令和元年6月8日(土)午前9時30分
JA花咲丸岡支店にて、しいのみ共生会総会があり、出席してきました。
挨拶終了後
講師:小杉真一郎氏(福井市足羽小学校校長)による講演会が行われ、参加してきました。
演題は、
人間関係と自己肯定感を軸とした育て方・生き方を考える
~幼小時期から青年期までを見通し、最新の脳科学と関連して~
〇コミュニケーションのはじまり
(1)生理的微笑 → 社会的微笑
・生理的微笑とは、赤ちゃんが生まれ持った、本能的・無意識的に起こる微笑みのこと。
・社会的微笑とは、親に抱っこしてあやしてもらったり、興味のある物を見たりした時に赤ちゃんが見せる微笑みのこと。
・どの子も笑顔ができるように生まれてくる。
・それにまわりの人、大人、親が応える。
・そのやりとりがコミュニケーションのはじまり。
・自閉症の赤ちゃんは、表情の一部分の変化(まゆ毛や目じりが下がり、口もとが上がる)
がわからずまねできない(選択的注意ができず)=スタートでつまずき
(2)共同注意(視覚追従、視覚的共同注意)
・相手の見る方向を見る
・相手の見ているものに意識して注意を向ける
・指している先のものがわかる
〇その後の子どもの心と人間関係の発達
<愛着行動の発達段階>ボウルビィ(英1907-1990)の愛着理論
第一段階(新生児期~生後2、3か月)
・原始反射や生理的微笑で、周囲の大人の心をつかみ、自発的な係わりを引き出しやりとり拡大
第二段階(生後3か月~生後6か月)
・母親に話しかけられると歓声をあげて微笑み、喜びの反応
・見知らぬ人にはけげんな顔をして後ずさり、泣き出す
第三段階(生後6か月~2、3歳)
・生後6か月から人見知り、ハイハイなど移動できると後追い
・愛着関係が十分にできている場合、母親を「心の港」として周囲に積極的に働きかけるようになる
第四段階(生後3歳~)
・母親がいない時でも、母親が自分のことを大切に思う気持ちを心の中にもっておくことができる
・ひとりでも安心して活動が可能になる
〇愛着行動の最新研究=脳科学
・スキンシップをしたり目を合わせたりなど一緒に楽しい経験をしたりすると・・・「オキシトシン」という脳内物質が増える。それが、脳の前の部分の働きをよくする。
「オキシトシン」ヒトや哺乳類の動物が、互いに信頼関係を築いたり、親子関係(愛情関係)を築く際に出るといわれる脳内物質。
・愛着行動がしっかり形成された子や信頼関係が誰かと築くことができた子は、オキシトシンがしっかりと分泌され、心が安定する。
・前頭葉の働きがよくなるから
行動のコントロール、信頼関係、心の安定、安心感、親切心、ストレス緩和、集団への貢献
〇人の育ちと人間関係と情緒の安定
・苦手なこと、できないことののみの指導 → 自信の無さ・自己否定・不適切な行動<自己像の矮小化>
・チャレンジ、好きなこと得意なことを伸ばす指導 → 自信・自己肯定感・認められる信頼感
・①まずは、特定の大人との関係それが徐々に広がる
②特定の友達との関係
③集団の中で認め合う経験、他者肯定
心の土台、自己肯定観は愛着行動により築かれる
〇生活に関すること
①生活リズム(早寝・早起き・朝ご飯)
★睡眠の大切さ ⇒ 寝ている間に脳の傷の修復
小学生で9時間、高校生でも8時間は必要。
★朝ご飯 ⇒ 午前中の活動(特に脳)のエネルギー源
1)成長ホルモン分泌(骨、肉を作り、傷を治す)
2)体内時計の調整、気持ちを落ち着かせる
3)気持ちのコントロール(イライラをなくす)
4)学習したことを整理して、しっかり記憶
5)朝に体温を高くして、活動しやすくする
②スマホやゲームの影響(2/19、NHK「クローズアップ現代+」)
1)スマホやゲームを1時間以上やっている子ども
・家庭での学習時間に関係なく、学力が低下する
・脳の血流が悪くなる。特に前の部分が働かなくなる。
イライラ、暴言、集中力の低下、心のコントロール低下
・大人でも脳過労に(スマホデトックスで脳機能が少し復活)
2)以前から、ゲームやネット等の依存の危険性が言われている
・文科省は、小学生のスマホ使用を認める動きがあるが
大人でも依存になる人が多い中、保護者や業者が
子どもの使用をどうコントロールするかが重要となる
③生活経験を豊かに=心を豊かに
1)作る、作業、働くこと=子どもと一緒にする
2)読み聞かせ、絵を描くこと=想像力を豊かに、豊かな心を育む
3)失敗の乗り越え方(次どうしたらよいか、前向きの姿勢)
4)外遊び=達成感、語彙、自信、自己肯定感
〇なぜ、虐待が増えるのか?
