だから、その場から動かないように」と船内アナウンスをし
ながら船長はじめ乗員たち29人は船内に残っている多くの客を後に、
脱出したという。旅客船の乗員は、事故が発生した時は客救出・脱出
に全力を上げ、自らは最後に離船するように義務付けられている。船
長は客を見捨てて、先に救出され救出の受付では「一般人」と記載し
たとの報道には唖然とした。「ひどいなあ」思わず口をついて出た
と同時に怒りがこみ上げてきた。この時、約60年前の、修学旅行中の
小学生を中心に168名の犠牲者をだした紫雲丸沈没事故を思い出した。
ウィキペディアを見ると
「第三宇高丸側は衝突後、損傷状況から直ちに紫雲丸の沈没を
予見した。紫雲丸機関室への浸水を防ぐためと、避難する船客の
移乗を図るために左舵一杯に取ったまま機関を全速前進として紫雲
丸を押し続け、浸水の緩和を試みた。乗客は次々に第三宇高丸に逃
げたが、船内には多数の児童が残されていた。引率の教員の中には
、第三宇高丸に一旦避難した後、再び船内に戻り犠牲となった例も
あった。修学旅行の途中で、持っていた家族への土産等を探すなど
して逃げ遅れたことが、被害を大きくしたと言われている。・・・
・・紫雲丸は衝突から数分後の7時2分頃、乗務員等の懸命の作業の
甲斐なく左舷に横転し沈没した。その際、中村正雄船長は退
船を拒否し、ブリッジに残り船と共に海中に沈んだ」
日本は韓国と同じく人命を軽視する傾向はあるが、事故になった時の
対応は全く違う。韓国の「セウォル号」は穏やかな海上での操船ミスに
よる、いわば自損事故で、紫雲丸は濃霧の中の衝突事故だ。
ところが珍島沖で沈没した韓国旅客船は、日本の船だったという報道
があり、一部では「危険な船を日本は韓国に売りつけたので日本側の船
会社にも、建造した日本の造船会社にも責任がある」という馬鹿げた論
調もあるようだが、船舶業界にも中古市場はあり、日本に限らず建造
して20年程度で仲介業者を通して取引されている。当然、売買に当た
っては車と同じで事故歴があれば事故の証明書、修理歴、船体、機関
等の現況を仲介業者に書面をもって報告して売却を依頼する。仲介業
者も自らの点検方法で売却する前に売主の報告に間違いがないかチェ
ックするはずだ。仲介業者から紹介を受けた買主は仲介業者が提示し
た報告書を吟味した上で船の専門家を伴って船体のチェック、機関の
チェックを行い、場合によっては試運転までするはず。それで納得で
きれば契約成立となる。セウォル号の船会社は、その上で船を購入し、
増築したのだろう。中古客船を安全に使用したいのであればリニュー
アルに際して、船体に負担がかかる増築など以ての外だ。階層を一段
増やして船体の重心を上げ、客数を100人増やすような無謀なことは
止めて、船体や機関への負担を軽減するために、むしろスリム化さ
せるべきだったろう。これが「日本責任論」への反論の論点の一つで、
もう一つの論点は、セウォル号の前身は日本のマルエーライン社の
「フェリーなみのうえ」として1994年6月に竣工して2012年10月に退
役するまでの18年間、無事故で通している。退役するまでの18年間
無事故だった「フェリーなみのうえ」を韓国の海運会社は改造した
うえ、1年半足らずで今回の事故に至らしめた。増築がなされた以上、
それは改修ではなく改造だ。18年間、無事故だった船舶を改造した時
点で、売主のマルエーライン社のセウォル号に対する瑕疵担保責任は
消滅したことになる。また、「フェリーなみのうえ」より1年後に就
航した「ありあけ」号が同じ造船会社で建造されているため、「あり
あけ横転事故」をセウォル号の事故と同じ事故だとする韓国の論調
があるようだが、「ありあけ」は海が時化ているなかでの事故だ。
ウィキペディアで
「事故原因は、復元力が低下する追い風航行中に、左舷方から高波を
受けて右舷側に25度の傾斜が発生したことで、固縛されていない積載
コンテナが横滑りして固縛されていたコンテナや車両などに荷重が加
わって固縛装置が破断して右舷側に積載物が寄り、これにより船体が
左急旋回し、旋回中に第二波を受けて傾斜が40度を超えて完全に復元
力を失ったことにあった」との事故調査結果があるが、セウォル号は
韓国国立海洋調査院の発表によると、「現場周辺は水深27m-50mで
目立った暗礁はなく、16日午前時点で視界は良好、波高約1mと、航行
の安全に影響するような自然条件はなかった」というもの。穏やか
な海を航行していて自ら航行能力を喪失したものだ。比較するほうが
可笑しい。
