非才無才の雄叫び

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NH K特集ドラマ「アイドル」に胸打たれ涙した!

2022-08-12 05:52:55 | 日記
8月11日 NHKの午後7時のニュースに続いて7時30分から
特集ドラマ「アイドル」が始まった。

テロップに「昭和11年」と出たので、そんな古い時代から
「アイドル」があったのかと、中ば感心しながらテレビの
画面を見入った。

物語は、スターを目指して山形から上京した、とし子という
少女が新宿のムーランルージュという劇場で、「明日待子」
という芸名で「アイドル」になり太平洋戦争の戦時下を活躍
していく様を描いている。
特に、とし子が「アイドル」の中心に抜擢されて、グループ
で踊っているさまは、現在のAKB48を彷彿とさせる。
いや、AKB48の原型がここにあったのかと思った。

上京してムーランルージュの舞台でオーディションを受ける
とし子は、場違いな小唄の踊りを披露するが、支配人に不合
格を告げられる。支配人に泣き付いているとし子を救ったの
はムーランルージュのスター女優・高輪芳子の一言だった。
その一言で支配人の佐々木は、とし子を合格にした。
そして、とし子のムーランルージュでの下働きが始まる。
下働きしながら、夜誰もいない舞台で練習に励むとし子を
支配人は見逃さなかった。
とし子が働き始めて半年過ぎた頃、スター女優の芳子が結核
で倒れる。
混乱する劇場で決断した支配人の佐々木は、全員を集めて
「これからはベテランのスターはいらない。素人っぽいので
十分。中心は・・・」と、とし子を指名する。本人も仰天
するが、周りも仰天した。「こんな素人を」の声に耳を貸さず
支配人は別室に、とし子を連れていき、説得する。
「これからはファンと等身大の『アイドール』が必要なんだ」
と時代の流れを鋭く洞察した支配人の言葉が、とし子を揺する。
そして「明日待ってるよ、ということで、お前の名前は明日か
ら明日(あした)待子だ」

やがてアイドルとして、華やかな舞台で、人気絶頂の明日
待子に学生の恋人ができる。デートを重ねるうちに、恋人
須貝から学徒出陣に参加することを告げられる。そして
恋人は戦地に向かう。

そんな中、政府から戦地慰問の要請が、支配人に届くが
決断がつかない支配人は、団員を集めて相談する。
明日待子は「戦地の兵士を慰問すべき」と主張するが
支配人の佐々木は「ムーランルージュを戦争の道具にしたく
ない」とがんとして受け付けない。

しかし、明日待子は、恋人への会いたさもあって単独で戦地を
慰問する。
前線の基地に着いた待子は、司令官から「明日、兵士たちは
前線に向かう。喜んで死んで行けるようにしたい。よろしく
お願いします」と告げられ衝撃を受ける。

およそ3,000人の兵士の前で舞台に立って一人歌う待子は
兵士の中に恋人を目で探しながら歌うが、胸の苦しさに
耐え切れず、ついに二番が歌えなくなってしまう。

戦地から戻った待子は、兵士たちを死地へ送ってしまった
という自責の念に悩まされ続ける。

その待子を励まそうと、支配人が、行李2箱をプレゼントだ
と言って、待子の前に置いて、蓋を開けると、それはファン
レターの山だった。

待子はファンレターの束を抱えて泣き崩れる。

この場面は胸が痛んで、涙が出た。

看板俳優の山口も招集されて戦地へ向かう。

そして終戦となって、戦後の荒廃した中から、ムーランル
ージュでは、支配人や待子たちを前に、一人の少女が舞台
に立って歌謡曲を歌っている。

小生は思わず「美空ひばりだ」と口走った。

ムーランルージュの外のベンチで人待ち顔の、先ほどの
少女に、待子が近寄り名前を尋ねる。
「お名前、なんていうの?」
「美空和枝」

美空ひばりの本名は「加藤和枝」だ。
小生の感が的中したと思った瞬間、涙が溢れてきた。

このドラマの作者は、少女に、敢て「美空」と名乗らせて、
「美空ひばり」の存在を視聴者に見せたかったのだ。
そして、この少女・美空和枝こそが、待子の後を受け継いで
アイドルになり、戦後の希望の星になっていく暗示した場面
でドラマは終了する。

見ごたえがあったが、ファンレターを抱えて号泣するとし子
の姿は娯楽、エンターテイメントの厳しさを教えてくれた。

しかし、どうしてか、ドラマが終わった後も、
ひばりちゃんの姿が
目に浮かんで仕方がなかった。













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