①本当に子どもが求めているもの=誰かに存在を認めてほしい
実は、良い存在でいたい。満足感、有能感を感じたい
⇓
でも、良い存在として認められなければ不適切な方法でも、
人とのかかわりを求める方向へ
<子どもが虐待を誘発することもある>
理想像の子どもになってほしい大人とのバトルに
<ボノボの親子の物語>
②虐待による脳の影響
・脳の縮小=脳細胞の死滅
・心的外傷後ストレス ⇒ トラウマ
統合失調症など
※言葉だけの虐待や無視(ネグレスト)
夫婦ゲンカ(DV)を見るだけでも
<虐待の連鎖を止めるには>
・叱るとき=感情的にならず、余裕をもって(3秒ルール)
・良いところに視点をあて、伸ばし、育てる
・スキンシップ、ともに楽しむ活動を増やす
・家庭の中での役割(認められること)をもたせ、有能感を育てる
・外部の相談者(専門家)とつながる
〇脳のはたらきとまとめ
<前頭葉>
・他人の感情理解
・意欲、チャレンジ精神(繰り返す練習の意欲も)
・行動や感情のコントロール
・アイディア、芸術を生み出す力
・集中力
・2~3のことを同時にできる力
<側頭葉>
・音や言葉を理解する
・音をイメージでとらえる
<後頭葉>
・人の顔や物の形など見た物を理解する
・見た物をイメージとしてとらえる
☆「できた!」「認められた!」「誰かの役に立った!」喜びが脳の神経を伸ばす
☆「叱られたこと」「嫌な体験」が脳の神経を消滅させる+信頼関係を強め、心の安定感をも増す
〇脳の神経回路を増やし、脳の働きを再生するために(認知症の方の治療)
①計算練習、音読練習+料理=脳の前葉頭を鍛える(認知症にも効果あり)
②本や話の内容・心情を読み取る
③やる気が出ること(趣味)に取り組む=脳の働きの再生促進
〇まとめ
「人間関係と自己肯定感を軸とした育て方・生き方を考える
~幼小時期から青年期までを見通し、最新の脳科学と関連して~
①オキシトシンを増やす
・スキンシップ
・目と目を合わせる
・楽しい活動
・好きなことで自己肯定感
・集団への参加
②規則正しい生活
・早寝、早起き、朝ご飯
・スマホゲームは1時間まで
③虐待の防止
・叱るとき感情的にならない
・よい面に視点をあてる
・役割を持たせ、有能感を育てる
④脳の再生のために
・計算練習、音読練習+料理=脳の前葉頭
・本や話の内容・心情を読み取る
・やる気を出させる
子育ての時には考えていなかったが、孫を育てるときの参考にするため、
ちょっとメモらせて貰いました。
貴重な講演、ありがとうございました。
JA花咲丸岡支店にて、しいのみ共生会総会があり、出席してきました。
挨拶終了後
講師:小杉真一郎氏(福井市足羽小学校校長)による講演会が行われ、参加してきました。
演題は、
人間関係と自己肯定感を軸とした育て方・生き方を考える
~幼小時期から青年期までを見通し、最新の脳科学と関連して~
〇コミュニケーションのはじまり
(1)生理的微笑 → 社会的微笑
・生理的微笑とは、赤ちゃんが生まれ持った、本能的・無意識的に起こる微笑みのこと。
・社会的微笑とは、親に抱っこしてあやしてもらったり、興味のある物を見たりした時に赤ちゃんが見せる微笑みのこと。
・どの子も笑顔ができるように生まれてくる。
・それにまわりの人、大人、親が応える。
・そのやりとりがコミュニケーションのはじまり。
・自閉症の赤ちゃんは、表情の一部分の変化(まゆ毛や目じりが下がり、口もとが上がる)
がわからずまねできない(選択的注意ができず)=スタートでつまずき
(2)共同注意(視覚追従、視覚的共同注意)
・相手の見る方向を見る
・相手の見ているものに意識して注意を向ける
・指している先のものがわかる
〇その後の子どもの心と人間関係の発達
<愛着行動の発達段階>ボウルビィ(英1907-1990)の愛着理論
第一段階(新生児期~生後2、3か月)
・原始反射や生理的微笑で、周囲の大人の心をつかみ、自発的な係わりを引き出しやりとり拡大
第二段階(生後3か月~生後6か月)
・母親に話しかけられると歓声をあげて微笑み、喜びの反応
・見知らぬ人にはけげんな顔をして後ずさり、泣き出す
第三段階(生後6か月~2、3歳)
・生後6か月から人見知り、ハイハイなど移動できると後追い
・愛着関係が十分にできている場合、母親を「心の港」として周囲に積極的に働きかけるようになる
第四段階(生後3歳~)
・母親がいない時でも、母親が自分のことを大切に思う気持ちを心の中にもっておくことができる
・ひとりでも安心して活動が可能になる
〇愛着行動の最新研究=脳科学
・スキンシップをしたり目を合わせたりなど一緒に楽しい経験をしたりすると・・・「オキシトシン」という脳内物質が増える。それが、脳の前の部分の働きをよくする。