更に最新のニュースに「セウォル号は事故当時、基準の3倍以上の
約3600トンの過積載があったのではないか」という指摘があるようで、
これはセウォル号が復元力を維持するための上限987トンの3倍以上と
いうことで、これが原因で左右に揺れながら航行していて、最後に
は操舵さえ不可能になったものと判断される。更に今朝のニュースで
は船体を軽くし推力を得て燃料を節約するために、「復元力」を保持す
るための「バラスト水」の取水制限を行なっていたのではないかと取り
沙汰されている。過積載も日常化しているといわれる韓国海運業界も批
判の矢面に立たされ、この監視・指導に当たっている韓国政府の対応に
批判が集中しはじめた。
事故の真相が徐々に解明されつつあるので、どこの、誰の主張が正し
いかは日を待たずして分かる。だから感情的な応酬は控えるべきだ
が、ことほど左様に日本のネット世論を見ると日本のブログやサイト
のコメントでは論調とは程遠い感情的な言説や反発・攻撃が多く見受
けられる。
例えば日本政府が韓国政府に救援を申し入れたものの、韓国からは救
援を拒否されたことに、あるブログは「反日だ」と騒いでいる。だった
ら阪神淡路大震災の時、米国をはじめ世界のいくつかの国々からの
救援の申し出を断ってしまった日本政府の対応は「反世界」と言う
ことになるが、どう弁解するつもりだ?「反日」と叫ぶなら、もっと
学習すべきだろう。
更に修学旅行で犠牲者を出した韓国の檀園高校を調べて、檀園高校が
「竹島(独島)守る決意大会」に参加し今回の行き先も済州抗日記念館だ
ったので「反日」だとして、「罰が当たった」などの低レベルの言説は
、あまりにも稚拙で短絡的だ。韓国の学校が愛国主義教育の一環とし
て子供たちを誘導し動員したからといって、それをそのまま「反日」と
決め付け騒ぐべきではない。
こう言えば当方も「反日」だとか「売国奴」などとレッテルを貼られ
るかもしれないので、当方の過去の「語録」を披瀝しておく。今から
18年前の1996年12月に起きたフジモリ大統領在任中の「ペルー日本大
使公邸占拠・人質事件」。日本政府も打つ手がなく膠着状態で解決の見
通しがつかないまま、年が明けたある日、当方は外務省に電話を掛け
て叫んだ。「なぜ全権大使を現地に派遣しないのか。直ちに全権大使
を派遣して人質の解放交渉をすべきだ。そして解決できないと判断し
たらアメリカに頼んで特殊部隊を突入させて人質を救出すべきだ」
「遠い南米の地で頑張っている日本の末裔の足を引っ張る気かっ」
31年前の1983年のソ連軍戦闘機による「大韓航空機撃墜事件」。ニュー
スが流れて、すかさず当方はソ連大使館に抗議の電話をした。大使館
は最初は日本語での丁寧な対応だったが、激昂している当方は構わず
叫んだ。「民間機が誤侵入した場合は戦闘機が警告をしたうえで領空
外に誘導するのじゃないのか。民間機を撃墜するとは、何事かっ。
日本から出ていけっ!」ソ連大使館の職員は急にロシア語で話していた。
当時、当方は韓国に関心があったわけではないが、人の生命に国境は
ない。だから今回の沈没事故も当方に限らず多くの日本人が心を痛
めているはずだ。まして、これから大学へ進学するか社会に出て、
洋々たる人生が待ち受けていたのに、多くの高校生たちが夢を断た
れ命を絶たれてしまった。迫りくる海水を前に、死を覚悟して死ん
でいかなければならない状況を子供たちに与えたという過酷を思
うと涙を禁じえない。
韓国よ!子供たちは韓国だけの宝ではないぞ。世界の宝。アジアの
宝。そして隣国同士の宝。この共有する「子供」というかけがえ
のない宝を前にして大人のエゴがあってはならない。大人のエゴとは
人命軽視の利益至上主義ばかりではない。隣国同士で大人同士が憎
しみ合うのも大人のエゴだ。日本にも従軍慰安婦問題をはじめとし
た歴史認識に依然として隔たりが大きく、これを冷静に客観的に精査
することなく感情的に国民を煽る保守系政治家や保守論客たちの言
動には、当方をはじめ多くの日本国民が辟易しているのも確かだ。
韓国よ。そして韓国の国民よ、憎しみ会うのを止めようではないか。
従軍慰安婦像の建立も止めて欲しい。憎悪をもって憎悪を招くやり
方は、いつか互いの生命を傷つけあうことになる。それが次代を担
う子供たちへ波及する。この事故で亡くなった方々・子等も、それ
を望んではいまい。これを機に憎しみの連鎖を断ち切ろう。それが、
この事故に限らず東日本大震災で亡くなった方々への供養でもある。
韓国よ
従軍慰安婦像の
建立を止め
子供たちの
命を守ることに
心血を注げ