2019年11月16日(土)13:00~17:00、たかむく古城ホールにて、
丸岡城シンポジウム「ここまでわかった!お天守の新しい知見と謎」が行われ参加してきました。
〇福井工業大学客員教授吉田純一氏の基調講演「丸岡城総合調査でわかったこと」
★年輪年代測定などによる新たな建築年代の推定
①年輪年代測定法 ・西破風部屋の戸板は1620年+α ・北出部屋の床板も1620年代頃
②放射性炭素(C14)年代測定法 ・旧通柱は1623年、現天守の古材も1620年代
③酸素同位体比年輪調査法 ・旧通柱は1626年
丸岡城の古材の多くは1620年代後半以降に伐採された木材が使用されていることが科学的に検証された。
〇(一財)日本建築センター評定部審議役の木林長仁氏は「伝統的な木造建築から観た骨組の特徴」
〇滋賀県立大学教授の中井均氏は「石垣から見た丸岡城天守の構造年代」
〇福井大学名誉教授の松浦義則氏は「丸岡城築城の歴史的背景」
についての丸岡城天守の調査報告が行われました。
一部の板戸の扉板が東北産ヒバ材が使われていたことから、日本海海運により三国湊も関係しているようですね。
丸岡城天守の創建年代については、文献上に天正4(1576)年に柴田勝豊が丸岡城を築いたとあることから、
天守も同時期に創建したという説がある一方、建築様式や本多家の立葵紋がある鬼瓦が残っていることから、
本多氏が入城した慶長頃(1610)より後の創建ではないかという説の二つの説が語られています。
政保4(1647)年に描かれた絵図には瓦葺き3階建て天守が描かれていることから、
17世紀前半には建設されていたことは確実です。
今回の調査結果では、寛永元(1624)年に、福井藩から独立し丸岡藩が誕生したタイミングが有力と言う事だと思います。
入場無料ですが、今回は入場整理券が必要でした。
ホールに入れなかった人は3階会議室でライブ中継が行われていました。