「オキシトシン」ヒトや哺乳類の動物が、互いに信頼関係を築いたり、親子関係(愛情関係)を築く際に出るといわれる脳内物質。
・愛着行動がしっかり形成された子や信頼関係が誰かと築くことができた子は、オキシトシンがしっかりと分泌され、心が安定する。
・前頭葉の働きがよくなるから
行動のコントロール、信頼関係、心の安定、安心感、親切心、ストレス緩和、集団への貢献
〇人の育ちと人間関係と情緒の安定
・苦手なこと、できないことののみの指導 → 自信の無さ・自己否定・不適切な行動<自己像の矮小化>
・チャレンジ、好きなこと得意なことを伸ばす指導 → 自信・自己肯定感・認められる信頼感
・①まずは、特定の大人との関係それが徐々に広がる
②特定の友達との関係
③集団の中で認め合う経験、他者肯定
心の土台、自己肯定観は愛着行動により築かれる
〇生活に関すること
①生活リズム(早寝・早起き・朝ご飯)
★睡眠の大切さ ⇒ 寝ている間に脳の傷の修復
小学生で9時間、高校生でも8時間は必要。
★朝ご飯 ⇒ 午前中の活動(特に脳)のエネルギー源
1)成長ホルモン分泌(骨、肉を作り、傷を治す)
2)体内時計の調整、気持ちを落ち着かせる
3)気持ちのコントロール(イライラをなくす)
4)学習したことを整理して、しっかり記憶
5)朝に体温を高くして、活動しやすくする
②スマホやゲームの影響(2/19、NHK「クローズアップ現代+」)
1)スマホやゲームを1時間以上やっている子ども
・家庭での学習時間に関係なく、学力が低下する
・脳の血流が悪くなる。特に前の部分が働かなくなる。
イライラ、暴言、集中力の低下、心のコントロール低下
・大人でも脳過労に(スマホデトックスで脳機能が少し復活)
2)以前から、ゲームやネット等の依存の危険性が言われている
・文科省は、小学生のスマホ使用を認める動きがあるが
大人でも依存になる人が多い中、保護者や業者が
子どもの使用をどうコントロールするかが重要となる
③生活経験を豊かに=心を豊かに
1)作る、作業、働くこと=子どもと一緒にする
2)読み聞かせ、絵を描くこと=想像力を豊かに、豊かな心を育む
3)失敗の乗り越え方(次どうしたらよいか、前向きの姿勢)
4)外遊び=達成感、語彙、自信、自己肯定感
〇なぜ、虐待が増えるのか?
①本当に子どもが求めているもの=誰かに存在を認めてほしい
実は、良い存在でいたい。満足感、有能感を感じたい
⇓
でも、良い存在として認められなければ不適切な方法でも、
人とのかかわりを求める方向へ
<子どもが虐待を誘発することもある>
理想像の子どもになってほしい大人とのバトルに
<ボノボの親子の物語>
②虐待による脳の影響
・脳の縮小=脳細胞の死滅
・心的外傷後ストレス ⇒ トラウマ
統合失調症など
※言葉だけの虐待や無視(ネグレスト)
夫婦ゲンカ(DV)を見るだけでも
<虐待の連鎖を止めるには>
・叱るとき=感情的にならず、余裕をもって(3秒ルール)
・良いところに視点をあて、伸ばし、育てる
・スキンシップ、ともに楽しむ活動を増やす
・家庭の中での役割(認められること)をもたせ、有能感を育てる
・外部の相談者(専門家)とつながる
〇脳のはたらきとまとめ
<前頭葉>
・他人の感情理解
・意欲、チャレンジ精神(繰り返す練習の意欲も)
・行動や感情のコントロール
・アイディア、芸術を生み出す力
・集中力
・2~3のことを同時にできる力
<側頭葉>
・音や言葉を理解する
・音をイメージでとらえる
<後頭葉>
・人の顔や物の形など見た物を理解する
・見た物をイメージとしてとらえる
☆「できた!」「認められた!」「誰かの役に立った!」喜びが脳の神経を伸ばす
☆「叱られたこと」「嫌な体験」が脳の神経を消滅させる+信頼関係を強め、心の安定感をも増す
〇脳の神経回路を増やし、脳の働きを再生するために(認知症の方の治療)
①計算練習、音読練習+料理=脳の前葉頭を鍛える(認知症にも効果あり)
②本や話の内容・心情を読み取る
③やる気が出ること(趣味)に取り組む=脳の働きの再生促進
〇まとめ
「人間関係と自己肯定感を軸とした育て方・生き方を考える
~幼小時期から青年期までを見通し、最新の脳科学と関連して~
①オキシトシンを増やす
・スキンシップ
・目と目を合わせる
・楽しい活動
・好きなことで自己肯定感
・集団への参加
②規則正しい生活
・早寝、早起き、朝ご飯
・スマホゲームは1時間まで
③虐待の防止
・叱るとき感情的にならない
・よい面に視点をあてる
・役割を持たせ、有能感を育てる
④脳の再生のために
・計算練習、音読練習+料理=脳の前葉頭
・本や話の内容・心情を読み取る
・やる気を出させる
子育ての時には考えていなかったが、孫を育てるときの参考にするため、
ちょっとメモらせて貰いました。
貴重な講演、ありがとうございました。